効率のよいランニングフォームとは? 疲れにくい走り方を覚えよう
ランニングを習慣的に続けていくうえで、ランニングフォームは大事にしていきたいポイントです。ランニングをすれば当然ながら身体に負担がかかりますが、その負担が重くなるか、軽く済むかはフォーム次第。特に走ることが好きで長い距離を走りたいという方にとっては、効率のよいフォームを身につけることが重要になってきます。
ここでは、長い距離を走ることに適した効率のよいランニングフォームと、それを身につけるために意識するポイントをご紹介します。
【目次】
■効率のよいランニングフォームとは
ランニングフォームに「正解」はありません。身体のつくりは人によって違い、最適な走り方というのも人それぞれだからです。
今回のキーワードである「効率のよいランニングフォーム」とは、エネルギー消費の少ない走り方。言い換えるとしたら“エコ”な走り方ということになります。
人によって身体の骨格や筋肉のつき方、さらには量、柔軟性なども異なってくるため、まずはいろいろな方法を試してみて自分に合ったフォームを見つけることが重要です。
■効率のよいフォームによって得られる効果
効率のよいランニングフォームを身につけるメリットとして、まず走りが楽になるという点が挙げられます。
身体に合わないフォームで走ると膝や腰、そして肩や背中といった全身に負担がかかってしまいます。自分に合ったフォームで走ることは、ケガの防止にもつながるのです。
疲れにくい走り方を習得できれば走る距離を延ばすこともできるうえに、無理なくスピードを出すこともできるため、走ることがもっと楽しくなるでしょう。
■ランニングフォームの基本
突然「効率のよいランニングフォーム」といわれても、まずどこを意識したらいいのかわからず困ってしまうでしょう。わからないまま闇雲に走り続けていると、すねやふくらはぎの故障にもつながります。
ここでは、特に気を付けるべきポイントである「重心」と「着地」について解説します。
-重心は前方へ
まず気を付けるべきポイントは、重心をブレさせないことです。
身体は軸がまっすぐになるように意識を持ちつつ、走る際は軽い前傾姿勢を保つのがカギです。そうすることで自然と重心が前方へかかるため、楽に加速することができます。さらに、その加速に合わせて正しい位置で着地をしていくことで、より少ない労力で走ることができるようになります。
普段の生活から極端に猫背だったり、または反り腰だったりする方は、より注意して姿勢をつくるように心がけましょう。スムーズな体重移動が行えずに、必要以上に体力を消耗してしまいがちです。
-着地の位置
「着地」に関しては、2つのパターンを紹介していきます。
<足の中部から>
意識するポイントとしては、ひざ下と地面が直角の状態になること。足の中部がしっかりと地面につくように、言い換えれば足の裏全体で着地をしていくことで、身体の上下のブレが軽減されてエネルギーの消費も少なく済みます。この走法を「ミッドフット走法」といいます。
走るというと地面を強く蹴りだす印象もありますが、長距離走においてその行為は禁物です。足の裏で地面を包み込むようなイメージで、やさしい着地を心がけましょう。
<つま先から>
一方、もうひとつはつま先から着地をするというもので、「フォアフット走法」といいます。負担が大きそうにも思えますが、最近ではアフリカのマラソン選手がそういった走り方をしていることから注目を集めています。
原理としては、地面との接地時間が短くなる分、ひざ下の筋肉に与えるダメージが軽減されるというもの。人間が走る際、着地の入り口はかかとや足裏全体などさまざまですが、どの着地においても共通するのは、最後はつま先から地面を離れていくということです。であれば、よりつま先に近い位置から着地をした方が接地時間は短くなるのでは、という考えから日本でも取り入れようとする選手が出ています。
着地方法は一朝一夕で身に着けられるものではなく、無理なフォームの習得はケガに繋がる原因にもなるので、注意が必要です。
■ランニングフォームのチェックポイント
頭では仕組みを理解していても、実際に自分の姿を見て「何か違う」と思うことは、走りのみならずスポーツ全般でよくあります。ランニングも同様で、まずは自分のフォームを知ることが進歩するうえで大事なポイントになります。
簡単な確認の仕方としては、走る姿を仲間に動画で撮ってもらってそれをチェックする方法などがありますが、一人の場合でも街中を走る際にお店のショーウインドウを気にしてセルフチェックをするなど、常にフォームを意識するクセを付けることが大切です。
ここでは、気を付けるべきポイントを4つに絞ってご紹介します。
-肩はリラックス
まずは上半身です。ランニングをするうえで最も厄介なのは「猫背」になります。背筋を伸ばすことを心がけましょう。
ただし「背筋を伸ばすこと」を意識しすぎると、上半身に無駄な力が入りがちです。むしろ逆効果になるため、猫背にならないためには肩の力を抜きましょう。
走っていて力が入っていると感じた際には、肩を回したり腕を下にぶらぶらとさげてみたりと、上半身をリラックスさせることを意識してみてください。
-腕の振り方
走る時に欠かせないのが腕の振りで、これは長距離走においても同じです。
腕の振りも人それぞれですが、気を付けるべきポイントとしては肩甲骨を意識することです。肩から背中にかけての部分を特に意識して、腕を後ろに引く感覚を身につけることで自然な腕の振りが身につき、骨盤の動きも良くなります。
腕を前後に動かすときは緩やかな円を描くようなイメージで、腕だけでなく肩や背中を意識するようにしましょう。ただし、こちらも力が入るのは良くありません。走っている最中の力みは体力の消耗に繋がるので、腕の振りには意識を寄せつつも常に力を抜くことを忘れないでください。
-腰の位置
足を動かすにあたって気を付けたいのが、腰の位置です。腰は高い位置をキープすることを心がけましょう。
まずはゆっくりと良い姿勢で歩くことを心がけ、その腰の位置をキープしながら走りへと移行する方法がおすすめです。
腰を高い位置に置くことで、自然な形でスムーズに足が進むようになります。着地した時にひざを曲げすぎていると腰の位置が落ちてしまうので、同時に注意しておきましょう。
腰の位置を保つためには、太ももやお尻などの下半身の筋肉を鍛えると楽になります。下半身を大きく使うことは、効率の良いランニングフォームづくりの近道にもなってくるので、取り組む価値があります。
-左右のバランス
重心は上下のブレだけでなく、左右のバランスにも注意が必要です。チェックすべきポイントとしては、ランニングシューズの裏面です。すり減り具合に偏りがある場合は、あまりいいフォームではないということが分かります。
また、そういったフォームで走り続けていると、身体の左右どちらかにだけ疲れが出てきたり、痛みを感じたりという弊害が出てきます。両足の筋肉を均一に使えるように心がけましょう。
原因として、左右で筋肉量や筋肉の付き方に違いがあることが考えられるため、衰えている方を鍛えるなどの対策を考えましょう。
■まとめ
ランニングを趣味として長く続けていくうえで、自分に合ったランニングフォームを見つけるというのは大きなポイントになります。
疲れを感じにくくなれば、これまで以上に長い距離を走ることができるようになり、走ることをより楽しめるようになります。趣味としても長い付き合いができることでしょう。
ランニングフォームを身につけるのは簡単なことではなく、ゆっくりと時間をかけて詰めていく作業になります。コツとしては、とにかく走る時に意識をすること。自分の走る姿をイメージしながら走り、そして実際に走っている姿を動画などで確認することが大切です。フォームに関する本や、有名な選手・コーチの動画などを見ることもおすすめです。良いものは試して、合わなければやめる。これを繰り返し、自分に合ったフォームを身につけましょう。
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