加地亮(サッカー元日本代表)ミズノREBULA 2と共に選手時代を振り返る
サッカー日本代表選手として2006年のW杯(ドイツ)に出場し、昨年、20年間のプロ選手生活にピリオドを打った加地亮氏。現役時代にはミズノのスパイクを愛用し、右サイドDFとして攻守に渡って大活躍をしていた。加地氏に、昔を振り返りながら、進化して生まれ変わったミズノのサッカースパイクREBULA 2について熱く語っていただいた。
――サッカーを始めたきっかけから教えてもらえますか?
加地:2人の兄が野球をやっていましたが、友達に誘われて小学生1年の時にサッカーを始めました。サッカーは点を取ってこそだと、ポジションはFWをやっていましたね。足が速く、裏に飛び出してゴールを決めていました。
――初めて履いたスパイクを覚えていますか?
加地:1番始めに買ったスパイクは、白と黒のシンプルなものでした。枕元に置いて寝ていましたし、スパイクに穴が開いたらテーピンングを巻いてマジックで塗って履いていましたね。
――いつからプロ選手を目指しましたか?
加地:中学3年生の頃ですね。強い高校でサッカーをしたいと思って、セレクションに合格した兵庫県の滝川第二高校に行きました。
――高校時代に思い出に残る練習はありましたか?
加地:マーカーを置いて、色んなステップをしながらドリブル練習をやりましたね。憧れのプロ選手のようにドリブルをしたいと思って、一生懸命取り組みました。それで、細かいステップのドリブルができるようになりましたね。
――滝川第二でポジションはどこでしたか?
加地:MFもDFも色々やった結果、最後にサイドDFとなりました。試合中に起点となり、攻撃時にもゲームを作るタイプでした。
――スパイクは何を履いていましたか?
加地:憧れの先輩が履いていたミズノのスパイクがカッコ良いので、真似をして履きましたね。手入れをしましたし、紐をシュータンの上や下から結んだりしていました。
卒業してからJリーグのセレッソ大阪に入り、高校から愛用していたミズノのスパイクを履きました。
――プロ選手となって感じたことはありましたか?
加地:高校までと、速さと強さが全然違いましたよね。ポジション争いが激しく、皆が自分のために黙々とやっていました。
自分のプレーが通用しなく、このままだとプロ生活が終わってしまうという危機感がありました。そこで、上手くなって体を強くするために、サッカーに集中する環境に身を置くようになりました。上手くいかなかったことが、分岐点になったと思います。
――加地さんが出場したワールドユースの日本代表は、非常に強かったですね。
加地:日本のチームに上手過ぎる選手が沢山いましたからね。その人達に刺激を受け、自分も頑張ってレベルを上げなければならないと感じました。
――世界を相手に戦ってみて、どうでしたか?
加地:「意外とイケるな!」と思いましたね(笑)。ただ決勝の相手のスペインはミスが少なく精密機械かと思いました。楽しみながら、毎回のようにフィニッシュまで持ってきましたからね。
それから、生活を全てサッカーに注ぐようになりましたね。パーソナルトレーナーを付けて練習後にもトレーニングを始めましたから。心肺機能を高める練習を特にやりました。山道を心肺機能180以上にして30分間走り続けたり、砂浜で300mダッシュをやったり、最後走れなくなるまで何回も繰り返しました(笑)。
――ジーコ監督の下、日本代表に選出されましたね。
加地:ジーコジャパンに選ばれた時に、「え、俺?」って思いました(笑)。アウェーのチュニジア戦でいきなりスタメン出場し、ミズノのスパイクと共に一生懸命走りました。レギュラーに定着するまでに時間がかかりましたが、努力してやり続けていると良いことがあるんだなと思いましたね。
――2006年W杯(ドイツ)は、どのような大会でしたか?
加地:W杯出場しましたが、夢ではなく1つの目標でした。夢というものは遠すぎる存在なので、好きではありません。目標を1つずつクリアしていった先に、2006年のW杯(ドイツ)がありました。
大会直前の親善試合のドイツ戦で怪我をして、メンバーに残れるかギリギリでした。W杯に出るというよりも、怪我を治すのに必死で自分との戦いでしたね。
自分は2戦目のクロアチア戦から出場しましたが、「あー、出れて良かった」という気持ちが強かったですね。緊張することなく試合に臨めました。「W杯ってこんなもんなのか」という感覚でやれたような気がします。
――ブラジル戦では日本が先制しましたね。
加地:3戦目のブラジルとの試合で、3点差以上をつけて勝たなければ決勝トーナメントに進出できない状況でした。1人1人のレベルが高く勝って当然のブラジルから、勝者のメンタリティを感じることができました。
――ブラジルと日本のサッカーに、どのような違いを感じましたか?
加地:彼らは、基本的に「止めて蹴る」のが上手いですね。そんなに派手なプレーをしないですが、どのようなボールスピードでも正確にトラップをしてからパスをします。ゆっくり攻めている時でも、パスを確実に繋いでシュートを決める。カウンターの時も、速い動きに正確なパスを出して、他の選手も反応していきます。ブラジルは、ゴールを綺麗に決めるんですよね。日本人の場合だと、速く攻めなければと思ってどこかでトラップミスをしたりとか、パスが通らなかったりしますが、ブラジルはそうならないですからね。
――ミズノの新スパイクREBULA 2を履いてプレーした感想を教えてください。特長についても、うかがいたいです。
加地:初代REBULAよりも軽くなり、進化を感じています。現役時代に履きたかったですね。
(1)軽いので非常に動きやすいです。
(2)素足感覚で履けるのが良く、足が優しく包み込まれているのが分かります。足に馴染みが非常に良いですね。
(3)1枚革で縫い目もないですからね。このような形状のスパイクは初めてでしたが、ボールタッチをしやすいです。
(4)スピードに乗ったキレのあるターンをしても、足がズレない強度としなやかさを感じます。耐久性があるので長持ちすると思います。
(5)ソールはしっかりと作られていますね。どのような動きにも対応しやすく、強く踏ん張った状態でボールを蹴ったり、急に止まることもできます。
(6)長い距離を走っても疲れにくい構造になっていると思います。
(7)シュータンの長さも絶妙で良いですね。
――今回着用のウエアがお似合いですね。着心地はどうですか?
加地:ありがとうございます(笑)。全体的にタイトな作りとなって、デザインもどんどんかっこ良くなっていますね。軽くて着やすく、汗をかいてもすぐ乾くので素晴らしいと思います。選手の時に着たかったですね。
――今後の目標はありますか?
加地:サッカー選手を引退してから、カフェ「CAZI CAFE」の運営やサッカー指導に携わっています。
サッカーを通じて全力で楽しみながら、「サッカーって、こんなに素晴らしいんだよ!」ということを伝えていけたら良いと思います。
――最後に、アルペングループマガジンの読者へメッセージをお願いします。
加地:練習と試合で自分の武器を常に出せるかが大切であると思います。監督は選手がどう生きるかを想定してメンバーを組み合わせます。自分の場合はオーバーラップを何回でもできたので、それが武器となって試合に出ることができました。
1日を充実しながら全力で過ごして欲しいですね。それによって目標にたどり着き、新しい世界へ進むことができると思います。