ブレないピンがブレた? “安定”はもちろん、さらに“飛び“にシフトした「G440」シリーズ
ピンの2025年モデル「G440」シリーズが1月15日に発表された。
近年のピンのドライバー開発は方向安定性を重視し、「曲げずに飛ばせる」ことが大きなセールスポイントだった。しかしニューモデル「G440」は設計コンセプトを飛距離重視にシフトし、過去最高の飛距離性能を備えたドライバーになったという。
これは昨年発売された「G430MAX 10K」によって「慣性モーメント10,000g㎠超え」を達成したことで、方向安定性に関しては1つの完成形に達したというのが理由だろう。
『ピンの新モデル「G440」』
新しい「G440」の飛距離性能は、重心位置の最適化と、ピン史上最薄というフェースによって得られたもの。
とくに重心位置に関しては前作の「G430」シリーズよりも低重心化したことが大きなポイントだが、単にフェース面上の重心位置を下に下げただけでなく、低く、かつ深めの重心位置になっている点がカギだ。
というのも、ゴルフクラブにはロフトがあるため、ヘッドの奥にある三次元的な重心位置とそれが打点と影響するフェース面上の二次元的な重心位置にズレが生じる。簡単に言えば、高打ち出し・低スピンを求めて低重心化しようとするほど重心は浅くなりやすく、慣性モーメントや打ち出し角を求めて深重心化しようとするとフェース面上の重心は高くなりやすいというジレンマがあるのだ。
しかし今回ピンは、ヘッド内の重心位置をフェースセンターからヘッド後方に向けて引いた、最大初速を可能にする「理想の重心ライン」と呼ぶ線に限りなく近い、「深くて低い」位置に重心を持ってくることに成功したという。この「理想の重心ライン」の近くに重心を配置したことで、当たり負けせずにインパクトのエネルギーがもっとも効率よくボールに伝わり、飛距離アップに繋がるというわけだ。
これは「カーボンフライラップ」を補強していたチタンのブリッジ部を廃したり、ネックのアジャスタブルホーゼル内に空間を作るといった工夫により、ヘッドを大きく軽量化できたことが貢献しているという。
『新しくなった「カーボンフライラップ」によりクラウン部分が軽量化』
さらにフェース厚を、「G430」と比べると中心部で約4%、周辺部で約7%薄くしたことで、フェース重量を約7%軽量化できた点も大きく、これはフェースの反発性能を高めることにも寄与。とくにヒール側のCT域が大きく広がった。(数値はPING調べ)
こういった工夫によって「G440」は高い飛距離性能を獲得したが、これはただ飛距離だけを求めた進化ではない。ピンのクラブである以上、必要十分な慣性モーメントを確保して高次元での方向安定性は備えつつ、飛距離性能も大きく高めるということが至上命題。それを「理想の重心ライン」上に重心を近づけられたことによって実現したのが「G440」シリーズと言える。
『ピン史上最も薄いフォージドフェースを採用』
『ピンが考える理想の重心位置「理想の重心ライン」に近づいたことで“飛び”と“安定”の両立を実現した』
今回もドライバーは、スタンダードモデルとなる「MAX」と、つかまりがよく球が上がりやすい「SFT」、低スピンで操作性が高い「LST」の3モデルをラインアップ。2025年は「G430MAX 10K」も継続販売することで、「10K」モデルは残しつつ、他の部分を「G440」にアップデートした形だ。
『スタンダードモデルの「G440MAX」ドライバー』
『ドロー設計の「G440SFT」』
『ロースピンモデルの「G440LST」』
大きな変化としては、「MAX」のヘッド投影面積を小さくし、小ぶりなイメージにした点。名器と言われた「G410」とほぼ同じ投影面積・ヘッドシェイプとしながらも、「G410」よりも慣性モーメントも飛距離性能も高くなっている。やさしさを求めるゴルファーは「10K」や「SFT」に任せて、どちらかと言えば「やさしいLST」的な立ち位置にシフトしたと言えそうだ。
『操作性が向上し“やさしいLST”のような位置づけの「G440MAX」』
一方「SFT」は低重心化の効果でバックスピン量が減り、ボールが吹き上がりがちなスライサーがしっかり飛ばせるモデルとなった。新たにロフト9度のモデルも追加されたことで、パワーヒッターのスライサーや若い初心者層にも使いやすいドライバーとなっている。
「LST」は従来のモデル同様、アスリートや上級者向けのコンセプト。ヘッド体積は450ccと小さめで操作性が高く、向上した飛距離性能と相まって、叩いて飛ばせるドライバーだ。
『安心感のあるヘッド形状でやさしくつかまる「G440SFT」』
『PGAツアーでも大人気の“LST”モデル』
「G440」シリーズは、同時発売されるフェアウェイウッド(以下FW)も飛距離重視。
「G440」MAXとLSTは、前作よりも少しディープフェースになってティーショットでも構えやすくなっており、「G440LST」では、新たな素材を採用し、「G430LST」と比べてフェースが8%も薄くなり飛距離性能がアップした。
『スタンダードモデルの「G440MAX」FW』
『ドローバイアスの「G440SFT」FW』
『ロースピンモデルの「G440LST」FW』
また番手構成もさらに充実。「MAX」には4Wが追加されて、#3(15度)、#4(17度)、#5(19度)、#7(21度)、#9(24度)の5番手構成、「SFT」は#3(16度)、#5(19度)、#7(22度)の3番手構成、「LST」には5Wが追加され#3(15度)、#5(19度)の2番手構成となっている。
『「G440MAX」FWは#3~#9の5番手でラインアップ』
『「G440LST」には#5が追加された』
ロフト15度の3Wでは十分なキャリーを出しにくいアマチュアにとって、「MAX」に4Wが追加されたのは非常に大きい。5Wのロフト設定も他メーカーが18度が多いなか19度と大きめで、いずれもアマチュアにとってコースで使いやすいFWと言えるだろう。
「G440」シリーズのドライバー、フェアウェイウッドは2月6日発売予定だが、ゴルフ5各店舗では1月16日に試打クラブを投入予定。ピンの認定フィッターが在籍する192店舗には、「MAX」の4Wの試打クラブも入荷するという。
ぜひお近くの店舗にご来店のうえ試打し、その飛びを実感していただきたい。
※数値はPING調べ
<G440シリーズの詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/2025new_arrx3/?maker=ping
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