モノのプロ&服のプロで徹底考察!ニューバランスの本気ランシューって街で履いてもいいんですか?対談
スニーカーの名門・ニューバランスのランニングカテゴリーにおいて圧倒的な人気を誇る「フレッシュフォーム X 1080」シリーズ。2014年の誕生以来、時代時代の最新テクノロジーを詰め込んだ最高峰のモデルとしてこれまで12作を数え、23年秋冬にはv13へと大きくアップデートされました。
でもランニングはとくにしないし……って人も、ちょっと待った。というのも、実はその道のプロが認める、街履きにもナイスバランスな一足になっているんです。はたしてその完成度は? 履きこなしやすさは? ってことで、モノ雑誌Beginで活躍するライターと、モードからカジュアルまで幅広いスタイリングを手掛ける服のプロで対談を敢行!
【対談者プロフィール】
スタイリスト コダン (TOP画像右)
Beginなどのファッションメディアをはじめ、ブランドのルックや広告ビジュアルを手掛ける。趣味は卓球で、高校時代には地元の奈良県大会の団体優勝チームメンバーだったほど。
ライター 礒村真介(TOP画像左)
Beginの編集者を経て、趣味のランニング&トレイルランニングを追求すべくフリーのライターに。モノ&ファッション誌、ランニング系媒体で活躍するほか、東京のトレイル&ランニングショップではコーチを担当することも。
礒村:仕事柄、ニューバランスの新作は一通りチェックするようにしているけれど、ここのランシューといえばやっぱり「フレッシュフォーム」シリーズでしょう。ニューバランスの中でもソフトなクッション性と軽さに振ったミッドソールのシリーズで、そのフラッグシップたる「Fresh Foam X 1080 v13」はフォーム材のコンパウンド配合を変えた最新版。衝撃は吸収しつつもきちんと弾むようなライド感に耐久性をプラスして、軽さと反発性がブラッシュアップされています。
今作ではとりわけミッドソールがリッチな厚さ! ランニングには快適この上ないですけど、街履きにはどうなんでしょう?
コダン:確かに、主張は強いですよね(笑) でも今はファッション界でも厚底ブームなので、この極厚ソールはスタイリングにも効果てきめん! ということで、ボリューミーなフォルムを活かしてコーデを組んでみました。
コダン:ボリューミーなフォルムがアイキャッチになるので、上下同色で揃えるようなシンプルなコーディネートには好相性です。そのフォルムを活かすべくパンツの裾はジョガータイプをセレクト。女性はスカートを合わせて、ボトムス→足首→シューズのシルエットにメリハリをつけました。
礒村:なるほど、実際に見てみると確かにハマりそうですね。しかも今シーズンはアルペンのエクスクルーシブカラーとしてグレーのモデルがラインアップされていて、これがまたファッション面でも使えそうなんですよね~。
礒村:ニューバランスを街履きする人には、NB=グレーのイメージがあるはず。これって元をただせば、原色系のランシューが全盛だった1970年代に「陸上トラックだけでなく、街中でもスタイリッシュに走れる色」として創業の地・ボストンの街のアスファルトに着想を得て生まれた色!(※諸説あり)……という逸話を、Beginでは何度も繰り返し紹介しています(笑)
コダン:ちゃんとルーツある色ですよね! 個人的にもニューバランスのグレーって特別だと思うし、やっぱり都会に馴染む。そもそもこの色ってスタイリングにおいてもめちゃくちゃ汎用性が高くて。グレーに着目してコーデ組んでみるとこんな感じでしょうか。
コダン:仕事シーンでも使えるカラーなので、きれいめのセットアップに合わせて。スニーカーの色味をTシャツ&ソックスでリンクすることで、バランスを整えています。女性のグレーはスモーキーなライトグレーなので、淡い色の服が全盛の今はさらに使いやすいかもしれません。
礒村:ビジネスにも使えるんですね。このグレーは色もそうですが、Nロゴの主張が控えめなところもマッチしますね。スポーツメーカーのシューズってアイデンティティでもありアイコンにもなる“ブランドロゴ”を目立たせるのが定石なんだけど、そこんところを、あえて。レディースはレディースで微差だけど色を変えているのがニクイ。
礒村:デザインの話になっちゃったけど、ギア好きランナーとして見逃せないのがアウトソール。前作からデザインを一新していて、走行時の軌跡データを分析し、接地から蹴り出しまでの重心移動をよりサポートするような形状でスムーズなライド感を実現しているんです。親指側に斜めに抜けるミゾのパターンなんか、まさにそうですね。軽さを出すためにラバーの面積を最小限に抑えつつ、ヒール側のラバー(黒い部分)には耐摩耗性に優れる「N durance」を配置しています。
コダンさん:今回は企画的に街履きを前提としてスタイリングしましたけど、もともとガチのランシューですからね(笑)。でもカラバリも街で映えるようなスタイリッシュなカラーが多くて、シティランナーの方にもおすすめです。例えばこういうモノトーンのスタイルで軽やかに走っていたら、思わず目で追ってしまうと思います。
シリーズ史上屈指の履き心地で、長時間、快適なランをサポートするモデルだからこそ、ランにも歩くのにも万能のラグジュアリーさ。その上で都会にも馴染むカラーラインアップになっているとくれば、「フレッシュフォーム X 1080」は街履きとしても大正解!
ニューバランスの、ニューバランスによる、ニューバランスらしい一足と言えるのではないでしょうか?
ニューバランスFresh Foam X 1080 v13 特集ページはこちらから
ライター:礒村 真介
編集ライター。
山道を走って、書く、自称「トレイルライター」。
Begin編集部時代にギアの面白さから
トレイルランニングにのめりこみ、
国内外の100マイルレースで入賞経験も。
東京のトレイル&ランニングショップ
Run Boys! Run Girls!が運営するクラブ
「ランボーズ」ではコーチを務めている。