バスケットボールのトラベリングとは? 基本ながら複雑なルールを覚えよう
バスケットボールをはじめ、スポーツはさまざまなルールを設けることで競技が成立しています。バスケ初心者の方でも知っている基本的なルールながら、複雑な点が多くプロでも反則をしてしまうのが「トラベリング」です。トラベリングは、どのようなシーンで反則を取られるルールなのでしょうか。
ここでは、基本ながら勘違いしやすい、バスケットボールのトラベリングについて解説します。
【目次】
■バスケのトラベリングとは?
バスケットボールにおけるトラベリングは、「ボールを持ってからドリブルせずに3歩以上歩く」という反則(バイオレーション)です。トラベリングと判定されると、トラベリングが起きた場所に最も近いサイドラインかエンドラインの外側から、相手チームのスローインでゲームが再開されます。
バスケットボールでは、ボールを持った段階、またはボールを持った直後に着地した1歩目の足を「ピボットフット(軸足)」と呼びます。
トラベリングは「3歩以上歩くと反則になる」というのは間違いではないものの、以下のイメージを持つと、わかりやすくなります。
【トラベリングを取られるシーン】
・ピボットフットがずれた
・ピボットフットが床から離れた後、再度着地した
■トラベリングが起こりやすいシーン
「ボールを持った状態で3歩以上歩いてはいけない」と、言葉にすると簡単に思えますが、プロの試合でもトラベリングを取られるシーンはよく見かけます。
不要なミスを防ぐために、トラベリングがどのようなシーンで起こりやすいかを覚えておきましょう。トラベリングが起こることが多いパターンとしては、以下の3つが挙げられます。
・パスをもらった直後
パスを受けた時点で、地面に着いている足は1歩目(ピボットフット)としてカウントされます。2歩目を踏んだ後は、ピボットフットが地面から離れる前に、次のプレーを選択しなければいけません。
パスやドリブル、シュートといった行動に移ることなく足を動かしてしまうと、トラベリングになるので注意してください。
特に、ディフェンスのプレッシャーで前を塞がれるなど、パスをもらった後に身動きが取れなくなると、トラベリングになりやすいです。
・ドリブルをやめた後
パスを受けた後と同様に、ドリブルをやめた後もトラベリングになりやすいシーンです。これは、地面に着いている足が2歩目としてカウントされた後に、1歩目の足を動かしやすいことが理由として挙げられます。
ドリブルをやめたら、一度地面に着けた足は動かさないように意識しましょう。
また、ドリブルしながらゴールに向かい、ドリブル中に空中でディフェンスをかわす「ギャロップステップ」と呼ばれる技も、トラベリングを起こしやすいため注意が必要です。
・空中でパスをもらって着地した時
空中でボールを受けてから両足で着地すると、着地した瞬間が1歩目としてカウントされます。着地後に足を踏み出した時点で、ピボットフットが決まるということです。そのまま反対の足を動かすと、すぐにトラベリングを取られてしまいます。
パスを受けた後は、ピボットフットを意識してプレーを行いましょう。
■トラベリングを回避するにはどうする?
トラベリングが起こりやすいシーンを覚えていても、完全にミスを防ぐのは困難です。反則を取られないためには、コツを意識しながら日々の練習に取り組む必要があります。
トラベリングを回避するためのポイントをご紹介するので、練習時の参考にしてみてください。
・ピボットを踏む
トラベリングを防ぐには、しっかりとピボットフットを踏むことが大切です。ピボットが上手に行えれば、ディフェンスから圧力をかけられても、体を回転させてボールを守ることができます。
ただし、ピボットフットが少しでもずれてしまうとトラベリングを取られます。ピボットフットはしっかり床に着けたまま、動かさないことを心がけましょう。
上半身が外側に倒れると足が浮きやすくなるため、上半身を足の外側に倒さない意識で動くこともポイントです。
・ディフェンスをよく見る
試合中に周囲の状況や選手の動きが把握できていないと、次のプレーをその場で考えなければいけません。攻守がスピーディーに切り替わり続けるバスケットボールの試合において、次の動きを止まりながら考える余裕はないケースがほとんどです。
例えば、パスを受けてから「ドリブルで突破しようか、パスを出そうか」などと考えていたら、すぐ相手ディフェンスにプレッシャーをかけられてしまうでしょう。
相手ディフェンスや味方選手の動き方をよく見て、ボールが来たら次はどう動けば良いのかを常に予測しておくと、トラベリングを防ぎやすくなります。
・ドリブルを足よりも先に突く
ドリブルを突くタイミングも、トラベリングが比較的起こりやすいシーンです。ボールを突くよりも先にピボットフットを動かしてしまうと、審判にトラベリングだと判断される可能性があります。
足を動かすよりも先にボールを突くイメージでドリブルを行いましょう。こうすることで、ドリブルが原因のトラベリングを防ぎやすくなります。
■トラベリングに関わる「ゼロステップ」ルールとは?
トラベリングをしっかり理解し、無駄な反則を防ぐには、2017年に定められた「ゼロステップ」と呼ばれるルールも覚えておく必要があります。
動いている状態でボールをキャッチした時に適用されるルールで、「ボールをキャッチした時に床に着いていた足はカウントされない」というものです。
例えば、従来はパスを受けるのと着地するのが同じタイミングだった場合は、その足が1歩目(ピボットフット)としてカウントされていました。ゼロステップルールではパスと同時に着地した足が「0歩目」になり、その後の2歩は思い通りに出すことができます。
このルールを活用すれば、1歩目と逆方向に2歩目の足を出すハーデンステップやスピンターン、ステップバックシュートなど、難しいテクニックを活用するのも簡単になるでしょう。
ただし、ゼロステップは判断が難しいプレーです。自分ではゼロステップを踏んだと思っていても、審判はトラベリングだと判定することも考えられます。
ゼロステップを過信するのではなく、従来通りのステップを踏むことを意識して練習するのがおすすめです。
■ミスを防ぐにはルールの理解が大切
トラベリングは基本的なルールながら、プロ選手でも犯してしまうことがあるバイオレーションです。パスを受けた直後やドリブルの後など、さまざまなシーンで取られやすいため、ルールを確実に理解しておく必要があります。
どのような場面で反則しやすいか理解しておけば、トラベリングを防ぐために役立てることも可能です。
また、ゼロステップルールにより、攻撃側は1歩多くステップを踏めるようになりました。プレーの幅を広げるために、ゼロステップルールの概要も覚えておくと便利です。
トラベリングを犯してしまうと、無条件で相手チームのボールでプレーが再開されます。不要なミスを防ぐために、ご紹介した内容を参考にしてみてください。
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