【所属プロ・川満陽香理選手インタビュー】第1弾 ステップアップツアー10年ぶりの優勝・マッチレースを制した最終日
ゴルフ5 の所属プロである川満陽香理選手(かわみつひかり・33)が、ステップアップツアーの九州みらい建設グループレディース窓乃梅カップ(4月22日~24日・武雄ゴルフ倶楽部)で通算10アンダーという素晴らしいスコアで優勝した。そして、その二日後に開催された全米女子オープン日本予選会(4月26日・横浜カントリークラブ)に出場し、トップで予選を通過、見事に出場権を獲得したのだ。
下部ツアーでありながら、実力者も多く参戦し、年々盛り上がりを見せるステップアップツアー。そこでの勝利、賞金ランク3位(4月24日現在)、そして全米女子OPへの出場権を獲得したのだから、今ノリにのってる女子プロのうちの一人ということは間違いない。
そこでアルペングループマガジンでは、急遽リモートで川満選手にロングインタビューを敢行。ツアー優勝、全米女子OP、そして出場権獲得、目澤秀憲コーチ、そして勝利を支えたギアについてなど、様々なことを川満選手の等身大のおしゃべりで聴くことができた。
この内容を全2回にわたって読者の皆様にお届けする、【所属プロ・川満陽香理選手インタビュー】。まず第1弾はステップアップツアー優勝までの最終日、18ホールのプレーについて聞いてみた。
最終日のプレーと心境について、細かく解説してくれた川満プロ。関係各所から届いた優勝祝いの花束で部屋がいっぱいに。
――川満選手おめでとうございます!
川満:ありがとうございます!
――3日間トップを維持しての完全優勝でした
川満:私自身も初めてのことです。今までは初日に出遅れてしまう傾向があったんですよ。でも、今回は初日から飛ばせたのが良かったですね。
――トップで迎えた最終日、最終組でのラウンドについて聞かせてください
川満:出だしの1番ホール(パー4)ですが、いきなりボギーを打っちゃいました。ティショットは狙い通りのポジションに打てたのですが、ラフから打った残り67ヤードのセカンドショットが、思ったよりもフライヤーが入ってしまって、結果ボギーとなってしまいました。
――2打差でスタートした同組のフォンスーミン選手はこのホールはバーディー。スタートホールでいきなり並ばれてしまいましたね
川満:フォン選手は2日目から勝負強いゴルフをしていて、このホールも私がセカンドでミスしたあと、しっかりとバーディー確実な位置にセカンドを打ってきました。私はもちろんパーを狙うのですが、距離のあるパットを残していたので、仮に外してボギーになったとしても、今日は焦らないで自分のペースで行こうと、この時点で自分にしっかり言い聞かせることができました。この切り替えが良かったと思います。
――その切り替えが、その後の連続バーディーにつながった?
川満:そうですね。並ばれてしまったフォン選手のショットを意識せずに、自分がナイスショットをすることだけに集中していました。2番(パー4)はセカンドが難しいホールなんですが、集中できていてイメージ通りの位置にボールを運べ、結果バーディでした。3番ホールも同じような流れでセカンドがピン3mについて、フォン選手は私のよりも内側につけていたのですが、そこを意識することなくマイペースでパットできたのが、バーディーにつながったと思います。
――スタートホールで並ばれて、その後2ホールでもとの2打差に戻すことができた。ここは前半のキーポイントですね
川満:マイペースながらもギアを一段上げなきゃと思っていたので、ここで戻せたのは良かったですね。
―― その後、ボギーも挟みましたが前半2つのパー5でどちらもバーディーでした
川満:バーディーだった9番ホール、実はピンチだったんです。セカンドでミスしちゃって、サードショットは隣のホールからでした。ピンが見えなかったので方向と距離感だけを頼りに、ラフだからフライヤーも気にしながら、木を越す高さも出して…。そう思いながら打って、グリーンまで行ってみたらワンピンに寄ってるボールが…これ私の?みたいな感じでした(笑)このショットはラッキーでしたね。
――それを沈めてピンチからのバーディー。追いかけてくるフォン選手もバーディーでした
川満:私はセカンドを打った時点でボギーも十分あり得る状態で、ここで一気に差を詰められるところだったんですが、本当にラッキーだったと思います。
――フォン選手とマッチレースの状態が続き、3打差をもってバックナインに入りました。先にスコアが動いたのはフォン選手でしたね
川満:11番(パー4)はお互いにパーオンして私が2m、フォン選手が10mくらいのバーディーパットだったんです。先に打ったフォンさんは長いのを見事に沈めて、私は短いのを外してしまって…。ここは私が取らないといけないホールだったんですが。
