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outdoor2023.09.04

登山で遭難を防ぐ方法は? 計画の立て方や道に迷った際の対処法をご紹介

アウトドアブームの影響で登山を楽しむ方が増えている一方、山での遭難事故も増加傾向にあります。遭難や怪我を防ぎ、登山を安全に楽しむためには、事前の確実な準備が欠かせません。また、道に迷った際の心構えを知っておくことも重要です。
ここでは、安全に登山を楽しむために必要な準備や注意点、山中で道に迷った際の対処法をご紹介します。

 

【目次】

■安全に登山を楽しむためのポイント

・登山計画を立てる

・装備を万全に整える

・慎重に行動する

・単独登山は避ける

■道に迷った際のポイント

・迷ったら引き返す

・尾根側に登る

・日没後は早めにビバークする

■山岳保険に加入するのも重要

■どんな山でも準備をしっかり行い遭難を未然に防ごう

 

■安全に登山を楽しむためのポイント

安全に登山を楽しむためのポイント

 

登山中の遭難事故は、誰にでも起こり得る可能性があります。初心者の方はもちろん、経験者の方も準備をしっかり行うことが重要です。
安全に登山を楽しむために、以下のポイントを覚えておきましょう。

 

・登山計画を立てる

遭難事故や怪我を防ぐためには、自分の体力や技術、経験を踏まえて、無理のない登山コースを選ぶのがポイントです。登山に行く前に、どのようなルートで何時間くらいかけて山歩きを行うのか、登山計画を立てましょう。
日が落ちると山道は真っ暗になり危険性が増します。休憩時間も加味して、明るいうちに下山できる計画を立ててください。

計画を立てたら、「登山計画書(登山届)」を作成し、最寄りの警察署や山を管轄する警察の地域課、山岳会などに届けるか、登山口にある登山届ポストに投函しましょう。家族や友人、職場の知人にも、登山の予定を伝えておく必要があります。
登山計画書は、遭難事故が発生した際に捜索の手掛かりとなるものです。提出が義務となっている山域もあるため、忘れずに用意しておきましょう。

また、「標高が低いから安心」と心理的に油断してしまう、登山道のわかりにくい場所が多いといった理由から、低山でも道迷いは発生しています。慣れている山に登る際も、登山計画書を提出しておくと安心です。

 

・装備を万全に整える

安全に登山を楽しむためには、装備を万全に整えることも重要です。季節や山の難易度、宿泊の有無によって必要な荷物は変わりますが、基本的に以下の装備は確実に用意しておきましょう。

【確実に必要な装備】
トレッキングシューズ(登山靴)、ザック、レインウェア、コンパス、地図、GPS機能搭載のスマートフォン、モバイルバッテリー、行動食、飲料水、ヘッドランプ、予備のアンダーウェア、健康保険証、常備薬、緊急時用の笛 など

【用意しておくと役立つもの】
トレッキングポール、ビニール袋、ツェルト(ビバーク用の簡易テント)、ライター、ロールペーパー、サングラス、タオル など

積雪期に雪山登山にチャレンジするという場合は、アイゼンやピッケル、防寒用のグローブなどが、落石が多い場所ならヘルメットの着用も必要です。

 

・慎重に行動する

道迷いや滑落による遭難を防ぐには、無理せず慎重に行動する必要があります。何度も登っている慣れた山だとしても、気を引き締めて行動しましょう。

また、気象条件やメンバーの体力、健康状態を見極め的確に判断する力も重要です。雨や霧で視界が悪くなったり、疲れや体調不良で思考が鈍ったりすると、道迷いや滑落を引き起こす可能性があります。
状況が悪くなったら早めに下山を開始する、不安がある場合は登山そのものを延期するなど、状況判断に努めることで、山での事故を防ぎやすくなります。

 

