おしゃれキャンパーには欠かせないブランド、「STANLEY(スタンレー)」の歴史と人気の秘密に迫る!《前編》
キャンプデビューすると、気になってしまうのが「おしゃれキャンパーさんって、どんな道具やアイテムを持っているんだろう?」ってことではいでしょうか。
思わず見とれてしまうようなキャンプサイトをちらりと覗いてみると…テーブルや棚の上に必ずと言っていいほど発見してしまうアイテムをご存知ですか?
そのブランドの名は、「STANLEY(スタンレー)」。
ボトルやタンブラー、ジャグ、クーラーボックスに至るまで数多くの商品が、無骨で男前なデザインの中にもクールな佇まいでキャンプシーンを演出しています。
STANLEYはなぜおしゃれキャンパーさんに絶大な人気を誇っているのか、なぜキャンプシーンに欠かせないブランドであるのか、その秘密に迫ってみたいと思います。
そこで今回は、STANLEYの日本総代理店である株式会社ビッグウイングの関東営業所所長 兼 営業部統括部長、亀山優輝さんと営業部広報担当の山本浩紀さんからお話を伺いました。
――まずはSTANLEYの歴史から紹介いただけますか?
亀山さん:
STANLEYというブランドは1913年に誕生して以来100年以上続いているブランドですが、誕生のきっかけは、実はアウトドアシーンから生まれたわけではありません。
STANLEYをつくったのはアメリカのウィリアム・スタンレーJr.という方で、この方は電気関係の変圧器を開発した発明家でした。そんな彼が、ある日仕事中に「コーヒーを温かいまま飲みたいなぁ」と思ったのがはじまりだったそうです。変圧器を作るのに断熱材が必要で、それを応用して作ったのがSTANLEYボトルの原型だと言われています。
――デザインの秀逸さだけでなく品質の高さがあるからこそ、100年を超えるブランドに成長したのだと思いますが、いちばんの強みはなんでしょうか?
亀山さん:
「丈夫さ」と「イノベーション=革新性」、つまり、圧倒的な強みを持ちながらも、古いものを守りながらどんどん新しいものを創り上げていくという挑戦が、100年以上ブランドを継続できた強みだと思います。
第二次世界大戦時においては、B-17という軍用機に初めて採用されしばらく使われた、というのが史実としても残っています。
そんな歴史もあるからでしょうか。「丈夫さ」というのが一人歩きして、本国では上空12000mから落としても壊れなかったとか、弾丸を通さないとか、戦車に踏まれても潰れないという話もありますが、さすがにそれらは「STANLEY伝説」でして(笑)
ただこれらのエピソードを聞くと、STANLEYというのはそんな伝説が生まれるほど、僕らが考えている以上にアメリカの方には愛されてきたのかな、ということが感じられますね。
――進化し続けていく中においても、変わらない「STANLEYらしさ」も感じるのですが。
山本さん:
揺るがないSTANLEYブランドのベースがあった中で、プロダクトがそれぞれの方向性に膨らんでいる、というのが表現として一番近いのではないかと思っています。あくまでクラシックというのは過去の形が踏襲されて今の形になっているというもので、別のベクトルで今の時代にあった機能的なものをユニークな観点でプロダクトされている、というのはあると思います。
――ベース=軸は変わらずに、そこから派生している、と。
山本さん:
そうですね。探究心は非常に高いです。「より良いものを」とか、「より丈夫なもの」「より保温性の高いもの」「より飲みやすいもの」…など、どんどん派生していっていますね。
――STANLEYの商品には「生涯保証」が付いていますが、なぜそうしているのですか?
亀山さん:
生涯保証自体は、アメリカだとちょいちょいありますが、実際それをしっかり守っているというブランドというのは、数がとても少なくなってきているんです。何故かというと、自分の商品にいろいろな意味で「自信がないとできない」から。つまりSTANLEYの生涯保証は、商品に対する自信でもあるんです。
STANLEYでは取扱説明書の通りに使っていただいているにもかかわらず、保温・保冷力が落ちてしまったりという、初期不良であったり自然故障など起きてしまった場合は、商品をまるっと交換させていただいています。
また、パッキンなど消耗品の販売もしていますので、長くお使いいただけます。
今日の取材に持参した何十年も前のビンテージモデルも、昨年「とうとう保温が効かなくなってしまって」という理由で交換させていただいたものです。こういった出会いがあるたびに「ここまで使っていただけたんだ」という嬉しさと、あらためてSTANLEY商品の品質の高さを感じます。
――ちなみに、STANLEY商品は世界何カ国くらいで愛用されていますか?
亀山さん:
細かい数字はわかりませんが、主要国にはほとんど入っていますね。
――「そんな商品たちを広める活動を自分たちは行っている」という、誇りや使命感も芽生えますよね。
亀山さん:
もちろんそう思っています。ブランドに我々が成長させてもらっている、というのもありますね。
山本さん:
そうですね。我々はアウトドアのイベント等に出店することも多いですから、STANLEYを通じて人と出会う、ということも経験させていただいています。そういう意味では、「STANLEYがあったから、人と人とのご縁をもらえたな」というか。
「ご縁」という意味においては、今、新たな取り組みも行っておりまして。
STANLEYのボトルは、丈夫さと保温力の高さから哺乳瓶用のお湯を入れておくのにお使いになるユーザーさんもいらっしゃるというお話を聞き、「STANLEYボトルは底面に年号が刻印されているのだから、だったらそれをお子様の生まれ年と一緒のものを持っていただいたらどうだろう?」と。
例えば20歳の成人のときに同い年のSTANLEYを親から子へ…なんて繋げられたら、素敵な思い出が増えると思いませんか?
――繋ぐ、という言葉は100年以上もブランドを継続してきたSTANLEYにぴったりの言葉だと思いますが、それだけ長い歴史があるからこそ、これからの100年を見据えた取り組みもされているのでは?
亀山さん:
持続可能性=サステナビリティは今とても注目されていますよね。STANLEYもいち早く進めており、「捨てる必要のない商品を生み出すこと」「使い捨ての商品よりも世代を超えて愛される商品を創り出すこと」を常に考えて取り組んでいます。それらを行うことで、未来のためにいい循環になっていくとSTANLEYは考えていますから。
次回はSTANLEYの商品について、クラシックシリーズから最新シリーズ、そして人気の商品、さらには新しくなったSTANLEYロゴの情報までくまなくご紹介!どうぞお楽しみに!
「STANLEY」の歴史と人気の秘密に迫る!《後編》
につづく
■プロフィール
STANLEY 日本総代理店
株式会社ビッグウイング
https://www.stanley-pmi.jp
「こだわりのある商品を世界から『お客様に喜ばれる商品とサービスの提供への挑戦』」をコンセプトに、STANLEYの日本総代理店として国内におけるSTANLEY商品をより多くのお客様へお届けできるよう、市場開拓とサービスの提供に取り組んでいる。
■取材場所
アルペンアウトドアーズ 春日井店
https://www.alpen-group.jp/store/outdoor/kasugai/
160ブランド5万点以上、日本最大級の品揃えである体験型アウトドアショップ。メジャーブランドはもちろん、ガレージブランドの商品が豊富なのも特徴のひとつ。休日イベントだけでなく、平日にご来店される小さなお子様連れのお客様向けのワークショップやマルシェ等も随時企画中。