いざ、頂点へ!Bリーグチャンピオンシップ出場8チームの選手が熱い思いを語る!
2022-2023シーズンのBリーグが、いよいよクライマックスを迎える。レギュラーシーズンが終了した5月8日、『日本生命 Bリーグチャンピオンシップ2022-23』進出会見が開かれ、出場8チームの選手1名ずつが一度に会した。
最初に島田慎二チェアマンが挨拶をした。
「(新型コロナウイルスの感染対策の緩和により)大声援がようやく聞かれるようになって、盛り上がってきているなと思います」と話し、チャンピオンシップ(CS)のテーマ『共に、こえろ』について触れた。
「みなさん一人ひとりの声をひとつにして、頂点を目ざしていく。それと、選手のみなさんが己をこえる、というところを掛けています」
CSはレギュラーシーズンの上位8チームによる2戦先勝方式のトーナメントで実施される。準々決勝は5月12日~15日、準決勝は19日~23日で、いずれもレギュラーシーズンの上位クラブのホームアリーナが会場となる。ファイナルは中立地の横浜アリーナを舞台として、27日から30日にかけて行なわれる。
準々決勝の対戦カードは以下のとおりだ。
千葉ジェッツ(自地区1位/3地区間1位、CS出場順位1位)対広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード下位、CS出場順位8位)
島根スサノオマジック(自地区2位/3地区間1位、CS出場順位4位)対アルバルク東京(自地区2位/3地区間2位、CS出場権5位)
川崎ブレイブサンダース(自地区1位/3地区間3位、CS出場順位3位)対横浜ビー・コルセアーズ(自地区2位/3地区間3位、CS出場順位6位)
琉球ゴールデンキングス(自地区1位/3地区間2位、CS出場順位2位)対名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(ワイルドカード上位、CS出場順位7位)
左から富樫勇樹選手(千葉)、辻直人選手(広島)
千葉Jは東地区1位で、B1新記録となるレギュラーシーズン53勝の偉業を成し遂げた。3月には天皇杯決勝で琉球を退け、天皇杯と地区優勝を飾っている。2年ぶり2度目のCS制覇となれば3冠達成だ。
会見に出席したPG富樫勇樹も、もちろん頂点を意識している。
「今シーズンは監督が変わったなかで、リーグ記録となる53勝をレギュラーシーズンであげることができ、CSへ向けてチームとしてすごくいい準備ができています。Bリーグ史上初の3冠を目ざしてやっていますので、(CSの残り)あと6勝。チームとして何としても6勝をつかみ取って、優勝したいと思います」
日本代表でも活躍してきた29歳は、「個人的にもコンディションはいいです」と、落ち着いた表情で話す。昨シーズンはレギュラーシーズンで東地区優勝を果たしながら、CSでは準々決勝で敗退した。いまも身体に残る悔しさも、富樫を含めた千葉Jのモチベーションとなっているだろう。「初戦から油断なく戦っていきたい」と、気持ちを引き締める。
対する広島は、西地区4位でのCS初出場だ。SG辻直人は、「広島にとって初めてのCS出場ということで、新しい歴史を作ることができました。ですが、自分たちの目標はあくまでもCS優勝です。初戦は強豪が待ち構えていますが、それにむけて今週いい準備をして、しっかり戦いたい」と、勝利への意欲を口にした。
一般的には広島が千葉に挑む構図になるが、22年11月19日の対戦では、アウェイの地で広島が勝利している。辻は「当時とはお互いに変わっています」とし、「自分たちは怖いもの知らずで最初から全力で戦える。レギュラーシーズンの最終戦に勝利して、いい形で締めくくれたので、チームの雰囲気も明るくなりました。強豪相手ですけれどCSは勢いも大事だと思うので、そういった意味ではいい形で臨めると思います」と、チャレンジャーのメンタリティで挑むことを強調した。
左から安藤周人選手(A東京)、安藤誓哉選手(島根)
