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outdoor2020.11.24

キャンプで便利な飯盒の魅力。選び方やご飯の炊き方のポイントとは

キャンプで、おいしいご飯を食べるために持っていきたいアイテムが飯盒(飯ごう)です。キャンプや登山、学校の遠足などで、飯盒を使ってご飯を炊く「飯盒炊飯(飯盒炊爨)」を体験したことがある方も多いのではないでしょうか。しかし中には、ご飯が焦げ付いてしまっておいしく食べられなかった方もいるかもしれません。
ここでは、飯盒の持つ魅力や選び方、飯盒でおいしくご飯を炊き上げるポイントなどをご紹介します。

 

【目次】

■飯盒って何?

■飯盒の持つ魅力

・ご飯をふっくらとおいしく炊くことができる

・炊飯以外の用途でも使用できる

■飯盒の選び方

・飯盒の形状から選ぶ

・飯盒の素材はアルミ製がおすすめ

・取っ手や蓋の機能性にも注目

■飯盒を使った炊飯のコツ

・使用前に一度火にかけておく

・計量は正確に行う

・炊く際は火加減が重要

■飯盒をきれいに使うためのお手入れ方法

・外側に石鹸水を塗っておく

・中はしっかりと汚れを落とす

■飯盒でおいしいご飯を炊いてみよう

 

■飯盒って何?

飯盒の「盒」という漢字は「蓋のついた容器」という意味を持ち、飯盒は主にアルミニウムで作られた軽量の調理器具を指します。
もともと飯盒は、欧米の軍隊が食料を携帯するための装備品として誕生しました。一般的な飯盒が、少しカーブを描いたソラマメのような形状になっているのは、リュックなどにくくりつけても体にフィットして、邪魔にならないためとされています。

明治時代になると日本でも飯盒が利用されるようになり、お米が主食の日本では炊飯用に特化していきました。現在では、軍隊の携行品としてだけでなく、アウトドア用途でも使用される機会が多いアイテムです。

 

■飯盒の持つ魅力

飯盒の持つ魅力

 

炊飯には土鍋やライスクッカーを使うこともできますが、飯盒を使うメリットとしてはどのようなことが挙げられるのでしょうか。ここでは、飯盒が持つ魅力をご紹介します。

 

・ご飯をふっくらとおいしく炊くことができる

飯盒は本体・中蓋・外蓋の3つのパーツからできていて、蓋が二重構造になっているものが一般的です。
中蓋を使うことでご飯を炊く際に圧力がかかり、水の沸点が高くなります。ご飯をおいしく炊くためには高温でしっかり加熱する必要がありますが、沸点が高くなると高温で炊飯できるようになるため、飯盒で作るご飯はふっくらとおいしく感じられるのです。

 

・炊飯以外の用途でも使用できる

もともと軍隊の携行品として開発された飯盒は、炊飯以外の用途でも使用することができます。蒸し料理を作ったり、蓋をフライパンや皿代わりに活用したり、作った料理を飯盒に詰めてお弁当箱のように使ったりすることも可能です。

このように、飯盒は幅広い用途で使うことができるうえ、ソラマメのようにカーブを描いた形状のものならコンパクトに持ち運べるなど、使い勝手が良い製品でもあります。ソロキャンプなど、荷物を少しでも減らしたいシーンでは特に活躍するでしょう。

 

■飯盒の選び方

一口に飯盒といっても、種類によって形状や素材が異なります。炊飯以外の用途でも使おうと考えている場合は、どのような使い方に対応しているかにも注目して選ぶことが大切です。ここでは、飯盒を選ぶ際に確認したいポイントをご紹介します。

 

・飯盒の形状から選ぶ

飯盒の形状は、兵式飯盒・丸型飯盒・四角型飯盒の3種類に大きく分けることができます。それぞれ使い勝手や特徴が異なるので、どのようなシーンで使用するのかも考えながら形状を決めるようにしましょう。

 

【兵式飯盒】

兵式飯盒

いわゆる飯盒といわれて想像する方が多いであろうタイプで、軍隊の携行品としても使用されていたタイプです。リュックにくくりつけても体にフィットしやすい形状で、持ち運びに優れています。炊飯の際にスペースをとらず、形を合わせればたくさんの飯盒を並べて使えるのも魅力ですが、バーナーの上に置くと安定感に欠け、中を洗いづらいというデメリットがあります。

 

【丸型飯盒】

丸型飯盒

熱が均一に伝わりやすい形状で、ご飯がムラなく炊きあがるのがメリットです。バーナーやコンロの上に置いても安定感があり、兵式飯盒に比べて洗いやすいため、アウトドア初心者の方でも使いやすいでしょう。ただし、兵式飯盒に比べて場所を取るため、荷物を少なくしたい方には不向きです。

 

【四角型飯盒】

四角型飯盒

収納しやすく飯盒の中に小物を入れることもできるなど、ソロキャンプの際に便利なのが四角型飯盒です。形状から鍋としても使いやすいですが、角の近くには熱が伝わりづらい点には注意が必要です。

 

