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running2019.07.29

「走ることを仕事にするとは思わなかった」池田美穂がアシックスランニングクラブコーチになるまで

彼女は、なぜ走るのか。
ランニングを日常の中に取り入れて生きる女性たちに「走る理由」をお聞きする本企画。今回は、国外問わず幾多ものマラソン大会出場経験を誇る、アシックスランニングクラブのコーチ池田美穂さん。市民ランナーからタレントまで多くのランニング指導を行う彼女にインタビューを行った。



【ランナープロフィール】
池田 美穂(いけだ みほ)
アシックスに入社後、アシックスランニングクラブのコーチを務める。東京マラソンやニューヨークシティマラソンなど、多くのレースに出場経験を持つ。フルマラソンベストタイム3時間2分43秒。著書に「RUN女子入門~自分を変えるランニング」「ランニング手帳2012」など。


■アシックス入社直後は営業職からのキャリアスタート


池田美穂さんと出会ったのは、東京駅前に構える「アシックスラン東京丸の内」。皇居外苑から徒歩5分の立地で、ランニンググッズの販売やランニングステーションも兼ねている。爽やかな笑顔と、コーチの経験に基づいた知的な語り口が印象的な彼女からは、ランニング中に意識すべき点やランニングを続けるメリットなどを伺った。

――まず池田さんが走り始めたきっかけを教えてください。

本格的にマラソンを始めたのはアシックスに入社してからですね。と言っても入社した直後は総合職に就いて営業をしていたので、ランニングクラブのコーチとして入社したわけではないんです。

しばらくして、アシックスで初めてのランニング専門直営店に常駐スタッフとして配属されたのをきっかけにコーチのアシスタントのような役割を担うようになって。2007年に東京マラソンが開催され、ランナー人口が増えたこともあり、本格的にコーチとして活動するようになりました。



――もともと運動は得意だったんでしょうか?

中学から陸上部に入っていたんですが球技は苦手で、体育も得意とは言えませんでしたね。まさか社会人になって仕事として走ることになるなんて思ってもみませんでした(笑)。

特に弊社はスポーツメーカーということもあり、元オリンピック選手や、学生時代スポーツの全国大会に出場しているような社員がたくさんいるんです。私はそんな輝かしい経歴があるわけではないので、最初は不安でしたね。


■スムーズに走ることを考え抜かれたこだわりのアイテム


――普段のランニングコースは?

皇居周りを走ることが多いですね。夜でも仕事終わりの女性ランナーが多く走っているので、比較的安心してランニングできます。また、自宅近所の玉川上水緑道を走ることも多いです。緑に囲まれていて空気も綺麗なのでリラックスして走ることができるのがいいところですね。

しかも、玉川上水の緑道は地面が土なので膝への負担が少ないんです。舗装されている道は走りやすいですが、土の上は普段使わない筋肉を使えるというメリットがありますね。

――今日履いているアシックスのシューズ「GEL-KAYANO 26」のポイントは?

「GEL-KAYANO 26」は6月に発売したばかりのランニング用シューズで、ソール部分のスポンジ素材が軽く、着地の衝撃を和らげるクッション材GELが搭載されています。足が疲れにくく、長く走れるのがいいですね。また、シューズが足にしっかりフィットしてくれるので、着地の際にぐらつきづらく、安定した走行を補助してくれます。ソール全体が着地した際にかかとが内側に倒れ込むのを抑えて重心移動しやすい設計になっているので、膝が内側にねじれたりせずスムーズに前に直進できるのも特徴ですね。ソールのカラーも濃いピンクなので汚れが目立ちにくいんです。



――着用しているウェアのポイントはありますか?

このタイツですね。しっかり足にフィットしてくれるので、筋肉のブレを抑えてくれて、走っている途中も足の動きの邪魔になりづらいんです。



ランニングは同じ動きを繰り返すので、タイツを履かずにランニングパンツだけで走ると、裾が擦れてしまったり肌にくっついてしまったりと走りにくいことがあるんですよね。下に一枚タイツを着用しておくだけでだいぶ走りやすくなると思いますよ。


■ランニングは誰もが成長できるスポーツ


――ランニングを続けてきてよかったと思うことはありますか?

体調が良くなって眠りの質も上がったと思います。汗をかくので、体内の老廃物が排出されて肌の調子も良くなりました。あとは、何か嫌なことがあっても、走っている内に考えがまとまって、悩みや迷いが解消されることがあります。

走り初めはいろいろなことが頭に浮かぶんですが、しばらくすると、頭の中が静かになっていくんです。実際に脳科学でも、ランニングなどの単調なリズム運動は、心が落ち着きイライラが治ると言われているそうです。

――ランニングをする際、気を付けていることはありますか?

猫背にならないようにしっかりと胸を開いて走るようにしたりと、フォームは常に意識していますね。特に疲れていると、体の悪い癖が出やすくなるんです。また、体調に合わせて走るペースや距離は調整するようにしています。

体調は天気や寒暖の差にも左右されるので、あくまで無理をしないようにしていますね。



また、ランナー仲間と走る場合、そのときどきに合わせて声をかける人も変えています。日常的なランニングであれば、自分と同じくらいのペースで走るランナー。話しながら走れるので時間が過ぎるのが早く、疲れにくいんです。大会前など自分を追い込みたいときは、自分よりも走るペースが速く引っ張ってくれるランナーと一緒に走ってもらうこともありますね。

――これから走る人へメッセージをください。


ランニングはどんな人も成長できるスポーツです。以前コーチさせていただいた、還暦の方が「目標はホノルルマラソン」と言うぐらい、何歳から始めても楽しめると思います。

どんな人も、走り初めの苦しさを乗り越えれば、じきに楽しさを感じられるはず。まずは歩くところから始めても良いと思います。5分歩いたら、5分走る、など少しづつ走ることに慣れていってください。

人と一緒に走るとどうしても比較してしまいがちですが、あくまでランニングは個人スポーツです。その分、マイペースに楽しめます。過去の運動経験や体力などの個人差があるので、他人と比較して落ち込む必要はありません。走行距離や、体脂肪、体内年齢をアプリや体組成計を使いながら記録しておくのがおすすめですね。きっと、ランニングを通して成長している自分に出会えるはずですよ。

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