永田レイナ│走ることが、大切な軸のひとつに。今度は自分が「走るきっかけ」になりたい
モデルやタレント、ラジオDJと、幅広く活躍する永田レイナさん。中学時代はソフトボール部で県選抜に選ばれた経験を持つなど、スポーツ経験も豊富。今ではランニングやトレーニングが習慣になっており、フルマラソン完走経験も持つ。しかし、以前は走ることが本当に嫌だったという。そんな彼女が走ることに出会い、今では大切な軸のひとつになっているランニングについて話を聞いた。
■部活のきつい練習で、運動能力がぐんと伸びた
──これまでどんなスポーツを経験されてきましたか?
子どものころは、水泳をやったり、父とキャッチボールをしたり、いろいろなスポーツをやっていました。中学に入ってからはソフトボール部に所属して、県大会や県の選抜大会に出たり。チームメイトはみんな経験者ではなくて、1から作り上げられたチームだったので、練習量もすごかったですね。そのおかげで、精神的にかなり鍛えられました。
──部活の練習が相当ハードだったのですね。
冬になると日没が早くてボールが見えなくなるので、500mlのペットボトルに砂をぎゅうぎゅうに詰めたのを両手に持って、広い校庭を10往復しなきゃいけなかったり。それがとても嫌だったんですが、「速く走れば早く終わるんだ」と思って頑張っているうちに、持久走のタイムがめちゃくちゃ伸びました。学年一位になるくらい。
でも、やっぱり走ること自体は一番嫌いで、駅伝の選手になってほしいとスカウトされても絶対に嫌だと断っていたほどでした。
■走るようになって、特別な仲間ができた
──そんなにも走ることが嫌いだった永田さんが、大人になってからランニングをするようになったきっかけを教えてください。
2015年に「TOKYO GIRLS RUN(TGR)」(東京ガールズコレクション公式ランニングチーム)に入ったのがきっかけです。それまではまったく走っていませんでした。あれだけ嫌いだったランニングなので、やっぱり初めはすごく嫌で……最初の練習が皇居の5kmランだったのですが、当時の自分には想像もつかない距離で「30分以上走るなんて無理……」と思うくらい。でもやってみたら意外と走れて。その後すぐに軽井沢ハーフマラソンに出ることになったのですが、TGRのメンバーと励ましあったり、スタッフのサポートのおかげで無事完走できました。タイムは2時間ちょっとぐらいで。
──その後は走ることや練習も苦ではなくなっていったのですか?
全然苦じゃなくなりました。むしろ、すごく楽しみで。月に1度の練習会と、それ以外にもメンバー同士で「次いつ皇居いく?」って自主的に連絡も取り合ったりして。みんなで一緒に走っていました。やっぱり、スポーツで生まれる絆っていうのには、独特なものがありますよね。目標にむかって、しんどいけど頑張ろうって言いながら一緒に過ごす時間は特別なものがありました。いまでもメンバーとは仲良しで、別の仕事で一緒になったりするとすごく嬉しいです。
──初めてのフルマラソン挑戦はいつでしたか?
2015年12月のホノルルマラソンが私にとって最初のフルマラソンでした。もう、めちゃめちゃつらかったです。ホノルルマラソンって、すごく良いレースなんですよ。制限時間もないし、お祭りみたいだし、クリスマスムードだし。でも、私は「とにかく日が昇って暑くなる前に走りきらなきゃ」っていう焦りが強くて。TGRの先輩が伴走してくださったおかげもあって、なんとか5時間は切れたのですが、「フルってこんなにきついんだ……」と、洗礼を受けたような感じでした。それで、ゴールした瞬間に「やばい、もっと練習しなきゃ」と思って。それからさらに走るようになりました。チームの中でもサブ4を目標にしているメンバーがたくさんいたのもあって、サブ4を目指して練習するようになりました。
──サブ4は達成できましたか?
それが、まだできていないんです。2017年の東京マラソンでサブ4を狙っていたのですが、大会前に膝を傷めてしまって。病院でも「走らないほうがいい」と言われたのですが……。痛み止めをもらったりして、なんとか完走しましたが、タイムは4時間13分。やっぱり、4時間以内を目標に練習していたので、すごく悔しかったですね。20kmくらいまではサブ4ペースで走れていたのですが、その後どんどん膝が痛くなってきて。健康な膝で走ってみたかったなと思いました。
■ランニングの楽しみ方はいくらでもある
──最近はどんなふうに走っていますか?
週に1、2回くらいジムに行って、トレーニングのあとにトレッドミルで走ったり。あとは、公園を走ったりしています。距離は5〜10kmくらい。公園の外周に飽きたらパーッと違うところに行って、ぜんぜん知らない道を走ってみたりもします。
──走っているときは、どんなことを考えていますか?
