毎日は逆効果? ランニングを行う頻度の目安とは
ダイエットやマラソン大会に向けた練習など、ランニングを始める目的はさまざまに考えられます。それらの目的を達成するために、どれくらいの頻度でランニングを行えば良いのでしょうか。ランニングを毎日行っている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは逆効果になってしまう恐れもあるため注意が必要です。
ここでは、ランニングを行う頻度や時間、走る距離の目安などについてご紹介します。
【目次】
■毎日ランニングを行うデメリット
基本的には、休みなく毎日ランニングを行うことはデメリットが多いため、避けることをおすすめします。毎日のランニングには、具体的にどのようなリスクやデメリットがあるのでしょうか。
・怪我のリスクの増加
ランニングは着地の際の衝撃などで、足腰に大きな負担がかかりやすいスポーツです。ランニングに慣れておらず、必要な筋肉量が不足している状態で毎日ランニングを続けてしまうと、疲労が回復しきる前にランニングを行うことになります。
疲れが蓄積して体の柔軟性が失われたりフォームがおかしくなったりすると、怪我や故障を引き起こすリスクが高くなってしまいます。
・超回復が起こりづらい
ランニングなどの運動を行うと、使われた筋肉の繊維は切れてしまいます。切れた繊維を回復する際に起こるのが筋肉痛で、回復した筋肉は以前よりも太くなる「超回復」と呼ばれる現象が起こります。
しかし、超回復を起こすためには筋肉をしっかりと休ませることが重要です。毎日のランニングで筋肉が疲れ続けたままだと、超回復が起こりません。負荷が高すぎることで、トレーニングを行う効果が薄れてしまうのです。
・苦痛を感じやすい
毎日のランニングには肉体的な面だけでなく、精神的にもデメリットがあります。例えば、毎日ランニングを行うというルールを自分に課した場合、トレーニングのハードルが高くなり、雨や急な仕事などでランニングが1日行えなかった際に、気持ちが折れてしまうかもしれません。
運動初心者の方の場合、肉体的な辛さを伴うランニングのモチベーションを上げることは特に難しいでしょう。明確な目標を持っていたとしても、毎日ランニングするとルールを決めていると、ふとした拍子に挫折してしまい、ランニングを継続できない可能性があります。
■毎日のランニングにはメリットも
デメリットをご紹介しましたが、毎日ランニングを行うことには、運動習慣を身に着けやすい、ハードルが高いため達成感を得やすい、運動量が増えるといったメリットもあります。心肺機能や持久力の強化を目的にしている場合は、毎日のランニングで効果を得られるでしょう。
プロのランナーなどを除き、基本的には毎日走る必要はないですが、絶対に毎日走ってはいけないというわけでもありません。
■ランニングを行うおすすめの頻度
具体的には、どれくらいの頻度でランニングを行うのが良いのでしょうか。ランニングを行う目的別に、おすすめのランニングの頻度をご紹介します。
・ランニング初心者や健康維持が目的の方
ランニング初心者の方や、ダイエットを含めて健康維持を目的にランニングを始めたい方は、週に2、3回を目安にするのがおすすめです。少しずつランニングに体を慣らしていくことで、ランニングに必要な筋肉を鍛え、怪我のリスクを下げることができます。
ただし、ランニングを行う頻度が少なすぎても運動習慣として根付きづらいです。ランニングを継続させたい方は、最低でも3日に1回程度はランニングを行うことをおすすめします。
・マラソンの成績を伸ばしたい方
ランニングに慣れている方や、マラソン大会への出場を目指している方、タイムを縮めたい方なども、休みなしで毎日ランニングを続けるのは避けた方が良いでしょう。
初心者の方と同様、1週間に3日程度を目安にランニングを行うのがおすすめです。残りの4日は上半身の筋トレや水泳といった別のトレーニングにあてれば、体をまんべんなく鍛えることにもつながります。
タイムが伸び悩んでいて、どうしても週3回のランニングだけでは限界が見えている場合は、週4、5回に頻度を高めてみてください。頻度を増やしたい場合も、週3回から一気に週5回に増やすのではなく、「来週からは週4回で、慣れてきたら週5回にする」など、体力に合わせて段階的に変えていくことが大切です。
■ランニングで走る距離や時間の目安
週3回の頻度を軸としてランニングを行う場合、走る距離や時間、スピードはどのように決めれば良いのでしょうか。ランニングで走る距離や時間、スピードの目安をご紹介します。
・距離や時間の目安
一般的に、ランニングをはじめとした有酸素運動の効果が高まるのは、運動開始から20~30分後とされています。走る距離そのものを目標にするのではなく、最初は20~30分以上走ることを目指してランニングを行いましょう。
回数を重ねて20分や30分で自分が走れる距離を把握できれば、慣れに合わせて徐々にランニングの負荷を高めることも可能です。1回で30分走るのが難しい場合は、ランニングを1日2回に分けて15分ずつ走るなどの工夫をしてみてください。
一方で、マラソン大会への参加、完走を目標とする場合は、42.195kmと走る距離が定まっています。最終的にはその距離を走り切れるようになるのが目標ですが、最初から長距離を走るのは難しいため、徐々に走る距離を伸ばしていくのがおすすめです。
・走るスピードの目安
息切れを起こすくらいのスピードでランニングを行うと、体内の酸素が足りなくなり、途中で走れなくなってしまいます。ランニングの際は、軽く息が弾む程度のスピードで走るのがおすすめです。
軽く息が弾むスピードは個人差も大きいですが、ランニング中の心拍数が、最大心拍数に対して60~70%くらいになるのが目安です。
最大心拍数の計算方法はいくつかありますが、「220-自分の年齢」という式で、大まかな最大心拍数を知ることができます。必ずしも正確な値になるとは限らないものの、運動強度の目安を知りたい場合に役立ちます。
例えば20歳の方の場合は、最大心拍数は220-20で200となるので、120~140程度の心拍数を目安にスピードを調整すると良いでしょう。
また、運動習慣がなかった方やランニング初心者の方の場合は、隣の人と会話できる程度のペースで走るスロージョギングや、ウォーキングから始めるのもおすすめです。徐々にランニングに切り替えることで、体を動かすのに慣れることができます。
■しっかりと休むことも重要
前述の通り、運動で酷使した筋肉はしっかりと休ませることで成長していきます。走らない日は休息日として体をしっかり休めることも、トレーニングを行ううえでは重要です。
休息日はストレッチやマッサージ、簡単な筋トレなどを行うだけにとどめて、疲れを取ることに努めましょう。
■オーバーワークにならないように気を付けよう
体力維持やダイエット、マラソン大会への参加など、どのような目的を持っているにしても、ランニングを行う頻度が多すぎるのは逆効果です。オーバーワークになると怪我や故障のリスクも高まり、トレーニングの効果も減ってしまうため、週に3日程度を目安にランニングを行うようにしましょう。根を詰めすぎないことで、ランニングを継続しやすくなる点もメリットです。
ランニングは1日おきにして、合間にストレッチや筋トレを行うだけの日を設けるなど、しっかりと体を休ませるのが、ランニングを継続するうえでは大切です。
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