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golf2020.07.15

【ゴルフクラブの基礎知識 ベーシック編】Vol.2 ロフトとフレックスの重要性

クラブについて調べているとさまざまなスペック用語が飛び交うが、自分に合ったクラブを見つけるためには、それらを正しく読み解く必要がある。

実際にクラブを購入する際にはフィッターなどの専門家の助けを借りることが大事だが、用語やスペックを正しく理解できれば、フィッターとのコミュニケーションも円滑になり、自分のクラブをより深く理解することができる。

前回は、ドライバー選びの際に知っておきたいゴルフクラブの基礎の基礎として、クラブの重さと長さを取り上げたが、第2回目となる今回は、ロフトとフレックスを取り上げる。解説は、ゴルフ5の中部地区担当クラフトマン菅大輔さん。菅さんは、中部地区19店舗の173名のクラフトマンを統括するクラブのスペシャリストだ。

「ロフトは、ドライバーのヘッドスペック選びでもっとも重要なポイントの1つと言っていいでしょう。シャフト軸に対するフェース面の角度を表す数値で、ロフトの数値が大きいほどフェースが上を向いていることを示します。ロフトが大きいほど球の打ち出し角が高くなり、バックスピン量も増えるので、球の上がりやすさを決定する最大の要因です」


シャフトの中心線とフェース面が作る角度がロフト

多くの男性用のドライバーは、ロフトが9度~11.5度程度。レディスモデルなどでは13度前後のものもある。

「一般的には、ヘッドスピードの速い人ほどロフトの少ないモデルが合いやすいのですが、同じロフト角でもヘッド自体の球の上がりやすさやスピン性能によって球の上がりやすさは変わるので、数字にこだわらずに自分が求める弾道のロフトを選ぶことが重要です」


同じモデルであれば、ロフトの数字が大きいほど球は上がりやすくなる

実際、Aというモデルの9.5度よりもBというモデルの10度のほうが球が上がりにくいというようなケースもあり、あくまで同一モデル内で「9度よりは10度のほうが球が高くなる」という考えで比較すること(※1)が大事だと菅さんは言う。

ロフトがヘッドスペックの鍵だとすると、フレックスはシャフトスペックの鍵と言える。

「フレックスとは、簡単に言えばシャフトの硬さを表すスペックです。“レギュラー”を意味する『R』を基準に、それより硬い『S』(スティッフ)、さらに硬い『X』(エクストラ・スティッフ)などがあり、SとRの中間である『SR』やXとSの中間である『XS』、『R』より柔らかい『L』(レディス)なども存在します。一般的には、ヘッドスピードが速い人ほどシャフトに大きな負荷がかかるので、硬いシャフトが合いやすいと言えます」


シャフトの硬さを表すスペックがフレックス。Rを基準にSR、S、Xとシャフトは硬い感覚になる

ゴルフクラブは先端にヘッドという重量物がついた棒状の物体なので、スウィング中にシャフト部分が大きくしなる。とくに切り返しではクラブの動く方向が180度変わるためシャフトには大きな負荷がかかる。そのためスウィングスピードにシャフトの硬さが合わないと、しなり戻りのタイミングが合わずに振りにくかったり、フェースがスクェアに戻りにくく方向が安定しないなどの問題が起こるのだ。

「フレックスに関してもモデル間の差が大きいので、アスリートモデルのRシャフトよりも、アベレージモデルのSシャフトのほうが柔らかいなどということが起こります。またカスタム用シャフトでは、同じモデルでも重量が違えば特性も変わるので単純に比較できません。ロフト同様、やはり比較は同モデルの間にとどめ、表記にこだわらずに最適なものを選ぶことが大事です」


ブランドが違えば同じRシャフトでも、硬さの感覚はまったく違うものになる

ロフトとフレックスは、重量や長さのように絶対的な基準ではない。モデル内での「多い・少ない」「硬い・柔らかい」という相対的な基準であることを前提に判断することが大切だと覚えておこう。


※1 モデルやメーカーが違えば単純にロフト表示で球の上がりやすさは比較できないこともある

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