ときどき自分のラジオの番組をタイムフリーで聴きながら、「次はもっとこうしよう」と、振り返ったりすることがあります。でも、それ以外で過去のことはあんまり考えないかもしれません。「走り終わったらきちんとタンパク質をとろう」ってことだったり、「ラジオのためにもあの曲聴いておこう」「次のゲストの方にはこの話を聞こう」など、これからのことを考えることがよくあります。走っていると前に進むから、少し先のことを考えたくなるのかもしれないですね。
──体を動かすことで、普段の生活にどんな良い影響があると感じていますか?
おおらかになった気がします。以前はイライラしてしまうこともあったのですが。自分でちゃんとメンタルをコントロールできるようになったというか。たぶんそれって、自分に自信がつくからなんですよね。大変だけどちゃんと走って、生活リズムのひとつにできているというのが、私にとって自信のひとつになっていると思います。
それに、お仕事でも「走っているひと」というイメージを持ってもらえるようになって、大会にゲストランナーで呼んでいただいたり、イベントでMCをさせていただいたり……「どんな靴がいいの?」「どんな練習をすればいいの?」と、いろいろ聞かれることも増えました。ぜんぜん走ったことがなかったファンの方が、ランナーになっていたり。私をきっかけに新しいものに出会って、それを楽しいと思ってくれる人がいるっていうのがすごく嬉しいです。
──走るとき、ウェアやシューズでこだわっていることはありますか?
ウェアについては、どこで誰に見られているかわからないので、あまり変な格好はしないように気をつけています(笑)。シューズは、ソールが薄いのが好きです。しっかり着地と蹴り出しを感じられるので。でも、今回初めてソールの厚い「GLIDERIDE」を履いてみて、すごく新鮮でした。ソールの丸みのおかげで、勝手に足が前に進む感じがします。長い距離を走るときに良さそうですね。名古屋の地下鉄名城線一周が30kmぐらいみたいなので、これを履いて走ってみたいと思います。
──今、ランニングは楽しいですか?
楽しいです。前はめちゃめちゃ嫌いでしたけど、やってみたら意外と楽しい。楽しむ方法をいろいろ知れた、というのもあるかもしれないですね。ウェアもそうだし、誰と走るか、どこで走るか、何を聴きながら走るか、というふうに、何かと組み合わせることで、いくらでも楽しくできる。本当に、楽しみ方はいくらでもあるな、と今では思います。
■自分の軸をもっとのばしていきたい
──これからの目標などありますか?
今、「月刊ナガタレイナ」っていうプロジェクトを立ち上げて、11月に写真展を開催します。それを成功させて、ラジオやモデル、それからランニングだったり、私にとっての軸をもっとのばしていきたいな、と考えているところです。
「月刊ナガタレイナ」は、もともと私が作品撮りをしたいなと思っていて、名古屋の女性カメラマンさんとヘアメイクさんの3人で始めたのがきっかけで始まりました。だんだん定期的に撮影をするようになるうちに、ブランドさんや企業さんとコラボして写真や映像の作品を作れたら面白いんじゃないか、ということで、プロジェクトになりました。今後も、ファッションや音楽、アートなど、いろんなジャンルのクリエイターさんと一緒に作品を増やしていきたいなと考えています。
──ランニングで挑戦してみたいことはありますか?
ランニングイベントを開催したいです。最初は小規模なところかスタートして。定期的に続けながら、ときどきちょっと大きなイベントをやる、という流れでできたらいいなと考えています。一度、Instagramで「私と一緒に走るランニングイベントをやるとしたら、興味ありますか?」って呼びかけてみたら、女性からたくさんレスポンスがきたんです。「走ったことないけど参加してみたい」とか、「きっかけがほしかった」っていう声が結構あって。せっかくだから、機会を作りたいなと思っています。私自身も、前は走ることが嫌だと思っていたからこそ、今の私だから伝えられる楽しみ方を、みなさんに広めたいなって。みんなで、おそろいのTシャツを作ったりしたら楽しそうですよね。
#プロフィール
永田レイナ
1992年生まれ。埼玉県出身。2010年「第4回アパマンショップキャンペーンガール」グランプリ受賞をきっかけにモデル・タレントとして活動開始。2016年からは名古屋のFMラジオ局「ZIP-FM」のミュージックナビゲーターを務める。自身をモデルに、名古屋拠点の様々なアーティストがアート作品を製作するプロジェクト「月刊ナガタレイナ」初の展示を開催。
Instagram
https://www.instagram.com/reina_nagata/
月刊ナガタレイナ
https://www.lab-anti.com/gekkan
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