MIZUNO WAVE REBELLION(ミズノ ウエーブリベリオン)シリーズに新色が登場!
■MIZUNO WAVE REBELLION(ミズノ ウエーブリベリオン)シリーズに待望の新色が登場
2023年正月、1月2日の箱根駅伝の初日に発表されたウエーブリベリオンプロをはじめとしたMIZUNO WAVE REBELLION(ミズノ ウエーブリベリオン)シリーズに待望の新色が発売されました。
内外でかなり話題になったあの“カキゾメカラー”に次ぐ大胆なカラーリング、左右非対称なアシンメトリーカラーは目立つこと間違いなしですね。
ラインナップは、トップモデルの¥25,300のWAVE REBELLION PRO(以下、リベリオンプロ)、¥18,480のWAVE REBELLION FLASH(以下、リベリオンフラッシュ)、¥14,300のWAVE REBELLION SONIC(以下、リベリオンソニック)のレーシング・テンポアップモデルシリーズの計3種類。
これらのモデルは、ゆっくりジョギングをするためのシューズではありません。それぞれのランナーの“より速く”を実現すべくラインナップされたもの。「速く走る」を科学したミズノが誇る、それぞれのランナーのハレの日に履くレーシングシューズラインナップ、それがウエーブリベリオンシリーズです。
■MIZUNO WAVE DUEL PRO QTR(ミズノ ウエーブ デュエル プロ QTR)話題を独占!
トップモデルのリベリオンプロが正月に発表される数ヶ月前、その基幹機能「スムーズスピードアシスト」をはじめて搭載したWAVE DUEL PRO QTR(以下、デュエルプロクオーター)という奇抜なスタイルのモデルが発表され話題になりましたよね。
踵がない、まるでつま先立ちをしているようなシェイプのそのシューズは、私も正直はじめて見たときには、このシューズの使い道すら想像しづらいものでしたが、その時点で、実はミズノのスーパーシューズリベリオンプロへの道筋が、そのストーリーには続きがあったわけだったのです。
デュエルプロクオーターとのちに発売されるリベリオンプロでは、踵の上がり傾斜角度が5度違ってよりフラットな形状になっています。それでも他社製品を比較すると独創的なスタイルのリベリオンプロですが、よりロングディスタンスレース向けに開発されたモデルということになるわけです。
■スムーズスピードアシストとは何か?
これら基幹機能である「スムーズスピードアシスト」とは、陸上のスパイクシューズから着想されたもので、一見、踵が跳ね上がるこの大胆な構造はふくらはぎに負担がかかりそうですが、これが逆。
従来ソールは、特に、フォア(前方)からミッドフット(真ん中)をイメージした着地の場合、その後の蹴り出しで踵が下がるような動作を作り、強い蹴り出しを生み出す自由な構造になっています。
カーボンプレート搭載の現代のレーシングシューズの場合も、さらにその時の、その爆発的な蹴り出しに余裕を持たせる構造なわけですが、それらは、一方で、ふくらはぎ周囲に負荷をかけることにもなり得ます。
そこで「スムーズスピードアシスト」では中速部が一番盛り上がったこの部分で着地することになり、ふくらはぎの伸張を抑えることに繋がり、その負担軽減をしつつ、強い前方方向のモチベーションはキープするような構造、これは新たな“速く走る“機能性の提案なわけです。※
■リベリオンプロは常識を覆す構造
ミッドソールは、ミズノが誇る軽量・反発弾性の強い素材ミズノエナジーライトとミズノエナジーライトプラスの2層構造で、それらでカーボン入りミズノプレートをサンドイッチするミッドソールになっています。
しかも、今まで発表されたミズノエナジーライト単体ではなくて、上層はポリエステルをメインマテリアルに、それを最新技術スーパークリティカル製法で製造されたソフト&ライターなマテリアル、下層はPEBA由来で軽量性、反発弾性に優れるマテリアルで構成されていて、最新技術が当たり前のように搭載されたものになっているのですね。※
サンドイッチされたお馴染みのミズノウエーブのプレートは植物由来で時代のニーズに合わせたものになっていると抜け目ないですね。
他社のスーパーシューズを含めて、スーパーシューズがスーパーシューズたる必須要素である、PEBA由来のソール、スーパークリティカル製法、そしてカーボンプレート、その言わば三種の神器が揃ったレースデイシューズ、それがウエーブリベリオンプロというわけですね。
■中足部分はナント、5cm厚!
ふくらはぎの伸張を抑えて、フォア・ミッドフットでの着地姿勢を維持させるスパイク構造による推進力が「スムーズスピードアシスト」のまずあげるべき特徴ですが、もっともっとシンプルに、このこだわりのソールユニット素材と奇抜なルックスは、単純にクッションの恩恵が大きいものでもあることを忘れてはいけません。
エリートランナーが世界規模の大きなレースをはじめ公式のレースに参加する際にはシューズのルールを遵守する必要があって、その一つがソールの厚みが40mm(4cm)以内でなくてはなりません。
実は、このシューズ、真ん中部分は明らかに50mm近くあって、実に着地するのはこの部分ですから大きなメリットがあるのは想像に難くないですよね?
