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golf2020.08.19

【ゴルフクラブの基礎知識 ベーシック編】Vol.3 アイアンのヘッド形状について

知っているようで本当のところはよくわからないクラブ用語。今回はアイアンの基礎のなかの基礎であるヘッド形状について、ゴルフ5大田店のクラフトマン市毛徹さんに教えてもらおう。
市毛さんは、ピン、オノフの公認フィッター、ミズノクラブフィッター、マジェスティソムリエ、そしてオデッセイマスターなど各メーカーの認定資格を多数持つ腕利きクラブフィッターだ。

アイアンの話をするときに「マッスルバック」「キャビティ」などという単語が出てくるが、その意味をきちんと理解すればアイアン選びも適切に行いやすい。
市毛さんによれば、アイアンのヘッド形状は、大きく「マッスルバック」「キャビティバック」「中空」の3カテゴリーに分けられるという。

「『マッスルバック』はバックフェースに大きな凹凸がなく、ちょっとした段差や浅い凹みがある程度のほぼ平らな形状をしているものを呼びます。軟鉄の塊を鍛造してつくられたシンプルな構造なのでヘッドサイズが小さく、ソールもトップブレードも薄くてシャープなのが特徴です。そのためヘッドの操作性が高く弾道を自在にコントロールしやすいヘッドといえます」


バックフェースがスッキリしていてシンプル

この操作性はミスへの許容性とトレードオフなので、ミスヒットをすると距離が落ちたり曲がったりしやすい側面もあり、打点が安定している上級者向けのモデルがほとんど。
また、打点部分が肉厚なので打感がやわらかい点でも上級者に好まれやすい。


打感のよさと操作性がマッスルバックの最大の特徴

「『キャビティバック』は、バックフェース部分が削られて凹んでいるものを呼びます。ヘッドの中心部分を凹ませて薄くしたぶん、その重さをヘッドの外縁部分に分配することで低・深重心化し、マッスルバックよりもミスに強く球が上がりやすくすることを目指した設計です。ヘッドのサイズも大きくしやすいので、アマチュアにもやさしく扱いやすいタイプといえます」


キャビティバックはバックフェースがえぐれたデザイン

キャビティバックには、バックフェースの形状にさまざまなバリエーションがあるが、バックフェースが大きくえぐれ、ソール幅が広いものほどミスに強くやさしい傾向があるという。

「形状だけでなく素材も多様で、マレージングやチタンなど薄くて反発力の高い素材をフェースに用いたり、タングステンなどのウェイトを内蔵して重心設計を工夫しているモデルが多いのも特徴です。バックフェースに樹脂などの素材を使って打感の向上を目指しているものもあります」


ソールが広く、えぐれの深いものほどやさしい傾向がある

キャビティバックはヘッドのデザインがもっとも多様で、そのぶんユーザーの意図や目的によって選択肢の多いカテゴリーといえる。

「『中空』は、その名のとおりヘッドの内部が中空構造になっているモデルです。簡単に言えば、キャビティバックのバックフェースに蓋をした構造ですが、素材や製造技術の進化によって、キャビティバック以上にフェースの反発や低・深重心化に特化したモデルが多くなっています」


バックフェースに「蓋」がされているため、スッキリと見える中空アイアン

バックフェースの「えぐれ」を隠せる形状のため、キャビティバック並みのやさしさを備えつつ、構えた印象をシャープにできるのも中空構造の大きな特徴だ。

「中空ヘッドのアイアンは、飛距離特化型の『超飛び系』のモデルが多いので、アイアンに飛距離を求める人には重要な選択肢になるモデルだと思います」


キャビティバックや中空には、ウェイトを内蔵するなどひと工夫した、飛距離性能の高いモデルが多い

キャビティバックと中空についてはとくに、カテゴリー内でも多様化が進んでいるので上記の区分はあくまで基本となる目安にすぎないが、アイアン選びの基礎として頭に入れておこう。

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