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other2022.05.20

バレーボール女子日本代表監督がスポーツデポにやってきた!眞鍋政義監督トークショーに潜入!

2022年3月31日に2022年度バレーボール女子日本代表チームの登録メンバーが発表され、その直後の週末、なんと日本代表監督である眞鍋政義新監督が名古屋市にあるスポーツデポmozoワンダーシティ店のトークショーにやって来るということで、潜入取材に行ってまいりました!

眞鍋監督といえば、ご自身も現役時代オリンピック出場経験を持ち、イタリアセリエAでもご活躍された日本を代表する名セッター。現役引退後は2009年から女子日本代表の指揮を執り、2010年の世界選手権ではiPadを片手に緻密なデータを分析し指示を出す「IDバレー」で同大会32年ぶりの銅メダル獲得、2012年のロンドン五輪では28年ぶりとなる銅メダルをもたらした名将でもあります。

5年ぶりの代表監督復帰となった眞鍋新監督のトークショーの様子を拝見しつつ、なんと今回、お忙しいスケジュールの合間を縫ってトークショー後にも独占取材にお答えいただけることになりました!

取材では、トークショーでの内容をさらに詳しくお伺いしたり、女子日本代表のユニフォームやシューズを長年提供されているジャパンブランド、MIZUNOさんのアイテムについても、道具の選び方や関わり方などのお話を聞かせていただきます。

ではさっそく、トークショーを覗きに行ってみましょう!


MCの方から「眞鍋監督のご入場です!」のかけ声とともに監督の姿が見えると、会場のお客様から大きな拍手が。

現役の部活生や選手だけでなく、眞鍋監督のご活躍を長年にわたって応援しているファンの方など、幅広い年齢層のお客様が監督の登場に目を輝かせます。


眞鍋監督の経歴をひととおり紹介し、まずはMCの方を交えトークショーが始まります。


――試合中に選手がいいプレーやミスをしたとき、どのように声をかけますか?

眞鍋監督:

いいプレーの時はもちろん素直に「良かった」と言いますね。反対にミスをすると、選手一人ひとり性格が違いますから、「頑張れ」と声をかける選手もいますし、何も言わない選手もいます。選手によって使い分けをしています。

ただ今回は、日本代表選手が39名という非常に多い人数を選考したので、初めはやっぱり大変でしょうね。一人ひとりの性格も理解しないといけないですし。


――試合に勝つため、練習で一番大切なことは何ですか?

眞鍋監督:

やはり試合中と同じ気持ち(メンタル)で練習をしないと試合では活躍できないと思います。

特にバレーボールという競技はサーブから始まるわけですが、サーブというのは本当に重要で、サーブ練習をただやるだけでは何時間やっても上手くならない。そのかわり、試合の5セット目…14-14とかね、一番最後の緊張感を持って練習すると、試合で上手くいくんです。ですから、試合の緊張感を持って練習するのが私は一番かな、と思います。


――本番さながらの緊張感というのは、どのように練習するのでしょうか? 

眞鍋監督:

何十試合もやっていく中で、選手も「緊張感」を理解していますから、その緊張感を持って、自分の中でプレッシャーを与えながら練習をする。それは個人個人分かっていると思います。


――眞鍋監督が指導者として大切にされていることは何ですか?

眞鍋監督:

監督としていつも思っていることがありまして、それは何かと言うと、「監督はモチベーター」ということです。我々はまずチーム全体で、そして個人個人でそれぞれ目標設定をしていて、その目標があるからこそ頑張れるわけですが、頑張るにはモチベーションが必要ですよね。そこで日々、選手・スタッフのモチベーションを上げるのが私の仕事というわけです。前回の代表監督のときも、いろんなサプライズを使って選手のモチベーションを上げていました。

例えば厳しい練習が増えてくると、ときには午前中の練習を休みにしたり。また、選手も人数が多くなると気の合う仲間でグループができたりするので、今日はこのグループと話をしよう、明日はこのグループと…のように、練習前に話すこともしていました。

特に前回代表監督を務めた8年間は、練習中から毎日テレビ局のカメラが入っていまして、そのせいですかね。休みの日になるとみんなよく美容院に行くんです。でも誰が髪を切って少し色を変えたかなんて分からないから、女性マネージャーから「あの選手は少し色を変えた」など教えてもらっていました。それをインプットして、例えば木村選手だったら「さおり、少し髪色変えたね!似合ってるよ!」「眞鍋さん、分かります?」みたいなやりとりをする。そうすると、1週間モチベーションが上がるわけです。こんなことを8年間やっていました。


――実は今だから話せる、眞鍋監督の失敗談などはありますか?

