ナイキ「ファントム ルナ」、女性フットボーラーのパフォーマンスを最大化する革新的なサッカーシューズが登場。

ナイキが女性フットボーラーのフィードバックに基づいて開発した新スパイク、「ファントム ルナ」の発表会を開催。このイベントには代表メンバー、清水梨紗選手（ウェストハム所属）、南萌華選手（ローマ所属）、そして長友佑都選手（FC東京所属）が参加し、MC勝村政信さんとのトークセッションが行われた。

◆発表会の前半パートは、「ファントムルナ」の誕生背景や機能性を説明

近年、多くの得点が記録される試合が増えたことで、女子サッカーの注目度が上がっている。ゲーム内容でも、各プレイヤーが攻撃と防御の両方に参加し、チーム全体が一丸となって戦うスタイルが見受けられる。その結果、各選手がカバーするフィールドの範囲も大幅に広がった。このようなゲームの進化に合わせ、選手がピッチで着用するプロダクトにも進化が求められていた。

そこでナイキは女性選手に対して、これまでにない規模でプロジェクトを立ちあげた。2年以上の時間をかけて、研究から試作、デザイン、スタイリングに至るまで全てのプロセスを女性の観点から捉え、最適化したシューズを開発した。

そして、誕生したのが「ナイキファントムルナ」だ。女性フットボーラーの声を反映し、トラクション、フィット感と履き心地の改良にこだわった。

まず新しく開発したのは女性向けのトラクション（地面を掴むことで生み出される推進力）。90分の試合でエリートフットボーラーの走行距離は11km以上に至ることもあるが、ほんの一瞬の方向転換の際にシューズのトラクションが足の回転を妨げ、致命的なミスにつながることもある。

ナイキの科学者やエンジニアによる長年の研究の結果から生まれたファントム ルナには、新しく画期的な円形のスタッドパターンを、トラクションにとって重要なスポットであるつま先近くに取り入れている。“ナイキ サイクロン360”と名付けられたこのトラクションパターンで、プレイヤーは俊敏かつ正確に自信を持ってピッチ上で動けるようになる。

さらに、ファントム ルナのフィット性も女性フットボーラーに向けた仕様となっている。“ナイキ エイシム フィット”と呼ぶ新しいアッパーのデザインは、女性フットボーラーのフィードバックをもとに足首周りのフィット感を高めている。

女子サッカーがアグレッシブにチーム全員でアタックするというスタイルが主流になる中、女性フットボーラーたちはピッチを駆け上がっていく時にも素早く精度の高いパスができるシューズを求めていた。平均的に女性の足は男性よりも小さいため、コントロールと精度を高めるためにボールの接触面を相対的に広く取ることが必要になる。そこで、ナイキはファントムルナのアッパーにボールとシューズの連携を最適化する最新イノベーションである“ナイキ グリップニット”を採用。これにより、コーティング剤を素材に仕込んで粘りのある感触を生み出すことに成功し、やわらかく、しなやかなシューズに仕上がっている。

ナイキ スポーツ研究所の主席研究者であるエリシア・デイヴィス博士は次のように話す。

「ナイキ ファントムルナは、女性の最大の理解者になろうとするナイキの取り組みの結果です。研究、試験そしてデザインに至るまで、女性にフォーカスし作業を進めました。新しい円形のスタッドパターンとフィットを取り入れた、女性向けのデザインのシューズが提供できること、また、これにより選手がより精度の高い動きを自信を持ってこなせるようになることを嬉しく思っています。」

◆発表会の後半パートには、ナイキスパイクを履く代表選手のトークコーナーへ

ナイキ新スパイク『ファントムルナ』発表会には、代表メンバーである清水梨紗選手（ウェストハム所属）、南萌華選手（ローマ所属）、そして長友佑都選手（FC東京所属）が参加。MC担当の勝村政信さんと一緒にトークセッションを行った。

冒頭で、女子の代表メンバー発表が同日に行われ、その中に名を連ねた清水選手は、「素直にW杯のメンバーに選ばれて凄く嬉しいです。全員で一緒に頑張り、優勝を目指したいと思います」。南選手も、「誰もが出場したい大会であるW杯に選ばれて光栄に感じています。海外でのプレー経験を代表チームで発揮できるように頑張ります」とそれぞれが思いを語った。

長友選手は昨年のカタール大会に出場し、4大会連続で世界と戦った経験者として、「本当におめでとうございます」と2人を祝福。「W杯で世界一を目指せるということは頼もしいですし、期待しています」とエールを送った。

MCの勝村さんからは、普段海外リーグでプレーする清水選手と南選手に、“日本のサッカーと海外リーグの違い”について問われると、「スピードやフィジカルが一番違います。日本では体験できない圧力を普段の練習から体験できている。その経験がW杯でも活かせればと思います」と口にした。

続けて、世界的な大会への抱負について清水選手は、「私は、男子代表の試合を見て勇気をもらいましたし、自分達も世界の舞台で勝利を掴みたいと強く思いました。多くの子供たちが女子サッカーを始めてくれるように、結果にこだわりたい」と目標を語った。

南選手も同じく「男子代表の試合を見て、サッカーの素晴らしさを改めて感じました。多くの人に感動してもらえるように、毎試合、女子サッカーを盛り上げていきたい。大きな舞台で、たくさんの人が女子サッカーを見る絶好の機会ですし、女子サッカーを再び日本中から応援してもらうためにチーム一丸となり、全力で頑張ります」と意気込んだ。

2011年の世界大会で、日本は見事優勝し、世界の頂点に輝いた。この優勝は東日本大震災が発生し、国が暗い気持ちで包まれていた時期に、明るい話題を提供した。

長友選手は当時を思い出して、「W杯の影響力は凄まじいと感じました。昨年の大会後、近くを散歩していたら3歳の子供が『ブラボー！』と言ってくれて、3歳の子供でもサッカーを見てくれているんだとびっくりしました」とその影響力に驚いたようだ。そして、再び女子代表チームが結果を残すことに期待している。

今回のナイキ新作スパイク「ファントム ルナ」は、女性の意見を取り入れたシューズで、清水選手はすでに試着している。「最初に履いた時に、くるぶしまでのフィット感が良いと感じました。プレー中も足の裏がズレない感覚があり、とてもフィットしていると思います」と印象を語った。

そして、ナイキのこの取り組みについて「色々な意見を取り入れてもらって、女性に合ったスパイクを作ってもらえるのは非常に嬉しいです。これはとても大切なスパイクです」。

南選手も「これまでにない、女性の意見を取り入れて作られたスパイクで、本当に素晴らしいスパイクができたと思います。怪我が多くなっている今、このようなスパイクが怪我の予防につながる。良い方向に進んでいると感じて、私も試してみたいと思います」と語った。

6月28日から発売が開始されたナイキの新作スパイク「ファントム ルナ」は、7月にオーストラリアとニュージーランドで開催される歴史的な大会に合わせて登場する。

「ファントム ルナ」は、選手それぞれが最高のパフォーマンスを発揮するために開発された。両選手の活躍に加えて、「ファントム ルナ」を履いてグラウンドでプレーする選手のパフォーマンスの進化にも目を向けていきたい。