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running2021.11.01

ランナーに多いシンスプリントとは? 予防に効果的なストレッチ方法を知ろう

ランニングの最中や走り終わった後に、脛(すね)の内側に痛みや腫れを感じたことはありませんか? その場合、「シンスプリント」と呼ばれる怪我をしている可能性があります。シンスプリントはランナーに多く見られる怪我のひとつですが、具体的にどのような原因で引き起こされるのでしょうか。
ここでは、シンスプリントの概要や発症の原因、予防に効果的とされているストレッチ方法などをご紹介します。

 

【目次】

■シンスプリントとは

■シンスプリントの原因

・オーバーユース

・柔軟性の不足

・足のアーチ機能の低下

・運動の環境による要因

■シンスプリントの際の治療方法

■シンスプリント対策に取り入れたいストレッチ

・ふくらはぎのストレッチ

・後脛骨筋のストレッチ

・つま先上げストレッチ

■シンスプリント予防に効果があるトレーニングも取り入れよう

■ストレッチやトレーニングでシンスプリントを予防しよう

 

■シンスプリントとは

シンスプリントとは、主に脛骨(けいこつ)内側の下側3分の1あたりの骨膜が炎症を起こす怪我のことです。脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)などと呼ばれます。
症状としては、脛の内側に運動中や運動をした後にズキズキとした痛みが生じます。

急発進や急停止、跳躍といった脛に負担をかける動作で引き起こされるといわれ、ランニングやジョギング、マラソンなど、足を酷使するスポーツで起きやすいです。ランナー以外には、サッカーやバスケットボール、ラグビー、テニス、ダンスなどのプレイヤーにも見られます。

初期段階では運動をした時に痛みがある程度ですが、症状が酷くなると安静にしていても痛みを感じるようになり、スポーツをするのが難しくなります。また、発症して時間が経過するほど治療が困難になるため、早期に治療することが重要です。

 

■シンスプリントの原因

シンスプリントの原因

 

シンスプリントはどのようなことが原因で発症するのでしょうか。ここでは、主に考えられる発症の原因をご紹介します。

 

・オーバーユース

シンスプリントは過度の運動(オーバーユース)が主な原因であり、ランニングやジャンプなどの負荷がかかる動作を繰り返した際におきやすいです。
これは、運動によって骨を覆っている骨膜がダメージを受けて、炎症が起こるためとされています。

 

・柔軟性の不足

体の柔軟性が不足しているのもシンスプリントの原因のひとつです。筋肉が硬く柔軟性が不足していたり、スポーツに必要な筋肉が不足していたりすると、筋肉と骨膜の付着部が強く引っ張られやすくなります。
そのため、着地の際に骨膜にかかる負担が大きくなり、シンスプリントを発症しやすくなるのです。

 

・足のアーチ機能の低下

通常、人間の足の裏は弓なりにカーブを描くようなアーチ形状をしています。このアーチによって作られているのが土踏まずです。土踏まずは、着地などの衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。

しかし、偏平足などでアーチが潰れた状態だと、足が衝撃を吸収しきれません。脛や足首に過剰な負担がかかるようになり、シンスプリントを発症しやすくなります。
シンスプリント予防の一環として、アーチサポート機能を持ち、土踏まずを支えてくれるインソールなどを活用するのがおすすめです。

 

・運動の環境による要因

ランニングの際にコンクリートなどの固い地面を走っていた、かかと部分のソールがすり減りクッション性の悪いシューズを履いていたなど、脛や足首に負担がかかりやすくなる環境での運動も、シンスプリントの原因のひとつです。
ランニングを行う環境を見直したり、クッション性に優れるランニングシューズに買い替えたりして足にかかる衝撃を減らすのも、シンスプリントの予防につながります。

 

■シンスプリントの際の治療方法

シンスプリントと疲労骨折の初期症状はよく似ていて、見分けるのは困難です。痛みを覚えたら自己判断をするのではなく、必ず病院でレントゲンやMRI検査などを受け、医師の指示を仰ぐ必要があります。

