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running2023.02.22

WAVE REBELLION PRO(ウエーブリベリオンプロ)は実際どうなのか?ミズノ商品発表会に行ってきました!

■WAVE REBELLION PRO発表!

お正月の箱根駅伝を見ていたら、流れてきたCMご覧になりましたか?

1/1ではなくて、それも、敢えて1/2。そんな、まさに箱根駅伝のスタートに合わせてリリースされたのが、ミズノ渾身のスーパーシューズ、『WAVE REBELLION PRO(ウエーブリベリオンプロ)』です。

スーパーシューズとは速く走る概念を変えたナイキ ズームX ヴェイパーシリーズのようなシューズの俗称、海外のレビュアーが良く使う言葉です。

PEBAXをはじめとする新世代フォーム材、強い蹴り出しを演出するカーボンプレートを搭載していることで、速く走るロジックを生み出しているものです。

そして、このWAVE REBELLION PROにもそれらの象徴とも言える新世代フォーム材とカーボンプレートが搭載されています。


ミズノ企画チームメンバーの青井氏から商品説明


残念ながら願い実らず、今回の箱根駅伝でこのモデルを履く学生ランナーはいなかったのですが、そのスペックは注目に値すべき、スーパーシューズのスーパーシューズたる要素を網羅した堂々たる出来のモデルとなっています。


■何がすごいのか?詳細はまさにミズノ流

今回のWAVE REBELLION PROでは、軽量感と反発性を期待したポリエステルベースの超臨界発泡、スーパークリティカルソールのミズノエナジーライトプラスを上層に、ナイロンのビーズ発泡のミズノエナジーライトを下層に配置、異素材による化学反応を期待した組み合わせになっています。

ミズノエナジーの混ぜ合わせるレシピを何通りもテスト、トライアンドエラーを繰り返して、そして、今回のこの仕様になったわけですね。

そして、ミズノと言えば、WAVEプレート。今回のそれは硬質リルサンという植物由来の素材をベースにカーボンを混ぜたインフューズドプレート。上述ミッドソール素材でそれを挟み込むようにサンドイッチする構造になっています。

ドラスティックに潮流に乗るところはしっかり乗り、ミズノとしてのアイデンティティーはしっかり持つ、オリジナリティーのあるモデルに仕上がったそんなモデルだと言っていいですね。


■何がすごいのか?スムーズスピードアシストはすごい

そして、このシューズのこの大胆な構造、そのルックスのオリジナリティーに溢れたデザインになっています。


シューズを横側から見ると、ソール中央部がとても分厚くて、踵部分は跳ね上がって踵がない、まさにえぐれたソールになっています。

このソールどこかで見たことありますよね。そう、あの2022年9月に発売されたウエーブデュエルPROウエーブデュエルPRO QTRに発表された、度肝を抜いたアレ、スムーズスピードアシストですね。


スパイクから着想した形状で、フォアフット走法をアシストする大胆なその形状は、筋腱の負担を減らして自己ベスト達成をアシストするというものです。多くの方がビックリして、「いやあ、私には使えない…」という感じになっているアレです。

でも、ご安心下さい!今回のWAVE REBELLION PROでは、スムーズスピードアシスト形状なものの、傾斜角度が緩やかになって、ソールの接地面が広がった、まさによりロングディスタンス仕様のモデルになっているからです。


■何がすごいのか?発想の転換!規格外のスタックハイトの厚み

ワールドアスレチックスでの800m以上のトラックレースでは、ミッドソールの厚みが25mm以内のシューズと決められているのですが、9月に発表されたウエーブデュエルPRO QTRはスペックとしては公認仕様になっています。

ルックス的にはとてもそうは見えませんが、後足部から12%、75%のポイントの決められた場所でスタックハイトを測ると、前足部が24.5mm 後足部23.5mmになるというトリックなのです。真ん中が盛り上がっていてもルール上問題ないということなのですね。

その同じような発想で、今回発表されたWAVE REBELLION PROも、中足部が分厚いソール形状でおそらく50mmを超えた厚みで、一見イリーガル(未公認)ソールに見えますが、スタックハイト40mm以内、プレートが1枚というロードレースでの公認規格の条件をクリアしているということになります。

