CB缶とOD缶は何が違う? ガス器具を安全に使うための基礎知識
バーナーやガスコンロ、ランタンなど、アウトドアシーンではガスを使って火を起こすギアを多く使います。それらのギアは、使い方を間違えると火事ややけどなどのトラブルにつながる危険性があります。安全に使うためには、ガスを使うキャンプギアに取り付けるガス缶の種類や特徴などを知っておくことが大切です。
ここでは、キャンプや登山など、アウトドアシーンに欠かせないCB缶とOD缶の違いや、使用時の注意点などをご紹介します。
【目次】
■CB缶とOD缶は何が違う?
キャンプ用のガスバーナーやガスコンロなどは、数多く販売されています。ギアによって燃料に使うガス缶の種類が異なるため、適切なガス缶を選ぶことが大切です。
アウトドアギアで燃料として使うガス缶は、CB缶とOD缶の2種類に大きく分けられます。
それぞれの概要は、以下のとおりです。
・CB缶の特徴
CBは「カセットボンベ(Cassette Gas Bombe)」の略で、家庭用のカセットコンロでも使用するガス缶です。多くの方が、一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
CB缶はコンビニやスーパーなどでも販売されていて、価格はOD缶より安価です。万が一ガス缶を忘れてしまったとしても、キャンプ場の近くにあるお店ですぐに買うことができます。
ただし、家庭用のガス器具での使用を想定して作られているものが一般的で、OD缶に比べると火力は弱いです。外気温が低い、風が強いといったアウトドアシーンでは、着火しにくくなることがあります。
自宅でもカセットコンロを使用することが多い、調理以外でガス缶を使う予定がないといった方は、CB缶と、CB缶対応の燃焼器具を用意すると良いでしょう。
・OD缶の特徴
ODは「アウトドア(Outdoor)」の略で、名前のとおりアウトドアシーンでの使用を想定して作られているガス缶です。耐寒性能が高く、寒い日や風が強い日でも、安定して火力を出せます。
対応しているキャンプギアが多く、たくさんの選択肢から燃焼器具を選べる点もメリットです。
CB缶よりコンパクトで携帯性に優れており、容量も複数の種類が展開されています。
一方で、OD缶はコンビニやスーパーでは販売していません。入手できる場所は、アウトドアショップやホームセンター、ネットショップ(ECサイト)などに限られます。インターネットで購入できるため、販売店が限られているのは気になりにくいものの、すぐ購入するのが難しい点はOD缶のデメリットといえるでしょう。
また、CB缶よりも価格が高く、ランニングコストがかかりやすい点にも注意が必要です。
■CB缶とOD缶の選び方
CB缶とOD缶は、それぞれメリット・デメリットが異なります。2つの違いを理解したうえで、使用する時期や環境などを考慮して選ぶことが大切です。ガス缶や燃焼器具選びの時は、次の点を確認しておきましょう。
・使用する時期や環境
ガス缶を購入する時は、使用する時期やキャンプ場の環境などを確認しておくことが大切です。
CB缶とOD缶は、いずれもノーマルガス缶とパワーガス缶の2種類に分けることができます。
パワーガス缶は、気化する温度が低いイソブタンやプロパンといったガスが、ノーマルガス缶に比べると多く含まれているのが特徴です。ガス缶の出力が上がるので、気温が低い環境でも安定して火を使うことができます。
寒い時期や、気温が低くなりやすい標高の高い場所でアウトドアを楽しむ時は、耐寒性に優れているパワーガスタイプのOD缶を用意するのがおすすめです。
パワーガスタイプとして販売されているCB缶は、オールシーズンの使用に適したOD缶に比べると、耐寒性は劣る傾向にあります。気温が0℃を下回るような環境で使用する可能性がある方は、OD缶を用意しておくと安心です。
気温が高い夏場のキャンプや、風が穏やかな場所であれば、ノーマルタイプのCB缶でも問題ありません。
・ランニングコスト
耐寒性が高くコンパクトで持ち運びもしやすいOD缶は、アウトドアシーンで便利に使える一方で、CB缶に比べると価格が高い傾向にあります。キャンプに行く頻度が高い場合は、ランニングコストの差も大きくなりやすいです。
ランニングコストも考慮して、ガス缶や使用する燃焼器具の種類を決めるようにしましょう。
また、全てのアウトドア用のガス器具とCB缶を、同じメーカーでそろえるのは難度が高くなります。必要に応じて、CB缶とOD缶を使い分けるのがおすすめです。
■取り扱いには十分に注意しよう
ガス缶の中には、可燃性のガスが注入されています。簡単に火を起こせて便利な一方で、使い方を間違えると大事故につながりかねません。
ガス器具を使用する際は、次の点に注意が必要です。
・密閉空間では使用しない
密閉空間で換気をせずにガス器具を使い続けると、酸素不足によって不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒に陥る恐れがあります。風通しの良い場所や換気を十分に行った場所で、周囲に燃えやすいものがないことを確認のうえで、ガスバーナーやガスコンロを使用しましょう。
また、ガス缶とガス器具は同一メーカー品で統一するか、メーカーが指定しているガス缶を使用することもポイントです。異なるメーカーや、指定されていないガス缶を使うと、ガス漏れなどのトラブルにつながる可能性があります。
ガス漏れを防ぐために、ガスカートリッジの再充てんも避けた方が良いでしょう。
・輻射熱に注意
バーナーから出る炎や調理器具からガス缶に熱が伝わり高温になると、中のガスが膨張して爆発する恐れがあります。
バーナーよりも大きな調理器具を使ったり、バーナーを2台以上近くに並べたりすると、ガス缶に熱が伝わりやすくなり危険です。
他にも、ガス缶を他の熱源の近くに置いたり、バーナーやコンロで炭火を起こしたり、風防(ウィンドスクリーン)で火元の四方を囲ったりするのも避けてください。
また、ガス缶を高温になりやすい車の中などに放置せず、涼しい場所で保管することもポイントです。
不測の事態を避けるために、取り扱い説明書を確認のうえで、正しい使い方を守ることを心がけましょう。
■キャンプギアに適したガス缶を選ぼう
アウトドア用の燃焼器具に対応しているガス缶は、CB缶とOD缶の2種類に分けられます。CB缶は手に入れやすく家庭用のガスコンロなどと併用できる、OD缶は寒冷地で使えて持ち運びしやすいなど、それぞれ特徴が異なります。
自分のキャンプスタイルなどに合わせて、使用するガス缶や燃焼器具を用意することがポイントです。
ただし、CB缶だけでアウトドア用の燃焼器具をそろえるのは難しいかもしれません。CB缶とOD缶を適宜使い分けるのもおすすめです。
自分のスタイルに合ったガス缶と燃焼器具を用意して、キャンプをさらに楽しんでみてはいかがでしょうか。
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