■イリーガル(未公認)シューズなのか?
そのようなルール自体、市民ランナーには、まあ関係はないことですが、仮にトップランナーが、もしリベリオンプロを使用したとしても、これがナント、ルール内なのですよね。
このシューズ、イリーガル(未公認)ではなくて、ワールドアスレティックスの公式シューズリストにも掲載された列記としたリーガル(公認)シューズとなっています。
そのトリックは極めてシンプル。
スタックハイト(ソールの厚み)の計測する規定位置が決まっていて、踵から12%の真ん中の位置と、前足部が75%の位置の2点なのですが、単純にそこ以外の厚みはルール上問われないので、真ん中付近が仮に50mmあってもリーガル(公認)スタックハイトなわけです。
まあ、まさにルール内だとしても想定外のイリーガル性と、リーガルスタックハイトを持つ、逆転の発想のマックスクッション、それがリベリオンプロというわけです。
■リベリオンフラッシュはもっとオーソドックスなギミック
とにかくトンガって作られたリベリオンプロなのですが、それに対して、オーソドックスなレースデイシューズ、定評もあった初代ウエーブリベリオンのアップデイト、それがリベリオンフラッシュになります。
こちらはミズノエナジーライトとミズノエナジーというコンビネーションソールを採用していて、ソフトでクッション性のある上層とあの名品デイリートレーナーのウエーブライダー26のミッドソールにも使われている安定要素をキープした下層で構成されたバランス型のハーフ、ハーフ構造となっています。
さらにカーボン入りのウエーブプレートではなくて、適度なシナリが出せてよりランナーを選ばないグラスファイバー強化ウエーブプレートとなっています。
こちらも豪華な構成ですが、シンプルに軽量でクセがない構造の適度なバウンド感が欲しいランナー向けの、オーソドックスなレースデイシューズニーズに応えたもの、それがリベリオンフラッシュですね。
■末っ子ソニックはライダーの隣のポジションのシューズ
そして、まさにリベリオンシリーズの末っ子、リベリオンソニックは、5代続いたテンポアップシューズウエーブシャドウなどを統合して構築されたモデルラインナップ。
¥14,300の価格もリーズナブルで、一言で言えば、ライダーより少し軽量、リベリオン上位2モデルより安定・安心要素が残る、ちょうどスキマニーズを捉えたモデルになっていますね。デイリートレーナーモデルのライダーのちょうど隣、そんな立ち位置のリベリオンシリーズ、それがリベリオンソニックになります。
例えば、レースに出場する予定がない、気持ちよく汗をかいて走りたい、なんていう健康維持のランナーにもピッタリなモデル、クセのないそのスタイルは、テンポアップも応援してくれて汎用性を最も感じます。
■NOルール、距離や用途を選んでスーパーシューズを体験してみよう!
リベリオンプロは、単純に、そのランナーの“最も速いスピード”で使ってほしい、そんなモデルであることは間違いないです。やっぱり絶対スピードは3分台かなと思います。
そして、4分台のペースならリベリオンフラッシュ、5分台ペースで軽量感を享受したいときはリベリオンソニックという感じですかね。
ということで、リベリオンシリーズは、ミズノのホームページにもあるように、フルマラソン完走タイムにフォーカスした提案であれば、リベリオンプロ、フラッシュ、ソニックの順に、フルマラソンエリート、サブ3、サブ3.5というイメージになるわけです。
■距離・用途を工夫すればもっともっと履く人の多い
ただ、これはフルマラソンに例えると、の話です。結局、レースだけ考えても、それはフルマラソンだけではありませんからね。
例えば、5kmなら、そのペースだったら、それぞれ20分以内、25分以内、30分以内で使用できることと同義になりませんか?
そうすると、だいぶハードルが下がりますよね。
フルマラソンだけの発想ではなくて、それらをショートディスタンスやインターバルワークアウト用などに置き換えるような距離・用途の工夫をすれば、かなりシューズを楽しめる、楽しみたいランナーの範囲は広がりますよね。
自分のランナーとしての機能性を高めてくれるようなシューズも履いてみることでランニングの楽しさ、モチベーションをどんどん上げていって欲しいですね。
※「スムーズスピードアシスト」
下腿三頭筋の伸張性収縮の一般的な指標とされる「足関節底屈トルクの負の仕事」を、ミズノ社外被験者を用いた実験により測定。レースペース走行時(時速16~20km)にスムーズスピードアシスト機能搭載商品と、非搭載商品(自社)間での「足関節底屈トルクの負の仕事」の値を比較し、搭載品において値が低減されることを確認。※効果や感じ方には個人差があります。
※ミズノエナジー
・設計などにより、効果や感じ方が異なります。
・反発性は鉛直方向に圧縮したときの比較になります。
<著者プロフィール>
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)
日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持
・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝 (2005)
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