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running2023.11.23

フルマラソンレース1ヶ月前にすべきこと(コンディショニング編)

■レース1ヶ月前に心がけること

いよいよフルマラソンレースシーズン到来、春までにフルマラソンレースにエントリーしているランナーの方もいらっしゃることでしょう。何度も出場していて、例えば、フルマラソン4時間ギリ=サブ4とか目標があるランナーもいれば、はじめてフルマラソンに挑戦するというランナーもいることと思います。

そこで、シューズまわりが専門の私ですが、18歳で初マラソン、昨年の東京マラソンで2時間35分の42年間のランニング歴、FS☆RUNNING代表のシューズアドバイザー藤原が、今回、「フルマラソンレース1ヶ月前にすること」と題してトレーニングなどコンディショニングの話をさせて頂こうと思っています。

やはり、レース前1ヶ月とは、約30日間という十分な時間がある反面、その30日間は逆算するとそんなに時間がないという2面性があります。あれこれ詰め込みすぎず、レスト(休息)にも時間を割いて、継続的なトレーニングを心がけることです。まさにレストとトレーニングのバランスの1ヶ月になると言っていいでしょう。


■レースから逆算してみるとすべきことが見える

まずはレースからトレーニングを逆算してみましょう。

例えば、週2回ランナーなら残り約8回のランニングになり、目標が高いランナーでも約8回のワークアウトトレーニングを残すのみと、やるべきことははっきりしてきます。つまり、トレーニング計画はしっかりと立てておくことが、1ヶ月前の準備としてとても重要ですね。

この具体的に残された回数で、何をすべきで、何がもうできないのか、しっかり取捨選択してやるべきことを整理していきましょう。


トレーニング量や質などに不安な方もできることの時間は限られています。とにかく1回1回のトレーニングを充実させて、目標ペースはどうあれ、フルマラソン当日だって基本は有酸素運動なので、最後までいい練習をするように心がけましょう。結局のところそれが当日いい結果を出す、近道なのです。


■レストも大事なトレーニングです

トレーニングが順調に行っている方も行ってない方も、この時期にしっかり意識してなくてならないのは“疲れていないこと“、“免疫が落ちてない健康な状態“でいることです。

言わば、ワークライフバランスを考えるべきで、ランニング以外のことにも気をつけることです。仕事(残業)、食事、睡眠、それがパーフォーマンスに影響することは間違いないですし、レースが近いからと言って、体調が悪い、仕事が忙しくて疲れているのにトレーニングを優先するようなことは馬鹿げてます。

レース1ヶ月前は、スケジュールではなくて、体調を追っていきましょう。

逆算したトレーニングスケジュールですが、勇気を持って調整すること。結局、スポーツは、適切な負荷と休養がセットで超回復が起きてトレーニング効果があります。レストも大事なトレーニングであることを忘れずに。

“ただただ走り込まなくては“という根拠ないプレッシャーは忘れ、とにかく、いい練習を毎回できるように心がけることですね。特に1ヶ月前ともなれば、優先順位はレスト→トレーニングの順番と言っても言い過ぎではないですよ。


■即効性のあるトレーニングはロングスローディスタンス(LSD)

それでも、どうしてもロング走が不足していて不安、距離を走っておきたいというランナーにはロングスローディスタンス(LSD)をオススメします。

もちろんペースは、レースペースにこだわらずゆっくりでOK。細胞のミトコンドリアはトレーニング負荷=量で増えて、ペースは関係ないという論文もあるぐらいです。3分40秒がレースペースのわたしも6分30秒から7分で走ります。

心臓に負担の少ないゆっくりしたペースで走ることで、カラダ中隅々の毛細血管を発達が期待でき、これならレース直前1週間前ぐらいまでOK。最後まで身体機能の向上を促すことができますね。

とにかく、疲労が溜まっていく可能性もあるのでゆっくり走ることですね。他にもフォームの確認、補給の確認などレース場面で必要なことの擬似体験ができるのもLSDのいいところではないでしょうか。


■そのシューズ選びはデイリートレーナーを選ぶ

ゆっくり走れないという方は、デイリートレーナーモデルを選ぶべきです。やや重さがあって、クッション・安定感・ガイドが標準装備されたゆっくりのペースを快適にする機能性を持ったモデルですね。速くなってしまうシューズではLSDはじっくりゆっくりできません。

ゆっくり走れないというランナーはシューズがまず問題かもしれませんね。

また、わたしはレース前にハーフマラソンに出場することもオススメします。1ヶ月前から2週間前ぐらいまでに1本走っておくと実践的トレーニングになります。どうしても距離的に不安という方も、フルマラソンの半分を走ってペースを確かめるのは有効です。

当日に履く予定のレースデイシューズを試すのもとても有用ですし、ハーフマラソンは疲労回復にかかる時間も数日でいいでしょうし、カラダにしっかり負荷がかかったトレーニング要素としても本番の準備にちょうどいいと思います。


■最後はカラダをフレッシュにすることに専念

わたしの場合、最後の1週間のトレーニング量は、日曜日の42.195km完走した距離を含めて考えています。通常1週間大体80~90Kなので42kmを差し引いた分がその他の走行距離としてイメージにしています。

“走りたい気持ちをレースデイにとっておく“

そんなイメージで最後は疲労回復、エネルギーを貯める、やる気を高めることに集中してイタズラに距離を走らないようにしています。

また、わたしは、最後の1週間はカーボローディングを実施しています。カーボローディングとはカラダにグリコーゲンを貯める調整方法です。木曜日ぐらいから炭水化物中心の食事を心がけてカラダにエネルギーを貯めるようにするいいです。

ただポイントは、全体量を増やさず、炭水化物だけを増やすイメージです。通常の食事にプラスαの炭水化物は、食の細い方には難しいでしょうし、食べすぎではお腹を壊していまうだけで、コンディションが逆に壊れてしまいかねません。トレーニングと同じこちらも単純な詰め込みではなく、あくまで即効使用できるグリコーゲンエネルギーをカラダに蓄えるわけですからね。

また、この方法をいきなり本番で行うのではなくて2週間から1ヶ月前に試すハーフマラソン前に一度カーボローディングもテストしてみるといいですね。

さあ、どうでしょうか、まずはレースデイ1ヶ月前は計画を立てること、そして、詰め込まずトレーニングはやるべきことを明確にすることです。そして、当日が楽しみに、号砲が待ちきれない、早く走りたくてしょうがいないぐらいカラダにもココロも充実した状態で当日を迎えてほしいですね。
 


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<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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