――でも、直後の12番ホール(パー3)はフォン選手がパーのところ、川満選手がバーディー。取り返した形になりました。
川満:ここはティショットがカギでした。やっぱり前のホールでいい流れを作れなかったんで、この12番のパー3ホールでは、しっかりとバーディ圏内にティショットを打ちたいなと。自分のショットに集中すると同時にこの気持ちが上手くかみ合ってくれて、それで思い通りのショットにつながったと思います。
――この後、バックナインも後半に入ったところで14番(パー3)はボギー、そして次の15番(パー5)でバーディー。終盤での見事なバウンスバックでしたね。
川満:14番は私がオナーだったんですが、風が読めなくって…ここはティショットをしっかりと乗せるべきホールなんですが、グリーンをとらえられませんでした。このあたりになると、マイペースとは思っていても、相手のプレーも気になってくる。フォン選手はいいところにつけていたんですが惜しくもパー。私はピンチでボギーだったけど、ここは助かりました。その次のホールでは逆にフォン選手がピンチで、長めのパーパットを残していたんです。私はサードで乗っていたので、先にフォンさんがパーパットを打ったんですが、それを見事に沈めて、ナイスパーでした!そのプレーを見て、私もがんばろうと思って。フォンさんと同じように、ガッツで決めました!
――最終日、15番を終わって2位に3打差。優勝をかなり意識する場面になってきたと思います。この時点で、優勝に向けてどんなゴルフを心掛けましたか?
川満:私はどんな試合でも、上がり3ホールをしっかりと締めたい、と思ってプレーしているんです。データ的に見ても、私は上がり3ホールのスコアが悪くって…。だから、日頃から上がり3ホールを意識してプレーしているんです。
――今回の上がり3ホールも同じ気持ちで?
川満:そうです。今回も同じ気持ちでした。前の日からしっかりとそのことは意識していました。でも、17番でボギーを打っちゃったんですけどね(笑)
――その17番(パー4)はトラブルに見舞われましたが
川満:このホールはティショットを右に打ってはいけないホールなんですけど、右に打ってしまって…木の根っこにボールが止まってしまったんです。しかも状況的に左前に低く出すしかなくて、結局うまく打てなくって10ヤードくらいしか進みませんでした。次のサードショットで当然グリーンを捉えたかったんですが、ライが悪かったのでクラブ選択が難しくて、うまく打てたんですけど手前のグリーンエッジで止まってしまって。
――それは苦しい展開ですね
川満:フォン選手がセカンドで、見事にバーディーチャンスにつけていましたので、絶対にダブルボギーだけは打ちたくないと、強く思いましたね。
――仮にフォン選手がバーディーで川満選手がダボだったら、3打差が一気になくなって並んでしまうという状況ですね
川満:ボギーでおさめるためにも、25ヤードのアプローチはなにがなんでも寄せたいと思って、気合を入れて打ちました。結果はしっかりと寄せることができて、ボギーで切り抜けることが出来ました。
――フォン選手は結果がパーで、最終ホールを残して2打差。ラストはパー5です。
川満:このホールは重要だと思っていたので、18番のピンポジションは朝からチェックしていました。奥に向かって下りがきついところにカップが切ってあるので、これはショットで攻めるのは難しいなと思いました。だから難しいラインが残って苦しむかもしれないけど、苦しむことを嫌がらずに、苦しめばきっと集中力が切れないだろう、そんな気持ちで臨みましたね。結果はしっかり2パットで上がり、優勝することができました。
――改めておめでとうございます。次の勝利も期待しています。
川満:はい!ありがとうございます。
連戦でお疲れのところ、終始笑顔で応えてくれた川満選手。今後の活躍に注目だ!
終始、笑顔でインタビューに応えてくれた川満選手。今年のツアー開幕前に、
ゴルフ5所属プロ
が集まった合宿で撮影された動画で、彼女が考える理想の試合展開を語ってくれている。少し形が違えども、今回の試合運びはそれに近いものがあったと感じずにはいられない。川満陽香理は、今年の注目プロであることは間違いない。
<川満選手・ショット&アプローチ動画はこちら>
https://www.youtube.com/watch?v=6aodmZo0zUA
次回第2弾
は、この勝利の2日後に出場して見事トップ通過を果たした全米女子オープン予選会と、松山英樹と同じく師事する目澤秀憲コーチについて、そして使用ギアに関してのインタビューを予定しています。
> 第2弾はこちら
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