A東京は、千葉に次ぐ東地区2位でフィニッシュした。CSでは17-18、18-19シーズンに優勝を飾っており、3度目のチャンピオンを目ざす。会見に出席したSGの安藤周人は、「今シーズンはなかなか全員が揃うことがなく、厳しいシーズンになりました」と振り返った。続けて、「そのなかでも、一人ひとりが言い訳をせずに戦い抜けたかなと思います。CSの準々決勝は去年と同じ対戦カードで、去年は悔しい思いをしたので、しっかりリベンジできるように頑張りたいです」と話した。
安藤が触れたように、両チームは昨シーズンのCSに続いての激突となる。当時は島根が先勝し、A東京が2戦目を取り、島根が第3戦に勝利して準決勝へ勝ち上がった。
西地区2位でのCS出場となる島根だが、48勝12敗は地区優勝の琉球とまったく同じだ(直接対決の得失点差で2位)。それだけに、PG安藤誓哉はこう話す。
「昨年度から新体制になって、2年目の良さが出せたシーズンだったんじゃないかなと思います。CS優勝を目ざして頑張っていきたいと思います」
成績上位の島根は、ホームアリーナで戦うことができる。2シーズン連続で、島根がA東京を退けるのか。それとも、A東京がリベンジを果たすのか。このカードも注目だ。
左から藤井祐眞選手(川崎)、森井健太選手(横浜)
川崎対横浜は、好対照なチームの激突だ。川崎はCSの常連で、ファイナルを戦った経験もある。一方の横浜は、初のCS進出だ。
両チームは中地区に属しており、川崎は40勝20敗で1位となり、横浜は33勝27敗で2位となった。今シーズンの直接対決は川崎の3勝1敗で、通算でも32勝2敗と大きくリードする。
川崎のPG/SG藤井祐眞は、「今シーズンはケガ人が多くて苦労しましたが、中地区で優勝してCSをホームで迎えられます。まずは準々決勝でホームのアドバンテージを生かして、しっかり勝っていきたい。優勝を目ざして頑張っていきたいです」と話す。
対する横浜のPG森井健太は、「横浜ビー・コルセアーズはCS進出という目標を掲げて、ケガ人も多くいるなかで新しい歴史を作ったと思います」と、レギュラーシーズンのチームの戦いぶりを評価した。直近の対戦ではわずか2点差で敗れているだけに、チームを率いる主将は「CSではチャレンジャーとして、神奈川ダービーでしっかり勝てるように頑張っていきたいです」と言葉に力を込めた。
左から須田侑太郎選手(名古屋D)、今村佳太選手(琉球)
4つ目のカードは西地区同士の対決だ。地区6連覇の琉球に、同3位の名古屋Dが挑む。レギュラーシーズンの成績は琉球が48勝12敗で、名古屋Dが43勝17敗だった。直接対決は琉球が3勝1敗と勝ち越している。
名古屋Dにとっては因縁のカードと言っていいかもしれない。17-18、18-19シーズンのCS準々決勝で対戦し、いずれも琉球に敗れているのだ。
SG/SF須田侑太郎は、「ドルフィンズとしては2度琉球に負けてCS敗退という過去もあるので、そこをしっかりと乗り越えられるように戦っていきたいです」と、CSでの3度目の対戦で雪辱を期す。チームの仕上がりにも、手応えを感じているようだ。
「ショーン・デニスHCの2年目ということで、なかなか逆境の多いシーズンでしたが、しっかりとチームでその逆境を乗り越えて、チーム力が上がっていると思う。いま最高な状態に仕上がっています」
琉球のSG/SF今村佳太も、「レギュラーシーズン中はホントに厳しい戦いが続きました」と振り返るが、「大きな離脱者が出ることなく、みんなが健康な状態でCSに臨める。そこは非常に良かったかなと思います」と、チームが万全の状態にあることをポジティブな材料とした。そのうえで、初のファイナル進出で準優勝に終わった昨シーズンに触れた。
「前回のファイナルで非常に悔しい思いをしたので、そこに対する思いはどのチームよりもあると思っています。その気持ちを準々決勝から全面に出して、戦っていこうと思います」
出場する8チームすべてが、譲れないものを胸に秘めている。
頂点に立つのは、どのチームなのか。
今シーズンを締めくくるファイナルバトルが、5月12日に幕を開ける。
RECOMMENDED POSTS
この記事を見た方におすすめの記事