最新モデル・キャロウェイ「パラダイム」ドライバーを試打データで解析!「パラダイム」の方向安定性は驚異的な結果に!
2月24日、キャロウェイの最新ドライバー「パラダイム」シリーズが発売された。「EPIC」「ローグ」「ビッグバーサ」といった同社の既存のブランドに属さない新ブランドで、ボディ部分を360度全周カーボンとした新構造に注目が集まっている。
ゴルフ5では発表直後から多数の試打クラブを取りそろえ、全国196店舗のフィッターたちによる実証試打を行ってきた。この膨大なデータを分析し、「パラダイム」シリーズ各モデルがどんな性能を秘めているのかを、昨年モデルの「ローグST」シリーズと比較しつつ分析した。
まずはスタンダードモデルの「パラダイム」を、「ローグST MAX」と比較してみる。
弾道特性としては、「パラダイム」は「ローグST MAX」よりも打ち出し角が0.5度ほど低めでバックスピン量も100rpmほど少なめという傾向が出ている。
表1:「パラダイム」vs「ローグST MAX」ヘッドスピード別 打ち出し角度の比較
※グラフ縦軸:打ち出し角度、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表2:「パラダイム」vs「ローグST MAX」ヘッドスピード別 バックスピン量の比較
※グラフ縦軸:バックスピン量、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
飛距離性能を見ると、ミート率は「ローグST MAX」同様に全体的に高く、ヘッドスピード(以下HS)40~43m/s前後では「ローグST MAX」を上回っている。この結果、HS1m/sあたりの飛距離は「ローグST MAX」を全体的に上回っており、とくにHS43m/s付近ではトータルで1~4ヤードのアップが見込める。
表3:「パラダイム」vs「ローグST MAX」ヘッドスピード別 ミート率の比較
※グラフ縦軸:ミート率、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表4:「パラダイム」vs「ローグST MAX」ヘッドスピード別 飛距離の比較
※グラフ縦軸:ヘッドスピード1m/sあたりの飛距離、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
一方で方向安定性は大きく向上。HS45m/s未満の領域では左右ブレが2ヤード未満と驚異的な数値となっており、この点が最大の進化ポイントと言ってよさそうだ。
こういった点を見ると、「パラダイム」も広いHS領域をカバーしており、HS45m/s以下の多くのゴルファーが扱え、高い安定性を発揮できるものの、飛距離面では「ローグST MAX」よりもややHSが速めのプレーヤーのほうが飛ばしやすいクラブと言えそうだ。
表5:「パラダイム」vs「ローグST MAX」ヘッドスピード別 つかまり具合の比較
※グラフ横軸:左右ブレの度合い(ヤード)、グラフ内数字:ヘッドスピード帯
次に“やさしい”モデルの「パラダイム X」を、「ローグST MAX D」と比較。
打ち出し角、バックスピン量、ミート率といったデータは、「ローグST MAX D」とほぼ同等の数値。左右ブレも左方向に集まっており、平均6.9ヤードと全領域で安定してつかまった球が打てる。このように弾道特性は「ローグST MAX D」と非常に近いなかで、HS1m/sあたりの飛距離は確実に向上。とくにHS41m/s以下の領域では顕著にアップしており、トータルで2~6ヤードの飛距離アップが見込める。
したがって「パラダイム X」は、「ローグST MAX D」とほぼ同じ弾道特性で、さらに飛ばせるクラブとして正統な進化をしたと言っていいだろう。
表6:「パラダイム X」vs「ローグST MAX D」ヘッドスピード別 打ち出し角度の比較
※グラフ縦軸:打ち出し角度、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表7:「パラダイム X」vs「ローグST MAX D」ヘッドスピード別 バックスピン量の比較
※グラフ縦軸:バックスピン量、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表8:「パラダイム X」vs「ローグST MAX D」ミート率の比較
※グラフ縦軸:ミート率、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表9:「パラダイム X」vs「ローグST MAX D」ヘッドスピード別 飛距離の比較
※グラフ縦軸:ヘッドスピード1m/sあたりの飛距離、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表10:「パラダイム X」vs「ローグST MAX D」ヘッドスピード別 つかまり具合の比較
※グラフ横軸:左右ブレの度合い(ヤード)、グラフ内数字:ヘッドスピード帯
軽量モデルの「パラダイム MAX FAST」は、同じく軽量モデルの「ローグST MAX FAST」と比較。
こちらは全体的に高打ち出しの弾道で、低HSほどミート率・HS1m/sあたりの飛距離ともに高くなるという傾向は「ローグST MAX FAST」と同様。その点では、HS40m/s未満のゴルファー向けモデルといえる。
飛距離面ではほぼ同等かHS領域によってはやや劣る部分もあるが、つかまり性能が大きくアップした点が「ローグST MAX FAST」よりも大きく進化したポイントと言えそうだ。とくにHS37~41m/sの領域では「ローグST MAX FAST」を大きく上回るつかまり性能を発揮しており、左10.1ヤードという驚異的な数値。これは「パラダイム X」と比べても約3.2ヤードつかまるので、やはりHS40m/s未満のスライサーや球が上がらない人にとっては大きな可能性を秘めたクラブと言えるだろう。
表11:「パラダイム MAX FAST」vs「ローグST MAX FAST」ヘッドスピード別 打ち出し角度の比較
※グラフ縦軸:打ち出し角度、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表12:「パラダイム MAX FAST」vs「ローグST MAX FAST」ヘッドスピード別 バックスピン量の比較
