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baseball2024.01.26

野球のオーバースローとは? メリット・デメリットや投げ方のコツを解説

野球のピッチャーの投げ方(投球フォーム)は、人によって異なります。腕の角度や体の使い方から大きく4種類に分けられますが、その中でも多くの選手が取り入れていて、よく目にするのが「オーバースロー」です。
しかし、オーバースローとは具体的にどのような投球フォームで、どんなメリットがあるのでしょうか。この記事では、オーバースローの概要やメリット、投げ方のコツなどをご紹介します。

 

【目次】

■野球のオーバースローとは?

■オーバースローのメリット

・威力のあるボールを投げやすい

・ボールに角度をつけやすい

■オーバースローのデメリット

・体への負担がかかりやすい

・コントロールがつきにくい

■オーバースローのコツ

・下半身を意識して投げる

・体を開かない

■自分に合った投球フォームを見つけよう

 

■野球のオーバースローとは?

野球のオーバースローとは?

 

野球のオーバースローとは、肩よりも高い位置に腕を上げて、ボールを投げ下ろす投球フォームのことです。日本語で上手投げと呼ばれる場合もあります。
プロアマ問わず多くの投手が取り入れているフォームで、特にストレートを主体にした本格派のピッチャーはオーバースローで投げることが多いです。
また、オーバースローは和製英語で、英語だと「(高めの)暴投」を意味する言葉です。英語圏ではオーバースローではなく、「オーバーハンドスロー」や「オーバーハンドピッチ」と呼びます。


オーバースロー以外の基本的な投球フォームとしては、スリークォーターやサイドスロー、アンダースローの3つが挙げられます。それぞれの簡単な特徴は、以下の通りです。
 

【スリークォーター】
4分の3という名前の通り、オーバースローとサイドスローの中間、斜めの角度から腕を振る投球フォームです。体への負担が少ない投球フォームとされています。
オーバースローと似た投球フォームですが、「腕がこの角度を越えたらオーバースロー」などと、境目が明確にあるわけではありません。
 

【サイドスロー】
ボールを持つ手の側に体を少し傾け、ボールを体の横から投げる投球フォームです。サイドハンドや横手投げとも呼ばれます。ボールを横からリリースするため、角度をつけやすい点がメリットです。
 

【アンダースロー】
体を折り曲げるようにして、地面に近い位置から投球するのがアンダースローです。サブマリン(潜水艦)と呼ばれることもあります。ボールが下から上に浮き上がるような軌道を描くのが特徴です。

 

■オーバースローのメリット

野球には複数の投球フォームがありますが、オーバースローはどのような特徴があるのでしょうか。オーバースローを取り入れるメリットをご紹介します。

 

・威力のあるボールを投げやすい

オーバースローは、数ある投球フォームの中でも、最も高い位置からボールを投げ下ろせるのが特徴です。ボールに遠心力や重力を伝えやすいので、スピードが速く威力のあるボールを投げることができます。

また、ボールにバックスピンをかけやすく、球速に関係なく浮き上がるように見える「ノビがあるボール」を投げられます。
威力のあるストレートに加えて、フォークやドロップ、縦のスライダーなど、縦方向に落ちる変化球を投げやすい点もメリットです。

 

・ボールに角度をつけやすい

オーバースローはボールを放す位置(リリースポイント)が高く、ボールに角度がつけやすい点もメリットです。ボールは斜め下方向に向かうことになるため、バットとボールの接点が小さくなりやすい、目線がブレやすいなどの理由から、打者はボールを打ち返しにくくなると考えられます。
低めと高めに投げ分けることで、打者に高低の意識を植え付けることも可能です。

特に、身長が大きく腕が長い選手は、より高い位置からボールを投げ下ろすことができます。ボールに角度をつけやすくなるので、オーバースローは高身長の選手ほど取り入れるメリットが大きい投球フォームといえるでしょう。

 

■オーバースローのデメリット

さまざまなメリットのあるオーバースローですが、デメリットもいくつか考えられます。怪我につながったり、パフォーマンスが落ちたりする可能性もあるため、注意点を知っておくことも大切です。

 

・体への負担がかかりやすい

オーバースローは、腕を肩よりも高く上げて、上半身を少し傾けるようにして投球を行います。肩はもちろん、わき腹や腰といった部分への負担も大きくなる点に注意が必要です。

また、テイクバック(腕を後ろに引く動き)の際に肘を大きく曲げるため、肘への負担もかかりやすいとされています。体にかかる負担を減らすために、正しい投球フォームを習得することが重要です。

 

・コントロールがつきにくい

威力のあるボールが投げやすい一方で、コントロールが難しい投球フォームでもあります。これは、力を入れて投げやすい分、力み過ぎてしまうことがあるためです。
特に、上半身の力だけでボールを投げる「手投げ」をしていると、コントロールが悪化してしまいます。下半身も含め、全身を連動させながらボールを投げる意識を持つことが重要です。

また、プロアマ問わず、非常に多くの投手がオーバースローやスリークォーターといった、肩よりも上から投げる投球フォームを取り入れています。サイドスローやアンダースローに比べるとバッターが見慣れていて、タイミングを取られやすい点もデメリットのひとつです。

 

■オーバースローのコツ

オーバースローのコツ

 

オーバースローで威力のあるボールを投げるためには、いくつかコツを押さえておく必要があります。怪我の予防にもつながるため、体の使い方を覚えておきましょう。
オーバースローの投げ方のコツを、2つご紹介します。

 

・下半身を意識して投げる

オーバースローに限らず、ピッチングの際は下半身を使って投げることが重要です。腕を強く振り抜いて速いボールを投げようとするのではなく、下半身に力を溜める意識を持ちましょう。
体重移動や踏み込みで溜めた下半身の力を上半身、腕、ボールへと伝えていくことで、手を振るだけの投球フォームよりも力強いボールを投げられます。

足を踏み出す際は、踏み込む足(右投げの場合は左足)の股関節を起点に、体の回転を斜めにする意識を持つと、腕を縦方向に振りやすくなります。
ストレッチなどを取り入れ、股関節周りの柔軟性を高めておくのがおすすめです。

 

・体を開かない

体をすぐに開かないこともポイントです。グローブを着けている側の肩が早く開き、胸がホームベース側に向いてしまうと、ボールに威力を伝えにくくなったり、コントロールミスが増えたりします。
体が開くと腕やリリースポイントが打者から見えやすくなり、ボールを見極められる可能性が高まる点もデメリットです。

ホームベースに対して真横を向いたままステップするくらいの意識で、できるだけ体を開かずに粘ることを心がけましょう。

 

■自分に合った投球フォームを見つけよう

ボールに威力を伝えやすいのがオーバースローの魅力です。プロ野球でも、速いストレートを武器にする本格派の選手は、よくオーバースローで投げています。
しかし、正しい投球フォームを身につけないと、体への負担が大きい点に注意が必要です。

また、投球フォームに絶対の正解はありません。オーバースローからサイドスローに転向して活躍したプロ野球選手がいることからもわかるように、自分が投げやすく、怪我を防げる投球フォームの習得が第一です。
ご紹介した内容を参考に、自分に適した投球フォームを見つけてみてください。

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