golf2023.05.22

イ・ナリ選手のクラブセッティング“打感と顔が大事”じっくり選んで使いこまれた14本

ゴルフ5の契約選手が、シーズン開幕前、沖縄・かねひで喜瀬CCに集まり行った沖縄合宿。そこでイ・ナリ選手にシーズンを戦うクラブセッティングを見せてもらい、その考え方について話を聞いた。

――クラブを選ぶ際に、重視しているポイントは何ですか？

イ・ナリ各番手ごとに大事なポイントはありますが、共通して言えるのは打感と見た目です。やわらかい打感で重い打球音のするクラブが好き。顔はストレートが好きですね。
その点、いま使っているUTとFWはとくに気に入っています。

――UTはキャロウェイの「エピックフラッシュスター」、FWも同じキャロウェイ「エピックフラッシュ」ですね。

イ・ナリすごくバランスのいい顔で、UTとFWの5本が、全番手がきれいに真っすぐそろっているんです。
UTはとくに好きなクラブで、それぞれのキャリーの距離が、4U（20度）で165～175ヤード、5U（23度）で160～165ヤード、6U（26度）で150～155ヤードなので、150～175ヤードまでこの3本でカバーできています。私はそれほど飛ぶほうではないので、スコアメイクにすごく役立っています。

――アイアンは7番からで、6番アイアンも入れていないんですね。

イ・ナリ 6Uは、6番アイアンの3倍くらい高い球が出るイメージで、しかも寄りが合わせやすいのですごくラクなんです。6Uを使いこなせるようになって、とくに春や秋の気温が上がり切らずに芝の状態もそれほどよくない季節のストレスがなくなりました。

お気に入りはキャロウェイ「エピックフラッシュスター」の6U

――アイアンは7番からPWまでの4本で、ミズノ「JPX923フォージド」。ミズノの軟鉄鍛造モデルを選んだのは、やはり打感でしょうか？

イ・ナリはい。大きめのヘッドでやさしいんですが打感がいいんです。それに加えて、球の上がりやすさも大事ですね。構えた印象から球が上がりやすそうで、実際そのイメージどおりの球が出てくれます。アイアンにも球の高さを求めたいので、あまりロフトが立った飛ぶモデルよりも、このくらいがちょうどいいんです。

アイアンは7番からPWの4本。打感のいい軟鉄鍛造で、高い球を打てることが重要

――ウェッジはタイトリスト「ボーケイフォージド」こちらも鍛造モデルです。

イ・ナリやっぱり鋳造モデルの「SM」シリーズより少し打感がいい気がします。

――48度、54度、58度の3本。ロフトはどういう基準で選んでいるんですか？

イ・ナリ私はバンカーやアプローチでちゃんとスピンが入ってほしいので、いちばんロフトが多いモデルを58度にしています。これがだいたい70ヤードくらいまでなので、あとはその上の距離がうまく埋まるようにロフトを選びました。

54度が75～80ヤードまで、48度が95ヤードくらいまで、PWで105ヤードまでという感じ。私にとっては、このくらいが距離の計算がしやすいんです。

ウェッジはPWのほかに3本。まず58度を決め、そこから上のロフトを決めていくという

――ドライバーに戻りますが、テーラーメイドの「ステルスグローレプラス」。どんなクラブですか？

イ・ナリ高い球が打てて、球のつかまりもいい。昨年のシーズン中に変えたんですが、キャリーで５ヤード、トータルでは10ヤードくらい飛距離が伸びました。

ヘッドの飛距離性能もありますが、曲がらないし、弾道が高くなったので自信を持って振れるようになったことも大きいと思います。

ドライバーは「ステルスグローレプラス」（9.5度）に「スピーダーNX50（SR）」の組み合わせ

――パターはオデッセイ「トライホット5k TWO」が入っています。ピン型がお好きですか？

イ・ナリそうですね。基本的にはいつもピン型がエースです。この「トライホット5k」は、ピン型なのにミスヒットに強くていいですね。

でもシーズン中に手が必要以上に動いてしまう悪癖が出始めると、大きいタイプのブレード型にしてグリップも太くしたりしますし、もっと大きいネオマレットを使うときもたまにはあります。

エースパターは慣性モーメントの大きいピン型オデッセイ「トライホット5k TWO」

ドライバーとパターのほかに、FW2本、UT3本、アイアン4本、ウェッジ3本という現代的なセッティングのイ・ナリ選手。「いいなと思うクラブがあっても、試合で使うようになるまでに時間がかかる」というこだわりがあり、最新クラブは少ないが、非常に練り込まれたクラブ選びだ。アマチュアにも大いに参考になるだろう。