※グラフ縦軸:バックスピン量、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表13:「パラダイム MAX FAST」vs「ローグST MAX FAST」ヘッドスピード別 飛距離の比較
※グラフ縦軸:ヘッドスピード1m/sあたりの飛距離、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表14:「パラダイム MAX FAST」vs「ローグST MAX FAST」ヘッドスピード別 ミート率の比較
※グラフ縦軸:ミート率、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表15:「パラダイム MAX FAST」vs「ローグ ST MAX FAST」ヘッドスピード別 つかまり具合の比較
※グラフ横軸:左右ブレの度合い(ヤード)、グラフ内数字:ヘッドスピード帯
ハードヒッター向けの「パラダイム ◆◆◆」は、低スピンモデルの「ローグST MAX LS」と比較する。
総合的には決して球が上がりやすいクラブではなく、バックスピン量も少ないハードヒッター向けのモデルで、推奨HSは40m/s以上となるが、「ローグST MAX LS」と比較するとやや球が上がりやすく、スピン量もやや多めになっており、扱いやすさがアップしたと言えるだろう。とくにHS40m/s前後ではこれらの数値が高めなため、「ローグST MAX LS」が少し手ごわくて諦めたという層も、「パラダイム ◆◆◆」なら扱える可能性は高い。
表16:「パラダイム ◆◆◆」vs「ローグST MAX LS」ヘッドスピード別 打ち出し角度の比較
※グラフ縦軸:打ち出し角度、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表17:「パラダイム ◆◆◆」vs「ローグST MAX LS」ヘッドスピード別 バックスピン量の比較
※グラフ縦軸:バックスピン量、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
一方で、ミート率やHS1m/sあたりの飛距離は確実に進化。HS43m/s以上ではトータルで3ヤード近い飛距離アップが見込め、HS47m/s以上の領域ではさらに大きな飛距離性能を秘めている。
表18:「パラダイム ◆◆◆」vs「ローグST MAX LS」ヘッドスピード別 飛距離の比較
※グラフ縦軸:ヘッドスピード1m/sあたりの飛距離、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表19:「パラダイム ◆◆◆」vs「ローグST MAX LS」ヘッドスピード別 ミート率の比較
※グラフ縦軸:ミート率、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
つかまり性能は、HS43m/s未満の領域では「ローグST MAX LS」よりもさらにつかまらない傾向が出ているが、それ以上の領域では適度なつかまりがあり、パワーヒッターであればつかまりをコントロールして飛ばせるクラブと言えそうだ。
表20:「パラダイム ◆◆◆」vs「ローグST MAX LS」ヘッドスピード別 つかまり具合の比較
※グラフ横軸:左右ブレの度合い(ヤード)、グラフ内数字:ヘッドスピード帯
最後に「パラダイム」シリーズの3モデルを比較してみる。
球の上がりやすさや飛距離性能などを見ても、スタンダードモデルの「パラダイム」はHS41m/s以上のゴルファーに推奨。それ以下の人は「パラダイム X」か「パラダイムMAX FAST」がおすすめで、HSが遅いほど「パラダイムMAX FAST」にメリットがあるだろう。
「パラダイム」は方向安定性が非常に高く、球筋を選ばず真っすぐ飛ばせるが、低HSのゴルファーにおいては、「パラダイムMAX FAST」が驚異的なつかまりを備えており、スライサーには最適だがひっかけが出る人にはリスクが高い側面もあるため、左が怖い人は「パラダイム X」のほうがマッチしやすいだろう。
表21:「パラダイム」シリーズ3モデル内でのヘッドスピード別 打ち出し角度の比較
※グラフ縦軸:打ち出し角度、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表22:「パラダイム」シリーズ3モデル内でのヘッドスピード別 バックスピン量の比較
※グラフ縦軸:バックスピン量、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表21:「パラダイム」シリーズ3モデル内でのヘッドスピード別 飛距離の比較
※グラフ縦軸:ヘッドスピード1m/sあたりの飛距離、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表23:「パラダイム」シリーズ3モデル内でのヘッドスピード別 ミート率の比較
※グラフ縦軸:ミート率、グラフ横軸:ヘッドスピード帯
表24:「パラダイム」シリーズ3モデル内でのヘッドスピード別 つかまり具合の比較
※グラフ縦軸:左右ブレの度合い(ヤード)、グラフ内数字:ヘッドスピード帯
「パラダイム ◆◆◆」は完全に高HS向けで、HSが速い人ほど性能を発揮しやすいが、「ローグST MAX LS」よりは球が上がりやすいので、HS40m/s以上なら扱える可能性がある。
総合的には、HSが40m/s以上あれば「パラダイム」や「パラダイム ◆◆◆」から試打し、安定性を求めるなら「パラダイム」、低スピン性能やコントロール性を求めるなら「パラダイム ◆◆◆」をベースにモデル・スペックを選んでいくのがよさそうだ。
HS40m/s以下の人は「パラダイム X」か「パラダイムMAX FAST」がおすすめ。よりHSが遅めでつかまりを求める人ほど「パラダイムMAX FAST」がマッチする可能性が高まるだろう。
ゴルフ5では、これら全モデルの試打クラブを豊富なスペックで取り揃えているので、ぜひ実際に試打して最適の1本を見つけていただきたい。
<キャロウェイ パラダイムシリーズKDS動画はこちら>
<キャロウェイ パラダイムシリーズの詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/2023callaway_paradym_mens/
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