眞鍋監督:

ありますよ。2010年、今から12年前にグラチャン(=ワールドグランドチャンピオンズカップ)という大会がありまして、当時はまだパソコンをベンチに置いてデータを見ていたんです。試合中は特にアタック決定率を見ていて、ある選手のアタック決定率が下がってきていたのですぐにメンバーチェンジしました。結果、試合は勝ちましたけれども、試合後スタッフ陣に「眞鍋さん、あの選手調子が良かったのに変えましたね」と言われて、「いやいや、試合中に数字が下がってきたからメンバーチェンジした」と答えたものの、気になってホテルに帰ってデータを見ると、その選手、調子が良かったんです(笑)

当時私は44、5歳で。初期の老眼ですよ…。試合中は私も生放送ですし興奮していたことも相まって、1行違う選手の数字を見てしまっていました。それは反省ですよね。そのあと選手に素直に謝りました(笑)
そういうことがあって老眼鏡を考えていたところ、iPadが発売されたんです。数字を大きくできるので、試合中の老眼鏡は必要なくなりました。(笑)


眞鍋監督の意外な一面も知れたところで、次は、会場に集まったお客様からの質問コーナーに移ります。
トップバッターは、現役の部活生でもある学生さん。「リベロが上手くなるにはどうすればいいですか?」の質問に、眞鍋監督が笑顔で答えます。


眞鍋監督:

バレーボールには「リベロ」という守備専門の選手がいまして、「守りの要」なんですよ。レシーブだけ良くてもダメで、横の選手、周りの選手との信頼関係がないと上手くいきません。だから、日頃から選手とコミュニケーションを数多く取ることが一番かなと思います。


その後も次々と質問の手が上がる中で、「世界を相手にするにあたって、変化や進化はありますか?」という、ロンドン・リオ五輪での監督経験もある眞鍋監督にだからこそ聞きたい質問も。


眞鍋監督:

当然のことながら世界は変化、進化しております。特に身長です。バレーボール女子のネットの高さは2m24cmと決まっていて、身長が高い方が間違いなく有利です。よくテレビで「平均身長」と言いますが、平均身長はその名の通り身長だけなので、実は5cm違うと、リーチがあるから最高到達点は10cmほど変わってきます。

ちなみに昨年行われた東京オリンピック、男子バレー日本代表の平均身長は190cmでしたが、10年前のロンドンオリンピック、女子バレーロシア代表の平均身長は191cm。すごいですよね。でもいくら考えたところで、身長は欧米選手には並べませんから、日本独自のレシーブを強化するとか、サーブを強化するとか、日本オリジナルの戦術をこれからいろいろと考えていきたいと思っています。日本女子の一番強いところを全面的に出す、ということですね。

他にも、サーブレシーブを練習で数多くこなすことの大切さや、世界の強豪と戦うためにレシーブ練習では男性選手を相手にアタックを打ってもらいスピードに対応するなど、会場でしか聞けないようなお話もたくさん聞かせてくださいました。

そしてトークショーの後は、じゃんけん大会や撮影会でこれまた大盛況!監督と触れ合える貴重な機会を、みなさん楽しんでいらっしゃいました。


トークショーの後は別室に移動し、いよいよ独占取材です。トークショーの内容をふまえ、さらに深いお話だけでなく、女子日本代表チーム公式ユニフォームであるミズノさんのアイテムについても聞かせていただきます。


――つい先日、女子日本代表チームの登録メンバーが発表されましたが、どのような目線で選考されましたか?

眞鍋監督:

もちろん我々は日本代表なので、世界で活躍できる選手が一番ですね。当然国内リーグの試合を見ながら、世界でも通用するような選手を選考しました。例えば、ストロングポイントをコート上で表現できる選手かどうか。たとえ身長が低くても武器を持っていれば、世界に行っても当然コートで活躍できますし、スターの条件になりうると思っています。今回は2チーム作るので、39名と多くなってしまいましたが、そういった基準で選びました。


――トークショーでは「監督はモチベーター」というお話をされていましたが、ご自身のモチベーションはどのように上げていらっしゃいますか?

眞鍋監督:

私ね、超プラス思考なんですよ(笑)

だから意識してモチベーションを上げる、ということはしていませんね。いざ始動となれば目標は決まっているので、その目標に向かって日々邁進していくだけです。目標を達成するためには、何をしたらいいかということを日々考えています。


――目標を達成するために、例えばどんなことをされるのですか?

