【登山】パッキングの基本とコツ! 荷物を取り出しやすくなる上手な詰め方
リュック(ザック)の中に荷物を詰めるパッキングは、登山やトレッキングといったアウトドアシーンでは重要な作業のひとつです。パッキングが上手にできるようになれば、体にかかる負担を減らしたり、必要な荷物を取り出したりしやすくなります。
ここでは、登山・トレッキングにおけるパッキングの重要性や基本的な考え方、荷物を取り出しやすくなる上手なパッキングのコツなどをご紹介します。
【目次】
■山登りにおけるパッキングの重要性
登山・トレッキングにおけるパッキングとは、必要な荷物をリュックに詰めていく作業のことです。レインウェアや行動食、水筒など、登山ではどうしても必要なアイテムが多くなります。リュックにたくさんの荷物を詰めることになるので、重たくなってしまうのです。
パッキングが上手にできていないと、ザックが揺れる、荷物に体が持っていかれてバランスを崩す、必要なアイテムを取り出しにくいといった不具合が生じます。結果として、疲れやすくなったり、転倒してけがをしたり、荷物の出し入れに時間がかかったりして、思い通りに山登りを楽しめない恐れがあります。
登山・トレッキング、ハイキングなど、荷物を背負って移動するアクティビティを快適に楽しむための事前準備として、パッキングに慣れておくことが大切です。
■パッキングの基本
リュックに詰めた荷物が片寄ったり、使いたいアイテムがすぐに取り出せなかったりすると、登山を快適に楽しめません。緊急時に必要なアイテムが見つからず、困ってしまうことも考えられます。
まずは、基本的なパッキングの考え方を覚えておきましょう。
・重たいものは背中に
パッキングの基本は、重たいアイテムをリュックの背中に近い方に入れることです。荷重(重心)が体から離れるほど、重さを支えるのに必要な力は増えていきます。
つまり、重たい荷物を背中から遠い位置に入れてしまうと、リュックと体のバランスが悪くなり、体が揺れやすくなるのです。体が不必要に揺れ続けた結果、歩行中にかかる負荷が大きくなり、疲れやすくなってしまいます。
体の負担を少しでも減らすために、重たい荷物は背中に近い位置に収納することを心がけましょう。
・使用頻度が高いものは上に
登山・トレッキング用のリュックは、基本的にものの出入り口は1ヶ所しかありません。奥(リュックの底側)に詰めたアイテムの上には別のアイテムがかぶさるため、必然的に取り出しにくくなります。
防寒具やレインウェア、行動食、タオルなど、頻繁に使うものや必要な時にすぐ取り出したいものなどは、リュックの上側や雨蓋に入れておくのが鉄則です。シュラフやテント、調理器具といった使用頻度が低いアイテムは、奥側に詰めておきましょう。
具体的には、リュックのスペースを4分割して、以下のようにパッキングを行うと使い勝手が良くなります。
【リュックの上側や雨蓋:使用頻度が高いもの】
行動食、ファーストエイドキット、ヘッドライト、地図、コンパス、常備薬、レインカバーなど
【背中に近い場所:重たいもの】
テント、調理器具、食料、予備の水など
【背中から遠い場所:軽く、必要な時にすぐ取り出したいもの】
防寒具、レインウェア、ティッシュ、ごみ袋など
【リュックの底:使用頻度が低いもの】
シュラフ、山小屋やテントで使用する着替え、洗面用具など
■より上手にリュックを使うためのパッキングのコツ
基本的なパッキング方法に加えてコツも覚えておくと、リュックをより効率的に使うことができます。登山やトレッキングシーンで役立つパッキングのコツをご紹介するので、参考にしてみてください。
・スタッフバッグで小分けにする
リュック内に隙間なく荷物を詰め込むことができ、荷重にも大きな片寄りのない状態が、理想的なパッキングです。リュック内に隙間があると、歩くたびに荷物が動いて揺れるので、体に負担がかかりやすくなります。
スタッフバッグなどを活用して、リュックの隙間にも荷物を詰め込んでいきましょう。アイテムのカテゴリーや使用するタイミングごとに、スタッフバッグで小分けにして整理整頓しておくことで、使いたい時に取り出しやすくなる効果も期待できます。
・水濡れは防水ポーチで防ぐ
着替えや防寒具、スマートフォン、地図、カメラなど、登山・トレッキングの際は水に濡らしたくない荷物も多く持ち運ぶことになります。突然の雨に備えて、アイテムの防水対策も徹底しましょう。
リュックにレインカバーをかけることで最低限の水濡れ対策を行えるものの、リュック内への浸水を完全に防ぐことはできません。
水に濡れると困るアイテムは、ドライバッグや防水ポーチ、ジッパー付きの密閉袋など、防水性・密閉性に優れた袋に入れて持ち運ぶのがおすすめです。
・外付けアイテムも活用する
ウエストポーチやサコッシュに、地図・コンパス、スマートフォンといった使用頻度が高くかさばりにくい荷物を入れるのも有効です。リュック以外のアイテムを使うことで、パッキングを楽にできます。
また、ショルダーハーネスにボトルホルダーやスマートフォン用のポーチを取り付けるのもおすすめです。水筒や小物類を取り出しやすくなります。
リュックの外側にコップやゴミ袋などを引っかけて、中にしまう荷物を減らすこともできますが、木の枝に引っかけたり、歩いている最中に邪魔に感じたりする恐れがあります。
水筒やトレッキングポールなど、歩きながら利用するものか、中に収納できない大きな荷物だけリュックの外側に取り付けるようにしましょう。
・ごみを出さない工夫をする
山の中で出したごみは、その場に捨てるのではなく自分で持ち帰るのが、登山・トレッキングシーンにおける基本的なルールです。
とはいえ、長期間の縦走(尾根を伝って山々を歩く登山スタイル)やテント泊を伴う登山など、数日に渡って山登りを楽しむアクティビティでは、大量のごみが発生することが考えられます。
山登りのシーンでたくさんのごみが出る最大の要因は、食品類のパッケージです。包装袋やパッケージは自宅であらかじめ捨てておきましょう。中身を密閉できる袋に移し替えてパッキングしておけば、ごみを減らすことができます。
また、数日分の食料が必要な時は、日にちごとにまとめて密閉袋に入れておくと、直感的に取り出すことができて便利です。
■パッキングをマスターすれば登山が快適に!
長時間重たい荷物を背負って歩き続ける登山では、リュックに荷物を詰め込むパッキングの技術が非常に重要です。パッキングを上手に行えれば、体にかかる負担や荷物を取り出す際のストレスを軽減できます。
重たいものは背中側に、使用頻度が高いものはリュックの上側や雨蓋などの取り出しやすい位置にしまうなど、基本的なパッキングの方法は登山以外のアウトドアシーンでも役立ちます。
ご紹介したパッキングのコツをマスターして、登山・トレッキングをより快適に楽しみましょう。
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