5度程度傾斜が落ちて、接地する面積が踵の方に伸びたデザインは、スペックとしては前足部34.5mm、後足部39.0mmの4.5mmドロップのシューズ、ちょうど着地する一番分厚い場所がマキシマムなクッションがあるという構造です。メリットしかない感じですね。


■レーシングシリーズを刷新、REBELLIONシリーズに

このルックスといい、そのスペックもまさにエリートランナー、市民アスリートに向けて開発されたもので、「いやあ、私には無理…」と思わないで下さい。


ミズノ企画チーム吉村氏より商品説明


今回、WAVE REBELLION FLASH(ウエーブリベリオンフラッシュ)WAVE REBELLION SONIC(ウエーブリベリオンソニック)の2品番が同時にリリース、同社WAVE AERO20+RやWAVE SHDOWと言ったモデルを含めて、レーシングラインを再構築する形で刷新されたのですよ。

価格もWAVE REBELLION PROの24,200円に対して、WAVE REBELLION FLASHが17,600円、WAVE REBELLION SONICが13,750円とリーズナブルな設定になっています。

WAVE REBELLION FLASHがミズノエナジーライトと踵部には、26代続く定番モデルWAVE RIDER 26と同じ安定感があるミズノエナジーが配置、よりシナリが出せるグラスファイバー強化WAVEナイロンプレートをサンドイッチした構造で、よりオーソドックスな素材、構造で、かつアグレシッブルな仕様になっています。

WAVE REBELLION SONICは、WAVE RIDER 26のやや軽量バーション、言わば“はじめてのレーシングシューズ”という仕様となっています。

こんな感じでレーシングラインは目的に合わせて選べるラインナップに刷新されています。


■WAVE REBELLION PROは、どんなランナーに合うか

では、WAVE REBELLION PROは、どんなランナーに合うか?

フルマラソンのエリート、または市民ランナーのエリートとも言えるサブ3はもちろん、サブ3.5ぐらいのランナーまでのランナーにハマるのではないかと思っています。

また、WAVE REBELLION PROを着用して5Kのタイムトライアルをしたランナーではレベルと問わず多くのランナーが履いて、その中の何名かは自己ベストを達成しましたよ。

敢えてナイキに例えるならば、WAVE REBELLION PROは、VAPORFLYではなくて、むしろALPHAFLYと言うと分かりやすいかもしれません。


2023年箱根駅伝でもダントツ4割強のシェアを誇ったNIKE ZOOM X VAPORFLY NEXT%2は、スプーン上の硬いプレートの入っているのにも関わらず、前足部横方向の自由が許されていて、スピードをより出せるような感覚なのに対して、後者ALPHA FLY NEXT%2 は接地部がロックして同じ動きを作ってくれるスターティングブロックのような感覚がありちょっと違うシューズだと思うのです。

WAVE REBELLION PROも同じ感覚で、先日ハーフマラソンレースで履いたのですが、後半4Kでうまくハマって、足を置く位置が安定するとずっとその動きが続けられるような感覚があるシューズだと感じましたね。

今年の箱根駅伝でこのシューズを履いたランナーは確かにいなかったのですが、実は過去にこのモデルのプロトタイプを履いて箱根駅伝を走ったランナーいて、このランナーには、このソールの角度、前足部の感覚が、最初からハマったと言うことでした。

同じように、キレイに地面を押せるランナーはもちろん合う可能性がありますが、逆に、例えば、蹴り出しにクセがあるランナーもいいのでは?やや蹴り出しの動きを制限して、キレイに押す効果があるようにと思ったからです。

イベントでは、箱根駅伝で唯一ミズノを着用したランナー創価大学嶋津選手にも「もっと高みを目指す!」上での厚底着用宣言が飛び出しました。


誰かが履いているから、誰かのオススメだからと言う理由だけではなくて、是非、大事なレースまでにこのWAVE REBELLION PROも試してみて下さい。

だってそうじゃないですか、最初はあのVAPORFLYシリーズだって認められなったわけです。徐々に徐々に広まって現在に至ります。もしかしたら、この奇抜なデザインのWAVE REBELLION PROもそれと同じ現象を実は、私たちは見ているのかもしれませんからね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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