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football2020.01.29

伊藤達哉(シント=トロイデンVV)が欧州でプレーし続ける理由を語る「自分がこうだと思ったことをやり続けてきた」

柏レイソルユースからハンブルガーSV(ドイツ)へと渡り、今期からシント=トロイデンVV(ベルギー)でプレーする伊藤達哉選手(22歳)。伊藤選手に、Jリーグを経験しないでドイツへ渡った理由やプロサッカー選手として生きる術を語っていただいた。


――伊藤選手、まずサッカーを始めた理由から教えてください。

伊藤:4歳の時にサッカー日韓W杯(2002年)をテレビで見て、当時ドイツ代表のGKオリバー・カーンに凄く心を打たれました。それで両親に、「これ(サッカー)をやりたい」と言ったら、次の日にサッカーボールとGKグローブを買ってもらったのですよね。それからサッカーを始めたのを覚えています。

――現在の伊藤選手からは全く想像付きませんね。カーンのどこに心を打たれたのでしょうか?

伊藤:GKユニフォームはフィールドプレーヤーのものと形と色が違い、1人だけ手を使えるので「1番かっこいいポジションだな」と思っていました。例えば、音楽のバンドでも「ドラムがかっこいい」と思うのですよね。1人だけ、他のメンバーとは違いますからね。

――ポジションはずっとGKをやってきたのですか?

伊藤:小学5年生の時に、柏レイソルのジュニアのセレクションにフィールドの選手として合格して入ったのですが、GK練習もたまにやらせてもらっていました。その時の監督やコーチが「GKをやっていいよ」というスタンスでいてくれたので、二刀流とまではいかないですけど、たまに試合に出たりもしていましたね。


(C)STVV

――いつプロサッカー選手になりたいと思いましたか?

伊藤:多分、カーンを初めて見た時から「プロサッカー選手になりたい」と思っていたのでしょうね。

――プロサッカー選手になるために必要なことは何でしょうか?

伊藤:レイソルにいた時から、監督たちに色々なアドバイスをもらっていました。もちろんアドバイスは有益なので受け入れるのですけど、僕が「こうだ!」と思った芯はぶらさずに、何を言われようともやり続けていましたね。それで、プロサッカー選手になれたのかなと思っています。

――Jリーグでプレーをしないで、なぜドイツに渡ったのですか?

伊藤:中学生の時にテレビで海外のサッカーを見ていて、「海外でやりたい」とずっと思っていました。特に海外に行く日本人選手が増えてきた時で、彼らがインタビューで、「若い頃から海外に行っておけば良かった」と言っていたので、「そうなんだろう」と僕も思っていました。それで18歳になった時のタイミングで、ハンブルガーSVが僕を欲しいと言ってくれたので何も迷いはなかったですね。



――素晴らしい決断をしましたね。伊藤選手のプレーで最も印象的なプレーがスピードに乗ったドリブルです。スパイク選びにこだわりはありますか?

伊藤:中学生の頃から、かっこいいと思うナイキのマーキュリアルヴェイパーシリーズをずっと履いています。僕が好きなスピード系ドリブラーのエデン・アザール(レアル・マドリード)やドリース・メルテンス(SSCナポリ)が履くスパイクを真似したかったですし、今自分がプロになって同じものを履いているのは嬉しいですよね。

――スピードスターたちと同じスパイクを履いているのですね。他にこだわりはありますか?

伊藤:ドイツの時はミックス型を履いていたのですけど、今年からはできるだけ固定でやりたいと思っています。固定の方が軽いので体への負担は少ないですからね。足腰をもっと鍛えて固定でも滑らないようにし、軽々プレーができるようになれば成長に繋がると考えています。



――試合前に緊張すると思いますが、どう対処していますか?

伊藤:僕はけっこう準備をするタイプでして、「できることを全部やったし、あとは試合をやるだけだな」という感じで望むので、緊張はしないですね。

どんな状況でも、「その時のベストを出そう」と思っています。僕の場合サイドでプレーをして1対1で抜くシーンが多いので、マッチアップする相手に対して「やってやろう」という気持ちでいます。

――困難な状況に遭った時に、どう乗り越えてきましたか?

伊藤:怪我をしていた時も、プロになれるかどうかという時も、「ちょっと遠回りになるかもしれないけれど、自分はプロになれるから、やれることは全部やろう」と思っていたので、乗り越えることができました。



――今後の目標を教えてください。

伊藤:個人的には、スタメンを獲得して試合に出ることですし、自信はあります。監督はチームの状況を見て起用する選手を決めているので、本当に我慢をして出番を待つしかないと思います。守備的にいくとか攻撃的にいくとかありますが、僕としてはどんな状況でもやれる自信はありますし、「いつでも試合に出されるくらいの選手になっていかないと」と思っています。

チームとしては、やっぱりプレーオフ1進出だと思いますので、試合に出て流れを変れる選手になりたいですね。

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