football2018.09.27

堂安律言葉の壁を越えた江南スタイル【インタビュー後編】

[前編: レアルやバルサの背中を追ってはこち]

――フローニンゲンの練習に参加して、一概には言えないと思うんですけど、日本やガンバのサッカーとの違いは？

堂安　プレッシャーの早さは感じました。
ポゼッションをやらせたら日本の方が絶対にうまいんですが、１対１に対するこだわりとか「絶対にコイツに抜かれへん」とか「絶対コイツ抜いたれ」とか、目のギラギラ感がなんか違うなって思いました。
なんか目の前の相手に対して飢えている感じさえしました。

――来シーズンの目標は？

堂安　昨シーズンはドリブルよりもシュートがけっこう際立っていたので、来シーズンはシュートとドリブルと、個人技で打開するところも見せていきたいなと思います。

――言葉は出来るんですか？

堂安　そこまで流暢に話せませんけども今となっては大丈夫です。

――学生時代は英語の勉強をしていたんですか？

堂安　高2の時に海外へ行きたかったから、家庭教師をつけたんですよ。
寮に来てもらったんですが、二か月で辞めました・・・。

――やめちゃったんですか！

堂安　あかんわって。寮に来てもらって練習後とか練習前とかにやりましたけど無理でした。

――それはなぜ・・・？

<堂安　その頃はストレスだったんです。
英語を話しかけてくる先生のことを「何やねん」とか思いながら。
「ここは日本じゃ！」って言いたくなっちゃうから。その頃はゼロからだったんで。
今はその先生と英会話したいと思っています。
今だったら理解できるかなと思います。その先生とは連絡取り合っていますよ。

――ではオランダへはぶっつけ本番で入っていって、そのまま覚えていったんですね？

堂安　現地で「How are you」って言われて、何て返したらいいって隣りにいた代理人の方に聞いてましたからね。
「I'm Happyって言え」って言われて「I'm Happy」と返してました（笑）
――練習とか通訳なしですよね。

堂安　通訳付けていないです。無理やりでしたよ。
まじで。英語まったくしゃべれないのに通訳なしやで。
軽くいじめでした（笑）

――練習はどうしていたんですか？

堂安　2タッチって言われて、OKって言って何となくやってました。
特別難しい練習は無かったのでまあ大丈夫でしたよ。
今は指示もわかるようになったし、ミーティングも聞けるようになったし、監督に意見も言えるようになりました。
言葉は十分対応できていると思います。

――伸びしろがハンパないですね。

堂安　勢いですよ。勢い。チームメイトが良いやつらばかりですから。

――堂安さんはチームメイトに食事とかに誘われたら絶対に行きそうですね。

堂安　行きますね！

――歌えって言われたら歌いそうですね。

堂安　歌いますし、踊れって言われたら踊りますし。
元々僕はそういうのが好きやから、無理にというわけじゃないから。
「踊りたいから踊るよ！お前どうするの？」って。
チームメイトは「俺はいいわ」って言ってくるんで。
シャイですよね。そうなると「ジャパニーズタイムや！」っていつも言いながら踊ります。
そしたら江南スタイルを流される（笑）

――なんで江南スタイルなんですか？

堂安　新人の選手って、移籍してきた時に食事会場で歌を歌わされるんですよ。
決まり事で。僕は江南スタイルを流して踊ったんですよ。
バカ受けしました。それが彼らの中での優しさで、お金払ったら、クラブの音楽を変えられるんですよ。「律、江南スタイルに変えたるわ」って言われて僕が躍るんですよ。

――点も取って、結果も出して、僕の中ではワールドカップに行くべきだろうと思っていたんですけど、そういう想いとかはありましたか？

堂安　それはもちろん目指していましたし、目指してしなかったらプロサッカー選手としてダメですよね。やることはやったので仕方がないかなと思います。
あとは行ってもらう人に頑張ってもらいたいです。
でもね、ベルギーリーグ、ポルトガルリーグ、オランダリーグでプレーしている選手が外されたという理由を考えると、リーグのレベルを見られたと思いますし、だから僕らが3大リーグに移籍した時には同じような活躍をして見返すべきだし、下に見られたら悔しいから。
僕らのやらなあかんことかなと思います。

――東京五輪の世代じゃないですか。そこに対する想いは？