インターバル走とは? 期待できる効果やコツを解説
マラソンやランニングなどの陸上競技を行っているランナーをはじめ、スポーツに興味を持つ方は「インターバル走」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。しかし、具体的なやり方や効果がわからず、どのように行えば良いのか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
インターバル走は、正しく行えば高い効果が期待できるため、長距離を走るランナーはぜひ取り入れたいトレーニングのひとつです。ここでは、インターバル走の概要やトレーニングの効果、行う際に注意したいコツなどをご紹介します。
【目次】
■インターバル走とは?
インターバル走とは、一定の速いペースで走るダッシュと、ゆっくりジョギングするレスト(休息)を繰り返し行うトレーニングです。インターバルトレーニングと呼ばれる場合もあります。
インターバル走には、200mといった短い距離のダッシュと100mほどのレストを繰り返す「ショートインターバル」や、1kmほどの距離をダッシュする「ミドルインターバル」、さらに長い距離をダッシュする「ロングインターバル」といった種類があります。
種類によって期待できる主な効果が異なるので、目的に適した方法を取り入れることが重要です。
■インターバル走の効果
マラソンランナーをはじめ、テニスプレーヤーやサッカー選手など、スタミナが必要な競技では、インターバル走がトレーニングメニューに組み込まれることも多いです。インターバル走を行うことで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、インターバル走を行うメリットをご紹介します。
・心肺機能の向上
インターバル走は、一般的には速いスピードのダッシュと、ゆっくりジョギングなどで流すレストを交互に繰り返す運動です。体に負荷をかけることで、心肺機能を鍛えられます。
また、「最大酸素摂取量(VO2max)」の向上が期待できる点も、インターバル走に取り組むメリットです。最大酸素摂取量とは、一定時間にどれだけの酸素を体内に取り込めるかを示す指標を指します。長距離を走り続けるマラソンランナーなどにおいて、多くの酸素を取り込める最大酸素摂取量は重要な指標です。
より長い距離を走るスタミナを身につけたい方は、インターバル走に取り組んでみるのも良いでしょう。
・スピードの強化
一定のペースで走り続けるのに比べて、全力で走ったりジョギングを行ったりするインターバル走は、高い負荷をかけることが可能です。脚力の強化につながり、より速いスピードで走れるようになったり、マラソンのタイムを縮めたりする効果が期待できます。
また、きつい練習をやり切った経験は、自信となって表れるはずです。体力が落ちる後半など、実際のフルマラソンのきつい瞬間を乗り切るための精神力を養える点も、インターバル走のメリットといえます。
■インターバル走のコツ
インターバル走は、通常のランニングやジョギングといったトレーニングよりも、体に負荷がかかります。体を傷める恐れがあるため、目標や自分のレベルに適した内容を設定し、正しい方法で行うことが重要です。
トレーニングの一環として、インターバル走を取り入れる際に注意したい点をご紹介します。
・距離やペースを決める
インターバル走で走る距離は、具体的な目標や自分のレベル、求めている効果などに合わせて設定する必要があります。
例えば、フルマラソンや10,000m走など、長距離を走るスタミナを身につけたい場合は、持久力の向上が期待できるロングインターバルを行うのがおすすめです。
一方で、短距離を走る際のスピードやランニングフォームの改善などが目的の場合は、ショートインターバルが適しています。1km前後の中距離を走るランナーは、ミドルインターバルを行うと良いでしょう。
また、距離に合わせてペースの設定も重要です。基本的には、長い距離を走る場合はペースを遅めに、短い距離を走る場合は速めに設定します。
出場する大会やレースが定まっている場合は、達成したいタイムに合わせてペース設定を行うのも効果的です。走る距離と目標タイムに合わせて、少し速いペースで走る練習を行ってみてください。
・レースに応じて本数を設定する
インターバル走は、全力で走る本数の設定も重要です。基本的には、マラソンなどの長距離を走り切るのが目的の場合は、本数の設定を多めにしてペースを低めにすると、持久力を鍛えられます。インターバル走で走る距離の合計が、レースで走る距離の半分ほどになるように設定するのがコツです。
中距離のトラックレース出場などを目指していて、スピード強化が目標の場合は、本数を少なめにしてペース設定を速めにするのがおすすめです。10,000m走の大会が目標なら2,000m×5本のインターバル走を行うなど、レースに近い距離を走るようにしましょう。
・心拍数を意識する
トレーニングを行う際は、トレーニング中の心拍数を意識するのがおすすめです。インターバル走では、最大心拍数に対して80~90%程度の心拍数になる強度を意識すると良いでしょう。
最大心拍数とは、その人にとって最も早い心臓の動き(拍動)のことです。「220-自分の年齢」という式で大まかな数値を確認でき、20歳の方を例にすると、220-20で最大心拍数は200となります。
また、レストの最中も最大心拍数の半分を下回らないように、体を軽く動かし続けるのがコツです。
トレーニング中の心拍数を測っておけば、トレーニングの負荷を具体的な数値として確認できます。効率的なトレーニングを行うために、ぜひ取り入れてみてください。
・レストの時間を設ける
インターバル走は全力疾走とジョギングを組み合わせることが大切なトレーニングです。ダッシュに目が行きがちですが、レストの取り方も意識する必要があります。
レストは、全力でダッシュした時間と同じか少し短めに設定するのが目安です。慣れないうちはレストを長めに取って、徐々に時間を短くしていくと良いでしょう。
また、レストの間もジョギングやウォーキングなどを行い、体を動かし続けるのがインターバル走の基本です。ただし、初心者の方はその場で休憩して息を整え、次のダッシュに備える方法でも問題ありません。
■インターバル走を行う際の注意点
インターバル走は、非常に負荷が高いトレーニングのひとつです。走り慣れていない方がいきなり取り組むと、怪我につながる恐れがあります。ランニングなどを行い、走るのに慣れてから行ってください。
練習メニューに取り入れる場合も、無理をし過ぎないように注意が必要です。ウォーミングアップで体を温めてから始め、トレーニング後はクールダウンしましょう。
また、インターバルトレーニングは毎日行う必要もありません。週に2回程度を目途にメニューを組み、大会直前になったら控えるのもポイントです。
■インターバル走で目標到達を目指そう
インターバル走は、スタミナやスピードの向上など、高い効果が期待できるトレーニングです。その一方で負荷も高く、無理をすると怪我につながる恐れがあります。
ランニングを始めたばかりなど、走り慣れていない方は避けた方が良いでしょう。走り慣れているランナーの方も、自分の能力や目標に合わせてトレーニング内容を設定することが大切です。
無理のない範囲でインターバル走に取り組み、目標到達を目指しましょう。
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