眞鍋監督:
まずは目標設定です。今、東京オリンピックを振り返り、冷静に分析しているところです。今回の東京オリンピックは総当たりではありませんでしたので、客観的に数字を見て、いろいろな部分を総合的に判断し、本当に日本女子は10位なのか、8位か、6位か、12位かなどスタッフと議論をしています。

次のパリに向けて期間が2年半しかないという中で、まずは現状を把握する。これが冷静にできないと、次の目標設定も狂ってしまいます。そりゃそうですよね。ですから目標設定では現状把握にしっかり時間をかける。冷静に、客観的に、いろんな角度・視点から。今はまさに現状把握をしているところです。


――身長が海外の選手より低いというハンデの中でパリ五輪出場を目指すにあたって、考えていらっしゃることはありますか?

眞鍋監督:

当然身長が低いので、世界と同じことをしていても目標達成はできないと思います。やはり日本女子バレーしかできないことを選手と一緒になって考えて、想像力を持って「非常識を常識に」くらいまでやらないとオリンピックでいい成績は取れないだろう、と。これはずっと思っています。


――選手と一緒になって挑戦していくために、コミュニケーションも積極的に行う、と。

眞鍋監督:

やはりバレーボールはチームスポーツなので、本当にそこはファミリーにならないと勝てないと思っています。そうじゃなくても背が低いから、チームの結束力は世界でダントツNo.1にならないと勝てない。だからトークショーでも話した髪型の話題のように、練習以外のことも積極的に声かけしています。

まず監督が心を開かないと、選手は心を開かないわけです。コミュニケーションをとる際、それはいつも肝に銘じていることで、もちろん自分の失敗談も話しますし、心の扉は常に開けておく。それでもはじめのうちはなかなか選手は開けてくれません。しかし繰り返していると、「あ、この選手、やっと心の扉を開けてくれたな」というモーションがあるんですよ。そうするともう「やったー!!」となって、翌日声をかけるとクローズ(笑)。もうこの繰り返しですね。


――そして最終的にオリンピックで全員の心の扉が開いた状態に持っていくのですね。

眞鍋監督:

そうですね。最後はそこに行きますから。

ただひとつだけ言えることがあって、昔も今も経験上、いい子ばかりがいては勝てないんですよ。例えばやんちゃとか気が強いとか、自分の個性をしっかり持って、それを表現できる選手がいると、結束したときにより一層チームが好循環で上に上がっていきますね。


――今回はミズノさまとタイアップのトークショーということで、アイテムについてもお伺いしたいのですが、道具を選ぶ基準だったり、こだわりなどはありますか?

眞鍋監督:

そうですね、シューズに関してはやはり「履きやすさ」「フィット感」というのが最も重要ではないかと思いますね。一番最初にシューズに足を入れたときに、「お、いいな」という感覚ですね。

我々の時代のシューズと今のシューズは、もう全く違います。本当に。それくらい今はクッション性も良く、履きやすくてフィット感もいい。実際に比較はできませんけれど、もし私が今20代だったら、あと20年くらい現役でいけたんじゃないかって思えるくらい(笑)、今のシューズはすごいですね。ミズノさんのシューズは選手からも評判がいいですし。デザインも格好いいですよね。


――これから部活動に励む学生たちに、シューズ以外に「こんなアイテムを使うと良い」などありますか?

眞鍋監督:

バレーボールはサポーターもありますよね。はじめはサポーターをしない子もいますが、サポーターはした方がいいと思います。特にバレーボールはレシーブなどで膝が床に当たったりもするので、補助のためにもあった方がいいですね。また、スライディングも多いですから、肘もつけて欲しいです。つけている方がより一層安全で安心ですし、パフォーマンスも伸びると思います。


――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。

眞鍋監督:

このたび5年ぶりに女子日本代表の監督に復帰しました。パリ五輪まで2年半しかないという非常に短い期間で強化をしていかなければならない中で、まずはオリンピックの出場権を獲得することが目標です。5月6日に行う会見では次の目標などすべて発表する予定なので、その目標に向かってチーム一丸となり、一致団結して目標達成できるよう挑戦していきたいと思います。どうぞご声援よろしくお願いします。


監督就任直後のトークショーと独占取材で、バレーボール女子日本代表にまつわるお話をたくさん聞かせてくださり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

パリ五輪に向けた新体制も始動し、ますます目が離せなくなった女子日本代表チーム。スポーツデポやアルペンの店舗では、応援グッズやバレーボールアイテムが充実していますので、お揃いのウェアやユニフォームで応援するも良し、もっとバレーボールに打ち込むも良し、ぜひ一緒にバレーボールを盛り上げていきましょう!

眞鍋監督、本日はどうもありがとうございました。 (取材日:2022年4月3日)
 


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■取材協力

MIZUNO(ミズノ株式会社)

https://www.mizuno.jp/


■取材場所

スポーツデポ mozo ワンダーシティ店

https://www.alpen-group.jp/store/sportsdepo_alpen/shop_search/detail.php?shopid=7655

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