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golf2020.09.30

【ゴルフクラブの基礎知識 ベーシック編】Vol.4 アイアンのロフトと長さについて

漠然と知ってはいるけれど、説明しろと言われるとちょっと不安なクラブの基礎知識。今回はアイアンのロフトと長さについて、引き続きゴルフ5大田店のクラフトマンで各メーカーの認定資格を多数持つ腕利きクラブフィッター、市毛徹さんに教えてもらおう。

アイアンは番手によって長さもロフトも違うことは誰でも知っている。だが自分のアイアンの各番手のロフトと長さをハッキリと言えるアマチュアは多くないのではないだろうか。

「アイアンは、上の番手に行くほどロフトが立って長さは長くなり、反対に下の番手に行くほどロフトが寝て長さは短くなります。1番手につきロフトは3~5度変化し、長さは0.5インチ(1.27cm)ずつ変化するのが普通です。ロフトは、ロングアイアンでは1番手3度前後、ミドル・ショートアイアンで4~5度のピッチになっている場合が多いですが、この差によって番手ごとに適正な飛距離の階段を作ることができるというわけです」


アイアンのロフトは、1番手につき3~5度変わるのが一般的


昔は5番アイアンでロフト27~28度前後、長さ39インチ前後というのがひとつの基準だった。そのため7番アイアンなら35~36度、38インチ、PWなら47~48度、36.5インチくらいがオーソドックスなスペックだったが、近年はその基準が大きく変化している。


「この15年ほどでロフトは2番手近く立っている」と市毛さん。ロフトを立てたアイアンは一般的に「ストロングロフトモデル」と呼ばれている


「ロフトは明らかにストロング化して(立って)きています。感覚的にはこの15年ほどで平均して2番手近く立ってきていて、場合によってはそれ以上にストロングロフトなモデルもあります。これはアイアンにも飛距離が求められるようになってきたというニーズの変化と、ロフトを立てても球の高さを出せるようになったというヘッドの製造技術の進化という双方の側面があると思います」


ヘッドの製造技術が進歩したことで、今までにはなかった低重心化などが可能になり、ロフトが立っていても球が上がりやすいモデルが登場してきた


飛距離を出すためにはクラブが長いほうが有利なので、長さの面でも若干の長尺化は見られるが、長くなると振りにくくなりミート率も下がるので、一般的なモデルでは長さの面では大きな変化がないのが実情だ。

「全体的に見ればロフトが立ってきているという傾向はありますが、いまは『何番はロフト何度』と言えるような基準はなく、同じ番手でもかなりの幅があるので、アイアンを番手の数字だけではなくきちんとロフトで把握することも重要になってきていると思います」

またロフトと長さ同様、ライ角も番手ごとに違っていて、1番手につき0.5度ほどの差でロングアイアンほどフラットに、ショートアイアンほどアップライトになっている。

「最近では、ブライソン・デシャンボー選手が使っているような、全番手が同じ長さとライ角でロフトだけが違っているアイアンもありますが、そういった例外を除けばほぼすべてのアイアンがこのような『フロー設計』になっています。自分のアイアンのロフトや長さを知ることは自分のゴルフを客観的に知るうえでも大事なことなので、ぜひ一度カタログなどで確認してみてください」


一般的なアイアンは、ロフト、長さ、ライ角などが番手ごとに変化することで、距離を打ち分けやすく作られている。自分のアイアンセットのスペックがどんな数字になっているのか、カタログなどで確認してみよう

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