・単独登山は避ける

自分1人で山登りを楽しむ単独登山は、滑落や怪我などで動けなくなった場合、助けを呼ぶのが困難です。最悪の場合、命にかかわる深刻な状況に陥る可能性も考えられます。

警察庁の発表によると、2021年の遭難者数は3075人で、うち単独登山は遭難者1282人でした。
2人以上の複数登山は遭難者に対する死者・行方不明者の割合が6.1%なのに対し、単独登山では遭難者に対する死者・行方不明者が13.6%もの割合を占めています。このことからも、単独登山がいかに高リスクかわかります。※1

原則として単独登山は避け、グループで行動することを心がけてください。単独登山を行う場合は、山登りの経験を多く積んだうえで、万全の準備を整えることが重要です。

※1 出典: 警察庁生活安全局生活安全企画課「令和3年における山岳遭難の概況」より

 

■道に迷った際のポイント

道に迷った際のポイント

 

どれだけ入念に準備を行っていても、道迷いの可能性はゼロにできません。では、万が一道に迷ってしまった場合は、どう対処すれば良いのでしょうか。
道迷いの際に心がけたいポイントを3つご紹介します。

 

・迷ったら引き返す

登山中にルートがわからなくなったり、登山道から外れてしまったりしたら、まずは動くのを止めて落ち着きましょう。
闇雲に歩き回るのではなく、周囲の状況をよく確認してみてください。場合によっては、近くにマークがあり、正しいルートを発見できる可能性があります。

ルートを間違っていると判断でき、進んできた道もわかるのであれば、地図で確認できる場所まで引き返すことが大切です。「多分正しいはずだから、もう少し行ってみよう」と考え先に進んでしまうと、状況が悪化する可能性があります。
少しでもおかしいと感じたら、コンパスや地図、GPS機能などを活用して、元いた場所まで引き返すようにしましょう。

 

・尾根側に登る

万が一登山道がわからなくなってしまったら、安全なルートを探しながら尾根側に登るようにしましょう。上に登れば、周囲を見渡して現在地を把握したり、状況解決の糸口を見つけたりできる可能性が高まります。

一方で、迷った際に沢などに沿って山を下るのは厳禁です。崖や急流に道を阻まれて動けなくなったり、足を踏み外して滑落したりする危険性があります。

 

・日没後は早めにビバークする

遭難の状況が改善しない、怪我などのアクシデントで日没までに登山口や山小屋にたどり着けないと判断したら、日が暮れる前にビバークを決行します。闇雲に動き回るよりも、動かずに朝を待って体力を温存した方が良い場合もあるためです。
自力で下山するのが基本ではありますが、無理に下山を試みた結果、より大きな事故に繋がっては意味がありません。

周囲が暗くなる前に安全な場所を見つけたら、一晩過ごす準備を整えましょう。この時、ツェルトやエマージェンシーシートなどがあると、雨風から身を守れます。怪我でツェルトを設営するのが難しい場合も、シートで体を包んで冷えを避けることが重要です。
また、救助を待つのであれば、ヘリコプターに発見されやすいよう、開けた視界の良い場所を探すことも心がけましょう。

 

■山岳保険に加入するのも重要

遭難事故は自己責任です。遭難した際の救助・捜索費用はただではありません。例えば、民間のヘリコプターが出動した場合の費用は本人負担となり、その額は稼働1分につき1万円が相場ともいわれています。また、怪我を負った場合は入院費用などもかかるはずです。
登山を楽しみたい方は、万が一に備えて山岳保険に加入しておくことをおすすめします。補償内容は保険によって異なるので、自分の登山スタイルに適したものを選びましょう。

 

■どんな山でも準備をしっかり行い遭難を未然に防ごう

道迷いや滑落など、登山中の遭難事故を防ぐには、登山計画を立てたり必要な装備を用意したりといった、事前準備をしっかり済ませることが大切です。
ただし、経験や山の難易度に関わらず、遭難は誰でもどこでも起こり得るものです。万が一道に迷った際の対処方法も覚えておくことをおすすめします。
登山を安全に楽しみたいと考えている方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

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