バドミントンのドロップとは? 使用する効果や打ち方のコツを解説
スマッシュやドライブ、プッシュ、ヘアピン、ロブなど、バドミントンにはさまざまなショットがあります。数ある打ち方の中でも、試合中のラリー(打ち合い)に緩急をつけるために活用したいのが、ドロップショットやドロップと呼ばれる打ち方です。具体的に、ドロップショットとはどのような打ち方なのでしょうか。
ここでは、バドミントンのドロップショットの効果や、ドロップと似ているカットとの違い、ドロップの打ち方のコツなどをご紹介します。
【目次】
■バドミントンのドロップショットとは
バドミントンのドロップショットとは、主にコート後方から相手コートのネット近くにシャトルを落とすショットのことです。スマッシュと同じフォームから、遅く緩やかな打球を返します。
ドロップを打てるようになると、ラリーに緩急をつけて相手を惑わせたり、ミスを誘ったりすることが可能です。また、ドロップショットは山なりの軌道で相手コートの手前側に落とすショットなので、相手はネット近くまで移動して、シャトルを下から拾うことになります。スマッシュなどの強いショットを打つのが難しく、ラリーを優位に進めやすくなるのもメリットです。
ラリー中にドロップショットを織り交ぜて相手にフェイントを仕掛けられると、得点につながる可能性が高まります。相手を惑わせるドロップは、上手に打てれば試合中の大きな武器になるショットです。
■ドロップとカットの違い
ドロップと似たショットに、カットがあります。カットもドロップと同じように、シャトルを相手コートのネット近くに落とし、相手の意表を突くフェイントのひとつです。
ドロップショットは、シャトルに対してラケットをまっすぐ当てるのが特徴です。シャトルはラケットを振った方向に飛びながら、山なりの軌道で相手コートに落ちます。
一方でカットは、ラケットでシャトルのコルク部をこするように打ち、回転をかけるショットです。シャトルはラケットを振った方向とは異なる方向に飛んでいきます。ドロップよりもスピードを出しやすく、シャトルを鋭い角度でコートに落とせるのがメリットです。
スマッシュとドロップに加えてカットも打てるようになると、相手をさらに翻弄することができるでしょう。ただし、カットは初心者には難易度が高いショットなので、まずはドロップから習得することをおすすめします。
■ドロップショットの打ち方のコツ
ドロップショットの打ち方は、基本的にはスマッシュを打つ場合と同じです。落下地点の少し後ろに入ってから踏み込み、振り上げたラケットでシャトルを捉えて打ち抜きます。
しかし、効果的なドロップショットを打つためには、打ち方のコツを知っておくことが大切です。ドロップショットを打つ際に意識したいコツは、以下の通りです。
・肘を上げて打点を下げない
効果的なドロップショットを打つには、スマッシュと同じフォームでシャトルを打つことが大切です。スマッシュを打つと思わせることで、ドロップが効果的なフェイントになり、相手を翻弄できます。
そのため、スマッシュのフォームと同様に、肘を下げないことを意識しましょう。肘が下がったフォームだと、ドロップを狙っていることが相手に悟られやすくなるうえ、シャトルがネットにかかる原因にもなります。肘を少し曲げた状態で、高く上げておくのがコツです。
また、シャトルを打つ打点が低いと、相手コートの手前側に落とすのが難しくなります。打点を上げるのも、ドロップショットのポイントのひとつです。ただし、打点を上げすぎてしまうとショットが浮く原因になります。スマッシュと同じように、打点は体の軸よりも少し前気味にすることを意識してみてください。
・インパクトで脱力する
ドロップショットを打つ際は、シャトルがラケットに当たるインパクトの瞬間に脱力することを心がけましょう。脱力するタイミングがインパクトの瞬間に近いほど、相手がドロップだと気づきにくくなり、ショットに対する反応が遅れます。
ただし、インパクトの瞬間だけ脱力するのは、プロのバドミントン選手でも難しいプレーです。完璧なタイミングを狙うのは難しいでしょうが、「インパクトで脱力する」という意識を持つことが大切です。インパクトの瞬間にラケットを止めるイメージを持ちながら、しっかりと振り抜きましょう。
また、ラケットを振る際は手首のスナップを効かせるのではなく、手首を使ってシャトルを押し出す感覚で打つのもポイントです。
■ドロップを使う際の注意点
ドロップショットは、それ自体が威力のあるショットというわけではありません。相手選手が冷静に対処すれば、シャトルに触れられてしまう可能性があります。ドロップだけに頼るのではなく、スピードがあるスマッシュなどのショットと組み合わせて、緩急を交えることが大切です。
また、ドロップはあくまで相手を騙すためのショットなので、試合中に多用すると相手に予測され、効果が薄くなる場合もあります。ドロップショットを打つ際のフォームや予備動作などに癖があり、他のショットと簡単に見分けられる場合も同様です。
初心者の間は、ドロップは1試合で何回も決められるショットではないと考えるのが無難です。ドロップの使用は、ここぞという場面だけにとどめておく必要があります。
ただし、カットが使える選手はその限りではありません。カットも使える選手の場合、同じフォームからドロップ・スマッシュ・カットを繰り出せるようになります。相手選手がフェイントにかかる確率が上がるため、ドロップがより効いてくるはずです。ドロップを打てるようになった方は、カットの練習を行ってみるのも良いでしょう。
■ドロップを使われた際の対処法
自分自身がドロップを使うだけでなく、相手選手にドロップを駆使されるケースも考えられます。相手選手がドロップを使ってきた場合は、冷静に相手がいない場所を見極めて返球することが大切です。ドロップを打つ選手はコートの奥側にいることが多いため、ドロップに対してあえて優しくネット際に返球してみるのも有効な返し方といえます。
相手がドロップを打ってくると読めていた場合は、できるだけ高い打点から強いショットを打つことを心がけましょう。打つタイミングをわざと外して、相手にフェイントをかけることもできます。
万が一不意を突かれてしまったら、シャトルに触れることを第一に考えてください。余裕がある場合は、相手が少しでも返球しにくい場所を狙い、体勢を整え直すようにしましょう。
体勢を崩されたとしても、シャトルを相手コートに入れることさえできれば、相手のミスなどで得点につながる可能性が生まれます。
■ドロップを使った緩急で相手を翻弄しよう
ドロップは、バドミントンのショットの中でもスピードに優れるスマッシュと同じフォームから繰り出す、山なりの緩いショットです。ドロップを使えるとラリーに緩急が生まれ、相手を騙して得点を取れる可能性が高まります。
ただし、ドロップは単体では緩いショットでしかなく、相手から見れば絶好のチャンスボールにもなりえます。多用しすぎたり他のショットとの見分けが簡単だったりすると狙い撃ちされる恐れもあるので、ここぞという場面で使用することが大切です。
バドミントンに慣れてきた方は、ドロップやカットといった緩急が生まれる打ち方を練習して、プレーの幅を広げることを心がけましょう。
RECOMMENDED POSTS
この記事を見た方におすすめの記事