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outdoor2023.10.17

登山中のトイレはどうするの? 全員が気を付けたい山のマナー

山の中では、普段のようにいつでも好きなタイミングでトイレに行くことはできません。もちろん、脇道に外れて用を足すのも基本的にはマナー違反です。
登山やトレッキングの時に困らないように、山におけるトイレ事情やルールなどを知っておく必要があります。
ここでは、山に行く方全員が気を付けたい、山におけるトイレのルールやマナー、対策方法などをご紹介します。

 

【目次】

■登山で気を付けたいトイレ事情

・事前にトイレの場所を把握しておこう

・小銭は多めに用意すると安心

・携帯トイレの用意もマナー

■トイレの心配を減らすための対策例

・登山前にトイレを済ませておく

・コーヒーや紅茶を控える

・水分補給はこまめに行おう

■トイレまで我慢できない時はどうすれば良い?

■山ならではのトイレ事情を理解しておくことが大事

 

■登山で気を付けたいトイレ事情

登山で気を付けたいトイレ事情

 

登山中のトイレ事情は、男性や女性、初心者、ベテランなど、性別や経験値に関係なく、全ての人に関わる問題です。一人一人がマナーを守る必要があります。
都市部とは大きく環境が異なる山の中では、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。

 

・事前にトイレの場所を把握しておこう

街中とは違い、山の中ではすぐトイレに行けるとは限りません。トイレを設置している山は多くありますが「トイレに行きたいタイミングで、近くにトイレがない」といった事態も十分にあり得る話です。

登山計画を立てる段階で、ルート上のどこにトイレがあるのかを確認しておきましょう。直前でトイレに寄れるように、登山口にトイレがあるルートを選ぶと安心です。
ただし、地図ではトイレがあることになっていても、時期によっては閉鎖されていたり、故障で使えなかったりする可能性があります。山小屋のホームページやSNSなどで、最新の情報を調べることも重要です。

また、微生物の力でし尿を分解する環境配慮型(バイオトイレ)や汲み取り式など、山中のトイレにはいくつか種類があります。環境配慮型のトイレは、トイレットペーパーを流すことができません。使用済みの紙は、備え付けのゴミ箱に捨てるようにしてください。
トイレットペーパーがないトイレもあるため、自分でも用意しておくと安心です。

 

・小銭は多めに用意すると安心

平地と異なり、山には水道や電気といったライフラインが通っていない場所もあります。排泄物はヘリコプターで運搬して処理を行うなど、トイレの維持には平地以上に多くの費用をかけているのが実情です。

トイレの維持費として、数百円ほどの利用料を支払うトイレが多いため、小銭は多めに用意しておきましょう。利用料を入れないとドアが開かず、使うことができない仕組みになっているトイレもあるため注意が必要です。

山小屋のトイレの利用料は、宿泊費用に含まれているケースが多いものの、山小屋によって対応が異なります。山小屋泊を検討している方は、事前にトイレに関するルールを確認しておきましょう。

 

・携帯トイレの用意もマナー

通常のトイレではなく、持参した携帯トイレを使用できる「携帯トイレブース」を設置して、携帯トイレの使用が義務化されている地域もあります。携帯トイレやトイレットペーパー、ウェットティッシュ、ゴミ袋といったアイテムを用意しておきましょう。

トイレは生理現象で、自分自身で完全にコントロールできるものではありません。地図上に記載されているトイレが使えないが、どうしても我慢できないといった事態に陥る可能性もあります。
緊急時に備えて、使用が義務化されていない山でも、携帯トイレやトイレットペーパーは常に持参しておくと安心です。

 

■トイレの心配を減らすための対策例

トイレの心配を減らすための対策例

 

山の中でのトイレは、ちょっとした工夫を行うことで、回数を減らせる可能性があります。トイレが心配な方は、以下の対策を行ってみてはいかがでしょうか。

 

・登山前にトイレを済ませておく

山に入る前にトイレを済ませておけば、登山中にトイレに行きたくなる可能性を減らせます。
前述のとおり、地図にトイレの表記があったとしても、何らかの理由で使えなくなっていることがあります。
登山口や最寄り駅にある公衆トイレで、事前に用を済ませておきましょう。

人気が高い山の登山口や最寄り駅にあるトイレは、多くの登山者で混んでいることも考えられます。トイレに並んで登山計画が遅れるリスクを考慮して、時間に余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

 

・コーヒーや紅茶を控える

少しでもトイレに行きたくなるリスクを下げるために、登山中にコーヒーや紅茶などを飲むのは控えることもポイントです。コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインには利尿作用があるため、トイレに行きたくなる可能性が増します。
とはいえ、山で飲むコーヒーを楽しみたいという方もいらっしゃるでしょう。ルートの長さや、その日の体調なども考慮して判断してください。

また、お腹が弱い方は腹巻きや使い捨てカイロで腹部を温めたり、下痢止め薬を用意したりすることをおすすめします。

 

・水分補給はこまめに行おう

トイレに行く回数を増やしたくないからと、水を飲まずに山道を歩き続けるのは厳禁です。熱中症や脱水症状につながる恐れがあります。

登山中の水分補給は、一度にたくさんの水を飲むのではなく、少量をこまめに摂取するのがポイントです。少しずつ水を飲んだ方が水分を吸収しやすく、結果としてトイレの回数を減らすことにつながります。

移動中の水分補給の手間を減らしたい方は、チューブから簡単に水を飲むことができる、ハイドレーションを用意しておくと便利です。

 

■トイレまで我慢できない時はどうすれば良い?

近くにトイレや携帯トイレブースがなく、どうしても我慢できない時は、登山道近くにある大きな岩の裏など、目立たない場所でトイレを済ませなければいけません。登山用語では、男性は「キジ撃ち」、女性は「お花摘み」といいます。
ポンチョや簡易テント(ツェルト)などを活用すると、周囲の視線を遮ることができて便利です。

登山道から外れて戻れなくなったり、滑落したりする恐れもあるので、周囲には十分注意して行動してください。トラブルに対処しにくくなるので、恥ずかしいからと同行者に先に進んでもらうのも、避けることをおすすめします。

また、携帯トイレを使用できず、地面に排泄するしかない時も、周囲の環境に配慮することが重要です。水源や土壌の汚染につながるため、山小屋やテント場、沢の近くで用を足すのは避けましょう。

【携帯トイレが使えない時のキジ撃ち・お花摘みの仕方】
1.安全が確保できる場所を探して穴を掘る
2.用を足す
3.排泄物に土を被せる

排泄物の分解を早めるために、事後は土を被せることがポイントです。使用済みの紙は埋めるのではなく、必ず持ち帰ってから処理を行ってください。

 

■山ならではのトイレ事情を理解しておくことが大事

街中と山の中では、環境が大きく異なります。トイレの場所も限られているため、入山前に済ませたり、場所を把握して計画を立てたりすることが重要です。

ただし、トイレは生理現象なので、ずっと我慢できるものではありません。緊急時に備えて、携帯トイレを用意しておくこともマナーです。登山者一人一人の心がけが、自然にかける負担を減らすことにつながります。
山の中でのトイレ事情を理解して、マナーの良い登山を心がけましょう。

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