【ゴルフ5レディス2023レポート】鬼才ピート・ダイ設計の難コースを選手がどう攻略するかに注目!
今年「ゴルフ5レディス」が行われるのは、北海道美唄市にある「ゴルフ5カントリー美唄コース」。大会は6472ヤード、パー72で行われますが、コース自体は27ホール、パー108あり、ピート・ダイ&ペリー・ダイの親子が設計をしました。
ピート・ダイ(ダイデザイン社)は、山梨県のメイプルポイントGCや、千葉県のPGMマリアゴルフリンクス、成田ヒルズCC、愛知県の中京GC石野コースなどを設計したことで知られており、戦略的で難易度の高いデザインが特徴です。
「ゴルフ5カントリー美唄コース」は、フラットで高低差の小さい地形ですが、ピート・ダイらしい設計が随所に見られるので、観戦する際も気にしてみてみると面白いのではないでしょうか。
ピート・ダイと言えば、プレーライン上にかかってくるように池を配し、レッドペナルティエリアの効いたコースを作るのが大きな特徴です。
「ゴルフ5カントリー美唄コース」も、試合で使うエリアだけでも5つの池があり、半分以上のホールが何らかの形で池に絡んできます。
とくにアウトコースの9番ホール、インコースの16~18番ホールなどは池が非常に効いており、アイランドグリーンのように「ピート・ダイらしさ」が強く表れているホールと言えるでしょう。
「ピート・ダイらしさ」が強く表れている17番のアイランドグリーン
池が絡むコース多い。風向きによってはプレッシャーになることもあるだろう
またピート・ダイは、池の縁やバンカーなどに線路の枕木を並べるデザインでも有名です。「ゴルフ5カントリー美唄コース」ではバンカーで使われている場所は多くありませんが、池の縁では枕木がよく目立つので、よく見てみてください。
池の縁には枕木が配されている
ピート・ダイのコースのもうひとつの大きな特徴は、コブを使ったアンジュレーションです。
フェアウェイにコブ状のマウンドを意図的に作って地面を波打たせます。コース脇のラフゾーンには高めのマウンドも多く配されているのも目立ちます。
「ゴルフ5カントリー美唄コース」ではこれらがとてもよく効いていて、地形はフラットながら、平らなライからショットを打てる場所が少なく、さまざまな傾斜のライから正確なショットを打つ技術が求められます。
地形はフラットだが、コース上の地面ではあらゆるところに波を打たせている
こういったアンジュレーションはグリーンも同様です。グリーン上に複数のマウンドが複雑に設置されていて、ポテトチップのようになっています。そのため漠然とグリーンに球を落とすだけでは攻略できないだけでなく、少しのミスでグリーンをこぼれることもめずらしくありません。
また強いアンジュレーションのせいで「絶対にアプローチが寄らない」場所もあるため、パーオンできなかった場合にも「どこに外すか」のリスクマネジメントが重要になります。
アンジュレーションが強くアプローチが寄らない場所もある
バンカーはアゴがあるところが多く、ショットを打つ地点からは視覚的に目立ち、圧迫感を与えます。しかし上手く目の錯覚を利用した配置・形状になっているため、実際にバンカー地点まで行ってみると、遠くから見たときほどには効いていなかったり、アゴもジャマになっていない場合も多く、いかに視覚的なプレッシャーに負けずにショットできるか、勇気が試されるデザインになっています。
花道の設定も同様で、バンカーやコブで花道が絞られているように見えても意外と逃げ道があったりするので、そういったギャップにも目を向けてみてください。
視覚的なプレッシャーにも対応できるのか見ものだ
女子プロvsピート・ダイ。今大会は、そういった視点を持って観戦してみるのも面白いのではないでしょうか。