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golf2022.09.03

【ゴルフ5レディス2022レポート】ツアートレンドチェック!プロアマ出場選手の使用パターに注目してみた!

現在では、パターヘッドの種類は「ピン型」「ネオマレット型」に大きく二分されると言って良いでしょう。それくらい、この2タイプのモデルが各メーカーから発表され、数多くのゴルファーが使用しています。

今回、女子プロたちはどのモデルを使用しているのかを、9月1日(木)「ゴルフ5レディス」会場でプロアマ出場選手を中心にウォッチングしました。


■ピン型

ピンパターが世に出たのが1960年代のこと。それまではL字やT字(キャッシュイン)型だった時代に発表されたピンのヘッドは、「トウ・ヒール・バランス」という画期的な機能を搭載して話題を集めました。

ヘッドのトウとヒール部に重量を集中させた「周辺重量配分」設計により、スイートエリアが飛躍的に拡大。この理論は現代にも通じるもので、パターヘッドの基本設計として引き継がれています。

また、このタイプのヘッドは「ピン型」という名称で定着。メーカーを超えて、この名称が使われています(「ブレード型」と呼ぶこともあります)。

代表的な使用選手は、ピンとクラブ契約を結ぶ鈴木愛選手。この日は「ANSER」のミルドパターを使用していました。


鈴木愛選手が使用するのはPING「2021 PUTTER ANSER 2」


原英莉花選手が手にしているのもピン型です。また、西郷真央選手、吉田優利選手、安田祐香選手は、横幅が広い「ワイドブレード」の形状を選んで使用していました。


原英莉花選手のパターはオデッセイ「トゥーロン SAN DIEGO」


(写真左)西郷真央選手はピン型でもワイドブレードタイプ(写真右)吉田優利選手が使うのはオデッセイ「オーワークス」


安田祐香選手のワイドブレードはソールに「YUKA」の刻印入り


■ネオマレット型

「ネオ」がついているように、「マレット型」から派生したヘッドです。かつては「カマボコ型」とも呼ばれていたように、カマボコの断面のような半円型の形状をしています。

比較的大きなヘッド形状でミスヒットを減らすと人気を集めましたが、やがて複合素材を組み合わせることで一気に大型化。大慣性モーメントによりミスへの許容性が格段に向上したため、マレット型に代わってネオマレット型が2大ヘッドの一角を占めるまでの存在になりました。

小祝さくら選手、山下美夢有選手、勝みなみ選手、青木瀬令奈選手、菊地絵理香選手、三ヶ島かな選手、柏原明日架選手、山本景子選手、イ・ミニョン選手、イ・ナリ選手などが使用。安定したパッティングを生むパートナーとして、女子ツアーでの信頼は厚いようです。


(写真左)オデッセイ「ホワイトホット2ボール」と山下美夢有選手 (写真右)小祝さくら選手はオデッセイ「Ten」パターを使用


(写真左)勝みなみ選手もオデッセイ「オーワークス」を使用 (写真右)菊地絵理香選手はオデッセイ「2ボール イレブン」を使用している


(写真左)三ヶ島かな選手はオデッセイ「ホワイトホットRX#5」(写真右)柏原明日架選手も、菊池絵理香選手と同じくオデッセイ「2ボール イレブン」を使用


(写真左)イ・ナリ選手はネオマレットの#7で戦う(写真右)山本景子選手はテーラーメイド「スパイダーGT」を使用


さらにここ1~2年で、両巨頭を脅かす存在になりつつあるヘッドがあります。それがテーラーメイドの「トラス」シリーズです。

橋を作るときに用いられ、三角形をつなぎ合わせる建築構造「トラス」は、安定性が高いという特徴があります。テーラーメイドの「トラス」は、その構造と名称をパターに応用しました。ヘッドとシャフトを線(ネック)ではなく三角形の面でつなげることで、芯を外してミスヒットした時のヘッドのブレを抑え、安定した距離感と方向性を可能にしています。

トラスブームの火付け役となった稲見萌寧選手をはじめ、申ジエ選手、高橋彩華選手、渡邉彩香選手、穴井詩選手、川満陽香里選手などが愛用中。トラス旋風はこれからも吹き続けるのでしょうか。


(写真左)稲見萌寧選手の大活躍でトラスが一躍台頭した(写真右)渡邉彩香選手もトラスを愛用中


トラスの台頭を、パター界の王者・オデッセイが黙って見ているわけにはいきません。昨年発表した「ホワイトホットOG」は、フェースにインサートされた素材「ホワイトホット」が最大の特徴です。

ホワイトホットは、ボールのカバーと同じ素材が使われています。ボール素材なので当然、反発力は高く、インパクト時に生じる衝撃によるエネルギーロスも、同じ素材同士なので低く抑えることが出来ます。また、フィーリングもさらにソフトになりました。

2000年の登場時から今もなお高い人気を集める「ホワイトホット」が、20周年を記念して「ホワイトホットOG」として復刻。多数のモデルをラインアップし、ツアーでも使用者を拡大しています。

西村優菜選手、岩井千怜選手、大里桃子選手、山田成美選手などが、「2ボール」や「#7」など定評のヘッドモデルを続々と投入しています。


(写真右)岩井千怜選手が使用するのは「#1WCS」(写真右)西村優菜選手はホワイトホットOG#7を使用


■こだわり派のパターにも注目

2大巨頭やニューモデルの誘惑にも目を向けず、自分が信じたパターを使う選手たちもいます。

武尾咲希選手が使うのもピン型ですが、ただのパターではありません。10月に28歳の誕生日を迎える武尾咲希選手より前に生まれた、復刻モデルではなくオリジナルの「アンサー4」なのです。

アンサー4は、ヘッドはアンサー2と同じながら、ショートスランクネックを採用。重心がトウ側寄りになるため、フェースが返りにくくなっています。


“年上“の相棒、アンサー4を手にする武尾咲希選手


臼井麗香選手が手にするパターはオデッセイの「#5」。インサートがなく、ソリッドな打感が好みなのでしょうか。

先ほど触れたように、マレットブーム時代を牽引した名器。フェースバランスで直進性が高く、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ下ろすストロークに向いています。

大き過ぎるヘッドが苦手な方には、元祖のほうがフィーリングが合うかもしれませんね。


インサートのない無骨なヘッドと、可憐な臼井麗香選手とのコンビが面白い


そして最後が、金田久美子選手が使用するパター。三重県のメーカーが製造する「ゴルディロックス」です。

エンジニア出身の兄弟が、求められる最適な機能と性能をルールの中で最大限追及したというパターで、左右に加えて高さの“芯“にも注目。ボール半径と等しい丸みを持つヘッド上部のふくらみの効果により、パターのスイートスポットの高さとボールの赤道が一致し、ターゲットを正確に捉えます。


フェース中心部のふくらみのおかげで、ヘッドとボールの芯が一致する


他のクラブと違い、「アレがいいらしい」とウワサが立つと、多くの選手が試してみるのがパター。まさに「パット・イズ・マネー」の世界なんですね。
 


【YouTubeゴルフ5チャンネルで練習場中継をライブ配信(予定)】

9月4日(日)07:30~09:30  https://youtu.be/J_hkjcfHgCA


<アルペングループ創業50周年記念大会 ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント関連動画>

トーナメント関連動画はこちらをタップ(YouTubeが起動します)

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