【生声をお届け!Salon de 女子プロ】Vol.3 最後の大一番「リコーカップ」に臨む穴井詩、イ・ナリ両プロに直前インタビュー
新型コロナウイルスの影響で断続的な開催となった2020シーズン。賞金ランキングやシード権は来年までの2年間を通してのカウントとなるが、年内の試合は今秋の「LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」(以下リコーカップ)で最後となる。
年内の締めくくりであり賞金額も大きい試合だが、例年どおり現在の上位選手しか出られない国内メジャーのビッグマッチであることに変わりはない。
今年最後の大一番となるリコーカップに、ゴルフ5契約選手からは穴井詩選手とイ・ナリ選手が出場することになった。2020年の集大成とも言える試合を目前にした2人に、リモートでその意気込みを聞いてみた。
――穴井詩選手、出場決定おめでとうございます。
「ありがとうございます。今年はメルセデス・ランキングでの出場ということになりましたが、出られることが決まってよかったです」
――リコーカップが行われる宮崎カントリークラブの印象を教えてください。
「むずかしいコースですが、実は苦手意識はないんです。むずかしいのはどの選手も同じコンディションですし、そのなかで自分の持ち味である飛距離を武器に上位を目指したいと思っています」
穴井詩選手の持ち味であるドライバーの飛距離にも注目したい
――コンディションはいかがですか?
「悪くはないのですが、今年は試合数が少なかったので調整がむずかしいですね。例年だと私は休まずに試合に出続けて、連戦の中でコンディションを作っていくタイプなんです。でも今年はどうしても試合間隔が開いてしまうので、“試合勘”みたいなものが養いにくかったですね」
――試合勘ですか?
「はい。とくにウェッジの距離感や、ラフからどのくらいフライヤーするかというような感覚の部分は、練習だけでは身につかなくて試合の中でつかんだ感覚を『これを来週の試合で試してみよう』というのを繰り返して詰めていくんです。でもそれが試合間隔が空いてしまうと“この振り方でこの力感だと何ヤード”みたいなのがリセットされてしまう。そこがむずかしいですね。でも終盤戦にきてやっと連戦になってきたので、少しフィーリングが出てきました。これはプラスになると思います」
「もちろん優勝を狙います!」と、終始笑顔でインタビューに応じてくれた穴井詩選手。
――それは楽しみですね!
「はい。やっぱり試合勘が育ってくると“大事な1打”を打つ集中力も出てきますので、ここぞという場面で勝負していけます。ただし気温も下がってきて飛距離も夏ほどは出ないので、そこは無理せずにランの出る球で飛距離を稼ぎ、残りの距離を短くできたホールではしっかりバーディを狙っていきたいと思います。去年は1勝して出場していますが今年はまだ未勝利なので、目標はもちろん優勝です。みなさんも応援してください!」
――そしてイ・ナリ選手、2014年以来の久々の出場ですね。おめでとうございます。コンディションはいかがですか?
「ありがとうございます。秋口以降、好調を保っているので、試合がすごく楽しみです」
――9月に来日後は立て続けに優勝争いもされて、9、10月でベスト10入りも3回あります。コロナの影響でコンディショニングがむずかしかったと思いますが、どうやって準備されたんですか?
「今年はいったん3月に来日したのですが試合がなくなったので一度韓国に戻り、その中断期間中は韓国のステップアップツアーに7試合出場していたんです。そのおかげで試合勘を維持して秋の試合に臨めました。8月に再来日したときは2週間の隔離期間があったんですが、それをうまくリフレッシュに充てられたので疲れもありませんし、モチベーションも高いです。韓国の試合に出ている間『早く日本に戻りたい!』って思っていました」
9月から参戦も賞金ランク13位(11月22日現在)と好調のイ・ナリ選手
――そうなんですか、それは楽しみです! 今年はパッティングのランキング4位とパットが好調ですね。
「パッティングのスタイルを少し変えたんですが、その効果が出ているんだと思います。パターもオデッセイの『EXO#7』に換えていい感じです。でも宮崎カントリークラブのコーライグリーンはむずかしいです! 芝目もあって傾斜もキツいので、ラインの読みとタッチが合わないとパニックになってしまいます。久しぶりなのでちゃんと練習して調整しないといけません。コースも風が強いことが多いですし、何より出場するのがみんな上位選手なのでタフですよね」
「パターはこんな形です」と茶目っ気たっぷりに語ってくれた
――今年はギャラリーが入れないのも独特の雰囲気だと思います。
「そうなんです。さみしいですよね…」
――最後にファンの方々にメッセージを。
「試合に来ることができない方も、いまはSNSなどがあるので、それも活用して応援していただけると嬉しいです。LPGAのインスタグラムもいろいろな写真がアップされていますし、私もインスタグラムのアカウントを持っていて、最近更新をサボっていますが(笑)がんばって更新しますので、ぜひフォローしていただいて、どんどん『いいね』してください!もちろん、試合もがんばります!」
終盤戦の忙しい中、束の間の休息時間をインタビューに割いてくれた両プロ。試合で見せる緊張感のある姿とは違って、二人とも終始笑顔が印象的なインタビューとなった。宮崎の地で再びこの笑顔が見られるように、ぜひとも熱いエールを送ってほしい。2020年の最終戦となるリコーカップは、いよいよ11月26日(木)から始まる。