診断の結果シンスプリントだとわかった場合、痛みがあるうちは安静にして患部を休めることが重要です。炎症による痛みを和らげるために、アイシングで患部を冷やすのも有効です。
痛みが引いてきたら、医師の診断に従いながらストレッチや筋トレなどを徐々に開始する、というのが基本的な治療方法となります。

軽度のシンスプリントだとしても、その状態で運動を続けると疲労骨折につながる恐れがあります。痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。

 

■シンスプリント対策に取り入れたいストレッチ

シンスプリント対策に取り入れたいストレッチ

 

シンスプリント対策として、日々のトレーニングにストレッチを取り入れるのがおすすめです。ストレッチで足の筋肉の柔軟性を維持しておくと、発症の予防につながります。
ここでは、シンスプリント対策として行いたいストレッチの一例をご紹介します。
※シンスプリントをすでに発症していて筋肉を伸ばすと痛みを感じる場合は、ストレッチは行わずに安静にしておきましょう。

 

・ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎには、腓腹筋(ひふくきん)やヒラメ筋といった筋肉があります。脛周辺を構成する筋肉なので、しっかりとストレッチで柔軟性を高めておくことが重要です。

【ふくらはぎのストレッチ方法】
1.両足を拳1つ分くらい広げて、壁の前に立つ
2.片足を一歩前に出して、壁に両手をつく
3.前足側に体重を掛けながら、ゆっくりと体を沈めていく

体を沈めるときに、後ろ側の足の膝を伸ばしたままだと腓腹筋の、後ろ足の膝を曲げながら行うとヒラメ筋のストレッチになります。

 

・後脛骨筋のストレッチ

後脛骨筋(こうけいこつきん)とは、脛周辺にあるインナーマッスルのひとつです。後脛骨筋は、足のアーチが過度に沈み込まないように引っ張り上げる役割を持っているので、柔軟性を高めておくとシンスプリントの予防につながります。

【後脛骨筋のストレッチ方法】
1.椅子に座り、チューブやタオルを片足のつま先に引っかける
2.チューブやタオルの端がたるまないように両手で持ち、手前に引く
3.自分側に10秒ほどゆっくりと引っ張る

ストレッチをより効果的にするために、背筋を伸ばして行うようにしましょう。

 

・つま先上げストレッチ

足の指を動かす際は、脛の筋肉も連動して動きます。つま先を持ち上げるストレッチで、脛周辺の筋肉を効率的に伸ばすことができます。

【つま先上げストレッチの方法】
1.壁に背中をつけて立ち、足は肩幅程度に広げる
2.壁に寄りかかったまま、両足を少し前に出す
3.つま先を地面から離し、指先はすねの方向に持ち上げる
4.3の状態を5秒ほどキープする
5.ゆっくりとつま先を降ろす

壁に寄りかからずにつま先を持ち上げたり降ろしたりすれば、脛の前にある筋肉を鍛えられます。着地の際にアーチが落ちづらくなるので、筋力不足を感じている方は取り入れるのもおすすめです。

 

■シンスプリント予防に効果があるトレーニングも取り入れよう

偏平足などで足のアーチが崩れている方は、シンスプリント対策の一環で「タオルギャザー」というトレーニングを行うのもおすすめです。足底の筋肉を強化することでアーチを正常な状態に戻し、足の持つ衝撃吸収性を高める効果が期待できます。

【タオルギャザーのやり方】
1.床にタオルを広げる
2.タオルの上に両足を乗せる
3.足の指を曲げてタオルをたぐりよせる

タオルを動かすことだけ意識するのではなく、足がアーチを描くまで指を大きく動かすのがタオルギャザーのコツです。簡単にできてしまう方は、タオルの上に雑誌や本などを置いて負荷を高めるのも良いでしょう。

 

■ストレッチやトレーニングでシンスプリントを予防しよう

シンスプリントは、ランニングやマラソンのランナーを始め、足を酷使するスポーツを行っている人なら誰でも発症する恐れがあります。予防のために、ストレッチやトレーニングを日頃から行い、足の筋肉をケアしておきましょう。ストレッチポールのようなストレッチ器具を活用するのもおすすめです。
自身に合った方法のストレッチやトレーニングを日頃から行い、シンスプリントの予防に努めてください。

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