・飯盒の素材はアルミ製がおすすめ

飯盒に使われている素材には、アルミニウムやチタン、ステンレス、鉄などの種類があり、素材によって特徴が異なります。
一般的には軽く熱伝導率にも優れるアルミニウムで作られているものが多く、製品を選びやすいため、アルミ製の飯盒を選ぶようにするのがおすすめです。

 

・取っ手や蓋の機能性にも注目

飯盒を選ぶ際は形状だけでなく、取っ手が上向きに固定できて調理中も熱くなりづらい工夫がされている、蓋に取っ手が付いていて開け閉めが簡単など、機能性にも注目してみましょう。

炊飯以外にも飯盒を活用したい方は、蓋に持ち手となるストッパーが付いていてフライパンのように使えるタイプの製品を選ぶのがおすすめです。

 

■飯盒を使った炊飯のコツ

飯盒を使った炊飯のコツ

 

飯盒を使って炊飯をしたことはあるものの、ご飯が焦げ付いてしまったり硬すぎたりして、おいしくなかったという経験を持つ方も多いかもしれません。ここでは、兵式飯盒を使って上手に炊飯するためのコツをご紹介します。

 

・使用前に一度火にかけておく

飯盒に多いアルミ製の製品は、独特のアルミ臭さを感じる場合があります。飯盒の中にお米のとぎ汁を入れて、10~15分ほど火にかけておくとアルミ臭さを軽減させられるので、初めて飯盒を使用する際は覚えておくと良いでしょう。
また、この作業は飯盒が黒く汚れることを防ぐ効果も期待できます。

 

・計量は正確に行う

兵式飯盒の多くはお米4合が炊ける仕様です。内蓋の摺り切り1杯でお米2合、外蓋の摺り切り1杯が3合と、蓋を計量カップ代わりに活用できるので、お米の量は正確に計量しましょう。

お米を計量した後は、水の量もお米に合わせます。一般的には飯盒の内側側面にある下の目盛りが2合、上の目盛りが4合のお米に対して必要な水の目安になっているので、確認してみてください。沸点が低くなる標高が高い場所では、少し多めに水を入れておくとご飯に芯が残ることを防げます。

また、計量後にお米を研いだら、30分~1時間ほど水に浸けておきましょう。水に浸けておくことで、ご飯がふっくらと仕上がります。

 

・炊く際は火加減が重要

飯盒でご飯を炊く際は、火加減が重要です。「はじめちょろちょろ中ぱっぱ、じゅうじゅう吹いたら火を引いて、赤子泣いても蓋取るな」という歌の通り、基本的には弱火→強火→弱火→蒸らしという順番で炊飯をしていきます。

 

【飯盒を使った炊き方の手順】
1.飯盒を沸騰するまで弱火にかける
2.飯盒から湯気が出始めたら強火にして、蓋に重しを乗せる
3.吹きこぼれが始まったら徐々に火力を弱めていく
4.パチパチと音がするか、ご飯の焦げたような香りがしてきたら火からおろす
5.火からおろして10~15分ほど蒸らす。このとき、飯盒を逆さにすると汚れが落としやすくなる

 

焚き火などで飯盒炊飯を行う場合、飯盒に炎が届かないのが弱火、飯盒の底に炎が当たる程度が中火、側面まで炎が上がっているのが強火の目安になります。上手に炊けているか不安な場合は、蓋を開けて中身を確認するのも良いですが、蓋を開け閉めしすぎると圧力が減り、ご飯の味が落ちてしまうので注意しましょう。

また、4合のお米を炊く際は外蓋の近くまでお米のカサが増えるため、中蓋をして圧力を高めることはできません。

 

■飯盒をきれいに使うためのお手入れ方法

飯盒を使い、おいしいご飯を食べた後は、しっかりとお手入れをすることも大切です。飯盒をきれいに使い続けるためのお手入れのポイントを2つご紹介します。

 

・外側に石鹸水を塗っておく

飯盒は直接火にかけるため、使い終わった後はすすけてしまっていることが多いです。飯盒を火にかける前に石鹸水を薄く塗っておくか、使用後に石鹸水を塗って火にかけると、汚れが落としやすくなります。炊飯前の飯盒に石鹸水を塗る際は、石鹸水が中に入らないように注意しましょう。

 

・中はしっかりと汚れを落とす

中に焦げ付きなどができてしまった場合は、たわしを使ってしっかりと汚れを落とします。炊きあがったご飯はすぐに別の容器に移して、飯盒をすぐに水に浸けておくと汚れが落としやすいので、洗い物を少しでも楽にしたい方は覚えておくと良いでしょう。
また、洗い終わって中が乾かないうちに蓋をしてしまうと、内部にカビが発生する恐れがあるため、しっかりと乾かしてから蓋をすることが大切です。

 

■飯盒でおいしいご飯を炊いてみよう

飯盒は使い方が難しくアウトドアに慣れた上級者向けというイメージもあるかもしれませんが、しっかりと水を吸わせる、火加減に気を付けるといったポイントを押さえておけば、美味しいご飯を炊くことができます。

ご飯を炊くだけでなく他の料理を作る際にも活用でき、コンパクトで持ち運びも簡単など、飯盒は多くの魅力を持つアイテムです。また、飯盒を使うことでキャンプの雰囲気を高めることもできるでしょう。この機会にぜひ、飯盒炊飯に一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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