【ゴルフ5レディス2023レポート】激戦のシーソーゲームを制したのは19歳の櫻井心那選手
「ゴルフ5レディス」最終日。毎年混線・激戦となる「ゴルフ5レディス」ですが、今年は例年に増して熾烈な優勝争いとなりました。
2日目を終えた時点での順位は、鈴木愛選手が8アンダーで首位。櫻井心那選手が7アンダーで2位、小祝さくら選手が6アンダーで3位。この3人が最終日最終組で三つ巴の優勝争いを繰り広げます。
勝負は序盤から動きます。スタートホールで鈴木選手、小祝選手がバーディ発進すると、2番パー5では櫻井選手が2オンさせて、あわやイーグルのバーディ。
4番ホールでは小祝選手が2つめのバーディを奪って8アンダーとし、櫻井選手に並びます。
そして5番パー5、鈴木選手が3打目をグリーン奥に外しボギーとすると、櫻井選手が2打目をグリーンエッジまで運んでバーディを奪い、鈴木選手と入れ替わり、初めて単独首位に立ちました。
しかし鈴木選手が6番、8番とバーディを奪って10アンダーとし、再び単独トップに返り咲きます。
迎えた難関9番ホール。小祝選手はティーショットを左のバンカー、そこからの2打目を池に入れてしまい、痛恨のダブルボギー。櫻井選手も2打目をグリーン左奥のバンカーに外してボギーとしてしまいます。ここで鈴木選手はしっかりとパーをセーブし、これで鈴木選手10アンダー、櫻井選手8アンダー、櫻井選手6アンダーとなりました。
これで展開は鈴木選手有利に大きく傾いたかに見えましたが、そうすんなりいかないのがサンデーバックナイン。ここからまた流れが一変します。
初日、2日目とトップを守り続けた鈴木愛選手は前半2アンダーと安定したゴルフを見せた
前半を1アンダーで折り返した櫻井心那選手
ここまで安定していた鈴木選手のショットが乱れ出し、10番、11番で連続ボギーを叩きます。一方で小祝選手は10番、12番で、櫻井選手も12番でバーディを奪って、櫻井選手が9アンダーで首位に踊り出ます。
鈴木選手は14番でバーディを奪いますが続く15番をボギーとし勢いをつかめず、小祝選手は16番のバーディで初めて首位に並びます。
17番パー3は最終組の3人全員がパーでしたが、そのタイミングでここまで着々とスコアを伸ばしてきた山下美夢有選手が17、18番の連続バーディで一気に9アンダーの首位に並びます。
山下選手は4アンダーの7位タイからのスタートでしたが、ショートアイアンやウェッジが冴えわたり5バーディノーボギー。これは最終日のベストスコアでした。
最終日も落ち着いたプレーで首位を争う小祝さくら選手
山下美夢有選手は7位タイからスタート。最終日5アンダーをマークし首位争いに名乗りを上げた
最終18番のティーイングエリアでは、櫻井選手、小祝選手が9アンダー、鈴木選手8アンダーという状況。9番は難関ホールとはいえ、今日はピンが攻めやすい位置。9アンダーでクラブハウスリーダーとなっている山下選手のことを考えれば、全員がバーディがほしい展開でした。
ここで執念のバーディを奪ったのは、櫻井心那選手。
ティーショットを260ヤード近く飛ばし、2打目はなんと残り124ヤード。そこから46度のウェッジでピン左手前2mにつけ、見事バーディフィニッシュ。ただひとり、10アンダーとして今季3勝目を手にしました。
櫻井選手のウイニングパット。トータル10アンダーで見事優勝を果たした
櫻井選手は、18番ホールの飛距離も圧巻でしたが、2番、5番のパー5でも2オンやそれに近いショットでバーディを奪い、12番ホールでは、左ドッグレッグの424ヤードをショートカットして残り49ヤードのところまで飛ばすなど、とにかく飛距離が大きなアドバンテージとなりました。
3日間を通して飛距離が大きなアドバンテージとなっていた
三つ巴の戦いも「ワクワクした」と言い、「最終ホールのバーディパットで今日初めて緊張した」と言うほどの強心臓。19歳という若さゆえの強さでもありますが、ステップアップで5勝、レギュラーツアーでもこれで3勝目と、十分な経験と自信を持っていることも事実です。
「ゴルフ5レディス」の新たな女王は、日本女子ツアーの新たな女王になりそうな予兆を感じさせる戦いぶりでした。
今年も激戦となった「ゴルフ5レディス」は今一番勢いに乗る19歳のニューヒロインの優勝で幕を閉じた
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