【サッカー】スライディングはディフェンスにおける最終手段! 正しい方法と適したタイミングがポイント
サッカーの試合中、ボールを持った選手にスライディングする場面はよく見られます。しかしスライディングは、場合によっては大怪我につながりかねない危険なプレーです。怪我を防ぐためには、スライディングの正しい方法やタイミングなどを知っておく必要があります。
ここでは、スライディングの目的や方法、タイミング、怪我の防止策などについて解説します。
【目次】
■スライディングの目的
スライディングとは、足と地面を平行に滑らせ、横になった状態でボールを取りに行くプレーのことで、「スライディングタックル」と呼ばれることもあります。
スライディングは相手の独走を止めたりシュートを防いだりする場合に効果的で、相手チームのボールを奪い、流れを自チームに引き寄せることもできます。
しかし、スライディングは怪我をしたりファウルを取られたりすることもあるため、技術をしっかりと身につけたうえで、使う場面を考える必要もある難しいプレーです。
■効果を発揮するタイミング
スライディングが効果を発揮する主なタイミングは「土壇場」のときです。例えば、自身のポジション取りが悪く相手にボールを奪われてしまいそうな場合、スライディングをすることで相手より先にボールに追いつくことができます。
また、自分が抜かれたら相手とキーパーの1対1になってしまうような場合に使うのも効果的です。そのような状況でも、スライディングで相手からボールを奪うことでゴールを阻止できる可能性があります。
その他には、相手のドリブルが乱れたときやライン際での攻防、相手の隙を突く場合でもスライディングは有効です。
ただし、スライディングは体を滑らせて行うプレーのため、起き上がってから次のプレーに移るまで時間がかかります。その点に留意して、あくまで土壇場の最終手段として使うように心がけましょう。
■ファウルにならないための注意点
前述したように、スライディングはファウルになりやすい技です。動いているボールを奪いに行くのは非常に難しく、タイミングや位置が少しでもずれてしまうとファウルをとられてしまいます。
ファウルをとられないようにスライディングをするには、相手選手の正面からボールだけを狙うことがポイントです。意図的に相手の足を狙ったり背後からスライディングをしたりすると、悪質なプレーと見なされてファウルになってしまうため、注意してください。
また、ボールより先に相手選手にぶつかってしまうのもファウルをとられます。そのため、スライディングをする際は相手にぶつからないよう、しっかりとボールに向かう意識を持つことが大切です。
加えて、スライディングをする際は足の裏を見せないように滑り込むことも重要です。サッカーで使用するスパイクの底にはスタッドが撃ち込まれているため、相手選手の体に刺されば大怪我につながります。
足の裏を見せたままスライディングをすると、怪我を招く悪質な行為と判断されてファウルをとられてしまうため、足の裏を見せないで滑り込むフォームを身につけるようにしましょう。
■スライディング練習のコツ
スライディング練習のコツは、足の出し方やボールを蹴り出すタイミングを身につけることです。基本的にボールと相手選手が接触している間は、ボールを奪いに行くことはできません。そのため、ボールが離れた瞬間を見計らって奪えるように、実践的な練習の中で足の出し方やボールを蹴りだすタイミングをつかむようにしましょう。
スライディングは守備を行ううえで最後の手段になります。そのため、スライディングそのものを練習するのではなく、「相手のシュートを止める」という意識を普段の練習から持つことが重要です。守備への意識を高く持って練習や試合に臨んでいれば、どのような状況でスライディングを行えばよいのかを自然と学ぶことができるでしょう。
■怪我防止のためにできること
スライディングは、相手の近くにあるボールに突っ込んでいくプレーです。タイミングが合わなければ、相手選手の足にぶつかって怪我をさせることがありますし、相手選手が転んだ際に自分と接触して、自分が怪我をする可能性もあります。
スライディングによる怪我を避けるには、事前に対策をとることが重要です。ここからはスライディングの痛みを軽減したり、怪我を予防したりするために気をつけたいことをご紹介します。
-フィールドの特徴を知っておく
サッカーはフィールドによって怪我のしやすさが異なるため、怪我を防止するためには、フィールドの特徴を知っておくことが大切です。サッカーのフィールドには、主に天然芝、人工芝、土の3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
天然芝は、やわらかい地面の上に自然に芝が生えたフィールドです。芝がやわらかいため、スライディングしても痛みが少なく、足腰への負担も少ないといった特徴があります。
人工芝は、プラスチック製の芝で作られたフィールドで足腰への負担がかかりやすく、天然芝に比べ怪我をしやすいです。また、人口芝は硬く熱を帯びやすいため、スライディングを行うと摩擦で火傷を負う可能性があります。
土は何も敷かれていないため、フィールドの中で最も硬く、スライディングによる擦り傷ができやすいため、細心の注意が必要です。また、使われている土の質によってフィールドの状態が大きく左右されるため、フィールドごとに気を付けるポイントが異なります。
フィールドの特徴や状況は、スライディング以外のプレーにもかかわるため、試合前に確認する癖をつけるとよいでしょう。
-ウェアやグッズを活用する
基本的にはスライディングを避けるのが最善の選択ですが、スライディングをするほかない状況に陥ることも考えられます。そのような場合に備えて、ウェアやグッズを活用して怪我を防止するようにしましょう。
怪我予防に効果的なグッズは「シンガード(すね当て、レガース)」と「インナースパッツ」です。
シンガードとは、ソックスの中に入れて使用する、すねを守るためのグッズです。着用することで、スライディングをはじめとした接触による怪我の防止に役立ちます。もしシンガードが滑り落ちてくるようであれば、シンガードストッパーを使うとよいでしょう。
シンガードは競技規則により試合中の着用を義務付けられていますが、試合だけではなく、練習時も着けるようにするとより安心です。
⇒シンガードの役割とは? 選び方や着け方、お手入れの仕方までご紹介
インナースパッツは、サッカーパンツの下に履くアンダーウェアで、スライディング時の擦り傷や、スパイクによる裂傷の防止に役立ちます。
インナースパッツを選ぶ場合は、ぴったりと体にフィットするタイプのものがおすすめです。長さは好みの問題もありますが、擦り傷などの防止にはロングスパッツタイプのものを選ぶとよいでしょう。
なお、試合ではサッカーパンツと同色のインナースパッツでないと着用できないため注意が必要です。
■まとめ
スライディングはプロの選手でも怪我やファウルにつながる場合が多いプレーなため、あくまでもディフェンスの最終手段として使うようにしましょう。いざというタイミングでスライディングが行えるようになると、ディフェンス時の選択肢が増え、落ち着いてプレーすることができます。
そのためには、しっかりと日頃の練習に臨み、ディフェンスの意識を植え付けることが大切です。
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