ランニング前のストレッチでケガを防ごう! 具体的なやり方の一例をご紹介
ランニングを行う際は、健康維持やダイエット、トレーニングなどの目的に関わらず、ケガをしないことが大切です。ランニング中のケガを確実に避けるのは難しいですが、リスクを少しでも減らすために、ウォーミングアップとしてストレッチを取り入れると良いでしょう。
ここでは、ランニング前にストレッチを行うメリットや具体的なストレッチの方法、ストレッチを行う際に意識したいポイントなどをご紹介します。
【目次】
■ランニング前にストレッチを行うメリット
ランニングの前にストレッチを行うことで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ストレッチを行うことによる効果をご紹介します。
・ケガの予防につながる
ランニング前にウォーミングアップとしてストレッチを行うと、血流が良くなり体を温めることができます。体が温まることで筋肉や股関節などの柔軟性が高まり、可動域も広がるので、ケガの予防につながります。
また、ランニング前に体を一度動かすことで、その日の体調を確認できるのもメリットです。自身のコンディションに合わせて走る時間や距離などのトレーニング内容を調整できるので、無理なくランニングを行えるでしょう。
・パフォーマンスの向上
ストレッチで体を温めて関節の可動域を広げると、体が動かしやすくなります。腕をしっかりと振り切れる、ストライド(歩幅)が伸びるなど、走る際の動作がスムーズに行えるようになるため、パフォーマンスの向上につながります。
また、体を軽く動かすことによるリラックス効果が期待できるので、大会前などの緊張しがちな場面にストレッチを取り入れるのもおすすめです。緊張がほぐれることで、本来のパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。
■ランニング前におすすめのストレッチ
ストレッチは大きく分けて、反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばす「スタティックストレッチ(静的ストレッチ)」と、関節を動かすように行う「ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)」の2種類があります。体が温まっていない運動前は、ダイナミックストレッチを行って体を動かすのがおすすめです。
具体的に、ランニング前にどのようなストレッチを行えば良いのか、腕や股関節など部位別に方法をご紹介します。
・腕
ランニングでは、足だけでなく腕も動かして前に進む力を得ています。足を速く動かすほど腕の振りも速くなるなど、足と腕の動きは連動しているので、腕もスムーズに動かせるようにストレッチで可動域を広げておきましょう。
【腕のストレッチの方法】
1.背筋を伸ばして真っすぐ立つ
2.片手は体の前側に、もう一方の手を後ろ側に伸ばしたら、両手を前後に振る
3.少しずつ幅を大きくしながら、20回ほど振る
・肩甲骨
ランニングは下半身だけでなく、上半身も使用する全身運動です。肩甲骨の辺りを動かすイメージで腕を振ると、上半身をしっかり使って走れるようになります。ランニング前に肩甲骨周りもストレッチを行い、可動域を広げておくと良いでしょう。
【肩甲骨のストレッチ方法】
1.背筋を伸ばして立ち、両腕を真っすぐ上に伸ばしてバンザイの姿勢を取る
2.肘を背中に引き寄せながら腕と肩を下げる
3.1と2の動作を数回繰り返す
肩甲骨が背骨に寄るのを意識しながら、ゆっくりと行いましょう。腰が反らないようにするのがコツです。
・腰
肉の象形である「月」(にくづき)と「要」で表される腰は、その名の通り体の要となる重要な部分です。上半身と下半身の動きの連動や、ランニング時のフォームの維持などに関わるので、しっかりとストレッチを行い温めておきましょう。
【腰のストレッチ方法】
1.肩幅より少し広めに足を開いて、真っすぐ立つ
2.両手を腰に添え、上半身を動かさないように意識しながら腰をゆっくり時計回りに回す
3.逆方向にも同様に腰を回す
・股関節
股関節周りが硬いと、走る際のストライドが狭くなってしまいます。股関節の柔軟性を高めてストライドを広く取れるようになれば、ケガの予防やパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。
【股関節のストレッチ方法】
1.背筋を真っすぐ伸ばして、足は前後に大きく開く
2.前側のひざを直角になるように曲げ、後ろ足はひざから先を床に着ける
3.前ひざに両手をのせて体重をかける
他にも、真っすぐ立ったまま片足を大きく前後に振る方法もおすすめです。しっかりと股関節の辺りから足を動かすことを意識して行いましょう。
・足首
足首は、ランニング中に負担がかかりやすい部位のひとつです。着地に失敗してくじいてしまったり、アキレス腱などを痛めて大ケガにつながったりする恐れもあるので、入念にストレッチを行うことが大切です。
【足首のストレッチ方法】
1.肩幅程度に足を広げて、真っすぐ立つ
2.立った状態のまま、片足のつま先を地面に立てる
3.足首を5秒程度かけて時計回り、反時計回りに回す
4.反対側の足首も同様に回す
ぐるぐると勢いをつけて回すのではなく、ゆっくりと大きく回すことを心がけましょう。足首と同時に、両手を組んで手首を一緒に回しておくのもおすすめです。
■ストレッチを行う際のコツ
適当にストレッチを行っていると、体をしっかりと温めたり筋肉を伸ばしたりする効果が薄れてしまいます。ストレッチを行う際は、次のような点を意識しながら行うことが大切です。
・呼吸を意識して行う
ストレッチは呼吸を意識しながら行う必要があります。これは、呼吸をしていない状態でストレッチを行うと筋肉が緊張してしまい、しっかりと伸ばせなくなるためです。
できるだけ普段通りの自然な呼吸を心がけながら、ストレッチを行うようにしましょう。
・少しずつ動きを大きくする
ダイナミックストレッチは、クールダウンを目的に行うスタティックストレッチとは異なり、体を動かすものです。関節や筋肉が温まっておらず、可動域が狭い状態で大きく動いてしまうと、逆に体に負担がかかる恐れがあります。
始めは動きの小さなストレッチから行い、体が温まるのに合わせて徐々に動きを大きくしていきましょう。
また、ランニング前のストレッチはあくまで準備運動の一環です。クールダウンのようにゆっくり時間をかけるのではなく、体が温まることを意識しながら、時間をかけずに行うことをおすすめします。
■ランニング前にジョギングやウォーキングを行うのもおすすめ
ジョギングやウォーキングから徐々に走るペースを上げていく、軽くジャンプするなど、ランニング前にストレッチ以外の簡単な準備運動を取り入れるのもおすすめです。準備運動によって心拍数を少しずつ高めていくことで、体を動かしやすくなります。
また、屈伸や伸脚、回旋、ラジオ体操といった運動を、学校の体育の時間に行ったことがある方は多いでしょう。これらの運動を準備運動として取り入れるのも、ウォーミングアップ効果が期待できます。
自身が行いやすいストレッチや準備運動を、ウォーミングアップとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
■ランニング前のストレッチを習慣にしよう
体を急に動かすと、体を痛めたりパフォーマンスが発揮できなかったりする恐れがあります。ランニング前にダイナミックストレッチなどの準備運動を取り入れ、体を温めることが大切です。体をしっかりと動かせるように準備しておけば、思わぬケガの予防やパフォーマンスの向上が期待できます。
また、ランニング後もしっかりとストレッチを行うことも、ケガの予防には欠かせません。ランニング前後のストレッチを習慣にして、ケガの予防に努めながらランニングを楽しみましょう。
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