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other2020.08.05

僕が私が愛してやまないadidas│橋本塁(カメラマン)「モノトーンで先鋭的なデザインが、僕に革命をもたらした」

カメラマンとして、数々のアーティストのライブ撮影を手掛ける橋本塁。ライブと写真展を融合したイベント『SOUND SHOOTER』の主催や、ファッションブランド『STINGRAY』の展開など多岐に渡り活動するほか、日常的に走ることを楽しむランナーでもある。そんな彼は、SNSなどでも公言するほどの“アディダス好き”であり、日ごろ愛用するシューズはもっぱら「ブーストシリーズ」だという。カメラマン、ファッションプロデューサー、ランナー。それぞれの視点を持つ彼に、アディダスを愛する理由や、心をつかんで離さない魅力について聞いた。


■モノトーンのランニングシューズに衝撃を受けた


彼がランニングをするようになったのは2014年ごろ。過酷な夏フェスでの撮影に向けて、ダイエットと体力づくりを目的に走り始めたのがきっかけだった。
しっくりとくる一足を求めて、さまざまなシューズを試すうちに出会ったのが「ウルトラブースト」。ブーストフォームのクッション性や履き心地の良さもさることながら、当時のランニングシューズとしては異質でもあったモノトーンのデザインが、彼の心をぐっと引き込んだ。

「以前はランニングシューズといえばカラフルなイメージだったので、モノトーンで先鋭的なデザインが純粋にかっこよくて目に入りました。最初は、これはあえてハイテクなデザインのモード系シューズなのかな? なんて思ったほど。未来を感じたことを覚えています。特に、ソールまで真っ黒のカラーブーストが出たときは衝撃的で。こんなにかっこいいランニングシューズがあるのかって、ひっくり返りましたね。これなら、普段履きにも使えるなって」



橋本は、大学卒業後アパレル会社でジーンズのパタンナーを務め、趣味で撮ったインスタントカメラでのライブ写真をきっかけに突如カメラマンへと転身した、異色の経歴の持ち主。2010年にはアパレルブランド『STINGRAY』を立ち上げるなど、身につけるものに対するこだわりは持ち続けてきた。好みのテイストは、モノトーン。ロック好きで、普段から黒を基調としたアイテムを身につけることが多く、ライブ撮影ではカメラマンとして黒衣に徹する──そんな彼のライフスタイルに、シックな色味のランニングシューズは驚くほどに溶け込んだ。

「それからは、撮影時もかならずブーストシリーズを履くようになりました。昔は、ライブやフェスの撮影で地方へ行くとき、撮影用と普段履き、それと遠征先で走るためのランニングシューズの三足を持っていっていたんです。今は、ブースト一足あれば撮影時に動きやすく、夜はそのまま飲みに行けて、翌朝ランニングもできる。これは、僕にとってかなりの革命でした」

ブーストによる“革命”を機にブランドとしてのアディダスそのものにも惹かれていった橋本は、シューズに限らずさまざまなアイテムを身につけるようになっていく。

「デザイン性が高いけれど、ちょっと無骨で機能的なイメージもある、ドイツのブランドらしいところにもなんだか惹かれて。僕がよく着るのはパフォーマンスラインで、ロゴが都会的で好きなんですよね。普段着でも、全身モードっぽい服装にパフォーマンスラインのアイテムを合わせたりします。最近は写真展や自分のブランドのポップアップで地方を回ったりするので、仕事の合間にダッシュで古着屋をめぐって、90年代〜00年代のアディダスを探すのもひとつの楽しみです」


橋本の首にはアディダスを象徴するスリーストライプスのタトゥーが入っている


■街を感じられる、ストリートランニングが好き


日常にアディダスが溶け込んでいくのと時を同じくして、走ることもよりいっそう大切な日課のひとつになっていった。よく走る時期には、1日10kmほどを3ヶ月間毎日走り続けることもあるという。

「僕は大会を目指しているわけでもないし、誰かと走るのもあんまり好きじゃない。じゃあなんで自分はランニングするかっていうと、街を感じられるのが面白いから。撮影に使えそうなロケーションを探したり、街のショーウィンドウをなんとなく眺めながら情報収集したり。最近は写真展で訪れた先で、知らない道を走るのがいちばん楽しい。ただ汗をかいて気持ちいいというよりも、新しい発見があることが刺激になるんですよね。展示のことやブランドの展開など、仕事の企画の大半は朝走っているときに思いつくことが多くて。ランニングのことを、“企画会議”と呼んでいるほどなんです」



「そんなふうに考えごとをしながら街を縫うように走るので、アスファルトや坂、階段でも安心できるクッション性と、くねくねと道を曲がれる機敏性のあるシューズが好きですね。最近は、ブーストのなかでも少し固めで横の動きにも強いパルスブーストHDがお気に入り。ちょっと身体が重いときだったり、二日酔いでふらふらしているときは、よりクッション性の高いウルトラブーストを選びます」


■身につけることが、好きを伝える手段になる


橋本の写真展では、自身が撮影してきたライブ写真のほかに、彼が愛してやまないものたちも展示されるのが恒例だ。好きなアーティストのCD、マイブームとなっているサウナのタオル、『STINGRAY』イチオシのアイテムなど。そのなかには、私物のシューズなどを飾った“アディダスコーナー”が設けられている。


2020年に開催されたSOUND SHOOTER PHOTO EXHIBITION vol.15で実際に展示されたアディダスアイテムたち

「昔から、自分が好きなものは人に勧めたいタイプなんですよね。学生時代は、好きなバンドの曲をカセットテープに入れて友達に渡したりしていました。自分の“好き”を日ごろからアピールしていると、コミュニケーションのきっかけになったりもするから面白い。実際に写真展に来てくれた人から『自分も走るようになりました』『ブースト買いました』と言ってもらえることもあります」

自分の好きなものを共有し、広がっていくことのよろこびを知っている彼にとって、アディダスのアイテムを積極的に身につけることもまた、一種の表明なのだという。

「アディダスって、特にパフォーマンスラインではスポーツブランドとしての理念を表明するためにロゴがドーンとプリントされているものも多いですよね。今はハイブランドでもそういったデザインが増えてきています。僕は、それを着て気分が上がるということも、服を着ることのひとつの醍醐味だと思うんです。アディダスを身につけるのも、バンドTシャツを着るのも、“好き”を表す一種の手段になりうるから。ぱっと見でパーソナルがわかる格好や動きをしていると、自然と共通言語が生まれることもある。ブランドマークの強さみたいなものはアディダスから学びましたし、その影響から僕は『STINGRAY』でもひと目見てわかるようにドットを配置しているんです。これからも、僕はアディダスを身に着けていく。それを見た人たちが、少しでも『よさそう』と思ってくれたら、純粋にうれしいですね」


■プロフィール


橋本塁
1976年北海道伊達市生まれ。大学卒業後、24歳のときにジーンズのパタンナーから突如カメラマンに転身。雑誌「ollie」の社員カメラマンを経て2005年にフリーランスに。androp、ストレイテナー、ONE OK ROCK、THE BAWDIES、9mm Parabellum Bullet、LUNASEA、ELLEGARDEN、ReNなどさまざまなアーティストのオフィシャルライブ撮影やアー写撮影を担当。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」ではメインステージのオフィシャルカメラマンを務めている。2006年より、写真展&ライブイベント「SOUND SHOOTER」を開催。2010年に水玉をコンセプトとしたアパレルブランド「STINGRAY」を立ち上げた。

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