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football2019.11.27

『令和初の高校生サッカー選手権大会は、どんなドラマが待っているのか。歓喜の雄たけびを上げるのはどのチームなのか。』

今年もまた、“熱い冬”がやってくる。令和初としても注目を集める第98回全国高校サッカー選手権の組み合わせが、11月18日に決定した。

抽選会の冒頭には、選手たちを奮い立たせるメッセージが紹介された。今大会の応援リーダーを務める日本代表DF長友佑都選手から、映像を通したエールが届いたのだ。

「夢は大きく、志は高く、とにかく『もっと、もっと』と自分自身を高めながら上を目ざして頑張ってほしいですね」

東福岡高校OBでもある長友選手は、3年時に選手権出場を果たしている。しかし、2回戦で市立船橋高校(千葉県)にPK戦で敗れた。

当時を振り返って、「選手権は負けたら終わりの大会ですから、とにかく緊張して自分のプレーを出せなかったですね」と苦笑いを浮かべる。そして、「今大会に出場する選手たちには、現状に満足せずにすべてを出し尽くしてほしい」と言葉に力を込めた。


 
抽選会には出場校が決定していない群馬県、千葉県、神奈川県、新潟県、福岡県を除く43の代表校のキャプテンが集まった。

注目の組み合わせは、前回優勝の青森県代表(青森山田)が第1シード、同準優勝の千葉県代表が第2シード、同3位の広島県代表(広島皆実)と福島県代表(尚志)が第3シードに振り分けられた。この4つの代表は、ベスト4までは対戦しないことになる。また、開催地権を持つ埼玉県、東京都A、神奈川県の代表は、同じゾーンに入らないようになっている。
 


ホットゾーンは青森山田のブロックだ。

前回王者は初戦(2回戦から登場)で米子北(島根県)と対戦する。インターハイ16強の難敵だ。青森山田の武田英寿キャプテンは、「初戦から強いチームと当たるので勢いに乗っていきたい」と力強く話した。浦和レッズ加入内定の武田、横浜FC加入内定の古宿理久らが攻撃を彩る青森山田に対して、米子北は大分トリニータ内定のDF高橋祐翔が守備を束ねる。

さらに、夏のインターハイ準優勝の富山第一(富山県)と前回16強の立正大淞南(島根県)が1回戦で激突する。立正大淞南は松本山雅FC入団内定の司令塔・山田真夏斗を擁する。富山第一の吉藤廉キャプテンは、「目標は日本一。一戦ずつ全力で戦っていきたい」と闘志を新たにする。

一方の立正大淞南の石橋克之キャプテンも、引き締まった表情を浮かべた。「1回戦から厳しい戦いになると思っていました。これから一か月半、そこへ向かってしっかり準備したい」と話す。

青森山田と同じブロックでは、前々回優勝の前橋育英が勝ち残っている群馬県代表、関東大会優勝でインターハイに続いての全国見参となる國學院久我山(東京都B)らも、同ブロックから上位進出をうかがう。前橋育英はインターハイ1回戦で青森山田に敗れているだけに、出場を決めればリベンジに燃えていくだろう。また、昨年のインターハイ4強の昌平(埼玉県)とJリーグ内定2選手がいる初出場の興国(大阪府)の激突も興味深い。

青森山田のブロックとベスト4で対戦する広島皆実のブロックでは、その広島皆実が初戦(2回戦)で神奈川代表と向き合う。インターハイ王者の桐光学園との激突が濃厚だ。

桐光学園には先のU-17W杯に出場し、2得点をあげた西川潤がいる。セレッソ大阪入りが内定している世代のけん引役は、今大会屈指のタレントと言っていい。それでも、前年度ベスト4の瀬戸内を破って出場権を得た広島皆実の吉原翔大キャプテンは、「(神奈川県代表として)どの高校が来ても、僕たちはチャレンジャーとして臆することなく戦いたい。チーム全員が献身的に動いて持ち味を発揮できるようにしたい」と、静かに闘争心を燃やす。



第3シードの尚志は、初戦で伝統校の徳島市立(徳島県)と対戦する。前回大会に続いてインターハイでも3位に食い込んだチームは、福島県勢初の選手権制覇をターゲットとする。

青森山田にPK戦で敗れ、決勝進出を逃した前回大会の経験こそが、一人ひとりの選手を支える原動力だ。山内大空キャプテンは「自分たちは去年の悔しさを胸に、1年間練習をしてきました。相手がどこであれ全力を出し切って戦い、全国制覇を果たしたいです」と真っすぐ前を向く。

尚志のブロックでは、静岡学園(静岡県)も注目を浴びる。静岡県勢は4年連続で初戦敗退に終わっており、第93回大会でベスト8まで勝ち上がった“静学”はサッカー王国復活の期待を担っている。阿部健人キャプテンは「個人技を生かして1試合ずつ勝ち抜いていきたい」と語る。

千葉代表のブロックでは、京都橘(京都府)の評判が高い。選手権は2大会ぶりの出場だが、インターハイでベスト4に食い込んでいるのだ。佐藤陽太キャプテンを筆頭に好素材が揃っており、91回大会で準優勝したチームに劣らないとの声もある。佐藤キャプテンも「僕たちの代で歴史を変えたい」と意気込みを表わす。

大会は12月30日に開会式と開幕戦が行われる。開会式で選手宣誓を務めるのは、日章学園(宮崎県)の阿部稜汰キャプテンに決まった。「まさか自分が、と驚いています」と率直は思いを明かしつつも、「令和初の大会ということで、注目も集まると思います。自分たちの夢の舞台にふさわしい宣誓ができれば」と意欲を湧き立たせる。抽選会に出席した鹿児島実業OBで元日本代表の城彰二さんからも、「絶対にみんなが注目するので、頑張ってください」とエールをおくられていた。



開会式直後の開幕戦は、國學院久我山(東京都B)と前原(沖縄県)の対戦となった。東京都代表と沖縄県代表の顔合わせは、くしくも2年連続の開幕カードである。

國學院久我山の明田洋幸キャプテンは「開幕戦はなかなか立てない舞台なので、すごく楽しみです。多彩な攻撃を仕掛けたい」と必勝を誓った。対する前原の平川龍キャプテンは、「開幕戦はいい経験ができると思う。去年は沖縄の代表校が勝ったということで、令和元年も勝ちたいです」と、こちらも意欲を隠さない。

全48の出場校は、12月4日の福岡県予選決勝を経て出揃う。果たして今年は、どんなドラマが待っているのか。来年1月13日の決勝戦で、歓喜の雄たけびを上げるのはどのチームなのか。

来るべき夢舞台へ向けて、選手たちは闘志をたぎらせていく。

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