スキレットのサビの落とし方とは? 落とすコツやお手入れ方法をご紹介
キャンプや登山といったアウトドアシーンで料理を作る際に活躍するのが、「スキレット」と呼ばれる鋳鉄製のフライパンです。熱伝導率に優れているため、食材をおいしく調理することができます。
しかし、一般的な家庭用のフライパンと異なり、お手入れを怠るとすぐにサビや焦げができてしまうなど、扱いが難しいクッカーでもあります。万が一サビが発生してしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
ここでは、スキレットのサビを落とす方法や、サビを防ぐためのコツをご紹介します。
【目次】
■スキレットのサビの落とし方
鋳鉄製のスキレットはサビやすく、洗ったり食事を作ったりした後にお手入れをしないで放置すると、すぐにサビてしまいます。
しかし、万が一サビてしまっても、たわしとバーナー、食用油があれば、サビをきれいに落とすことが可能です。
スキレットのサビを落とす手順とコツをご紹介します。
・たわしで表面を磨く
最初に、スキレットを水やぬるま湯に浸けたらたわしでこすり、表面のサビを落としていきます。食器用の洗剤を使う必要はありません。縁や取っ手、火が当たる裏側部分なども含め、しっかりと洗うようにしましょう。
程度が軽いサビの場合は、たわしで磨くだけで落とすことができます。金たわしでこすると表面に傷がつく恐れがあるため、亀の子たわしを使用するのがポイントです。
また、スキレットに多めの塩を入れてから、カットしたじゃがいもの断面でこする方法でも、スキレットのサビ落としを行えます。
食材を使うためもったいない方法ではありますが、やり方を覚えておくと、たわしがないシーンなどで役立つでしょう。
・サビた部分を加熱する
たわしでこすっただけでは落とせない強固なサビの場合は、サビた部分を加熱する方法がおすすめです。加熱によってサビが炭化するため、簡単に落とせるようになります。
バーナーなどでスキレットを空焚きして、サビた箇所が黒色になるまで十分に熱しましょう。家庭用のコンロで安全装置が働いてしまう場合は、カセットコンロやガスバーナーを使用してください。
この時、熱したスキレットを直接素手で触れると、火傷することも考えられます。グローブやミトンを着用したり、スキレットの取っ手にハンドルカバーをつけたりしておくことをおすすめします。
また、換気をしっかりと行った状態で作業を行うこともポイントです。アウトドア用のガスバーナーを使用する場合は、屋外で行うのも良いでしょう。
・たわしで再び表面を洗う
スキレットのサビを十分に熱して炭化させたら、しばらく時間をおいて粗熱を取ります。粗熱を取る際に、熱したスキレットを水に浸けるのは厳禁です。急激な温度変化に耐えられず、スキレットが破損する恐れがあります。
粗熱が取れたらぬるま湯や水に浸けて、たわしでサビをこすります。たわしだとこすりにくい場所は、スポンジたわしやサンドペーパーなどを使用するのも手です。
どうしても落としにくいサビがある場合は、スキレットに重曹と水を入れて火にかけてから、たわしでこすり洗いしましょう。
サビを落としきれたら、再びバーナーなどでスキレットを熱して水分を飛ばします。水気が残ったままだとサビが発生してしまうので、しっかり乾燥させるのがポイントです。
■スキレットの保管方法
スキレットをサビから守るためには、保管方法にも注意が必要です。使い終わったりサビ落としの工程が終わったりした後は、乾いたスキレットにオリーブオイルやサラダ油といった食用油を薄く塗り、新聞紙に包んで保管しましょう。
表面だけでなく、裏面や取っ手まで油を塗るのがポイントです。
また、湿気が多い場所で保管するとスキレットがサビてしまう恐れがあります。湿気が少なく、風通しが良い場所に保管することも重要です。
■スキレットをサビから守るコツ
スキレットは、日頃の使い方次第でサビから守ることができます。スキレットのサビを防ぐために心がけたいポイントは、以下の4つです。
・シーズニングを行う
購入したスキレットを初めて使う場合や調理後は、「シーズニング」を行いましょう。シーズニングとは、スキレットの表面に油の膜を作ってサビから守るための作業のことです。
シーズニングの手順の一例を、購入直後と使用後の2通りに分けてご紹介します。
【購入後のシーズニングの手順】
1.スポンジと洗剤でスキレットを洗い、表面の塗装を落とす
2.強火にかけて空焚きし、水分を完全に飛ばす
3.白い煙が出るくらいに熱したら一度火を止め、キッチンペーパーなどで全体に食用油を塗る
4.3の工程を複数回繰り返す
5.野菜のくずを炒めて、鉄臭さを取る
6.火から下ろして野菜のくずを取り除いたら、再び食用油を薄く塗って完了
【使用後のシーズニングの手順】
1.水とたわしでスキレットについた汚れを落とす
2.強火にかけて水気を完全に飛ばす
3.水分を飛ばしたら火を止めて、キッチンペーパーなどで食用油をスキレット全体に薄く塗る
4.新聞紙などに包んで保管する
ただし、購入直後のシーズニングが不要なタイプのスキレットも販売されています。詳細は、メーカーのホームページや取扱説明書で確認すると安心です。
・洗剤を使わない
購入直後のシーズニングを除いて、スキレットを洗う際に洗剤を使うのは避けましょう。洗剤を使うと、シーズニングでスキレットに馴染ませた油の膜が洗い流されてしまい、サビや焦げの原因になります。
水洗いを基本に、どうしても水洗いだけでは落とせない頑固な汚れがある場合は、水を入れたスキレットを火にかけて沸騰させるのがおすすめです。
・煮物や汁物に使わない
煮物や汁物といった水分が多い食材を調理したり、湯沸かしの用途にスキレットを使ったりするのは控えましょう。水分が浸透してサビが発生しやすくなります。特に、味噌汁のように塩分の多い汁物は注意が必要です。
アヒージョなどの油が多い料理や、水分が少ない料理に使用するのがおすすめです。
・料理は他の容器に移す
スキレットは熱を蓄えておく「蓄熱性」が高いため、料理の温かさを保ちやすいのが魅力のクッカーです。スキレットで作った料理をお皿に移さずに、そのままテーブルに並べているという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、長時間料理を入れたままにしておくと、スキレットが酸化してサビの原因になる可能性があります。
調理後はすぐにスキレットから他の容器に移すか、そのままテーブルに並べる場合は早めに食べ切るなど、長時間スキレットに料理を入れ続けるのは避けるようにしましょう。
■コツを押さえてスキレットのサビを防ごう
さまざまな料理をおいしく作れる、蓄熱性が高くそのまま食卓に並べてもおしゃれなど、スキレットはアウトドアシーンで非常に便利なアイテムのひとつです。
しかし、鋳鉄製なのでお手入れを怠るとすぐにサビてしまいます。サビを落とすことはできますが、前提としてサビが発生しないように日々のお手入れをしっかりと行うことが大切です。シーズニングを行ったり、保管場所に注意したりすれば、スキレットを長く清潔に使うことができます。
正しい方法でスキレットをお手入れして、サビの発生を防ぎましょう。
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