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other2023.10.04

IT‘S OUR TURN!Bリーグ開幕が迫る!!

次はオレたちが盛り上げる──。

2023―24シーズンのBリーグ開幕が10月5日に迫り、9月25日にティップオフカンファレンスが開催された。

最初に島田慎二チェアマンがマイクを握った。

「いよいよ8シーズン目のBリーグが開幕します。今年の夏、男子日本代表がW杯で3勝して、24年のパリ五輪の切符をつかむことができました。男子日本代表の活躍により、日本中でバスケ熱が高まっていると思います。この熱を絶やすことなく、Bリーグ開幕へつなげていきたいと考えています」

続いて、23―24シーズンのテーマが発表された。

それが『IT‘S OUR TURN!』である。

島田チェアマンは「これしかない、という感じです。男子日本代表がここまで大活躍していただいて、これからBリーグが開幕しますので、『次は我々の番だ!』という意味を込めました。代表選手にヒケを取らない素晴らしい選手が、Bリーグにはたくさんいます。そんな選手にも注目してほしいと思います」

ここからは選手たちの登場だ。B1全24チームから、選手ひとりが代表して登壇した。バスケットボールに詳しいタレントの副島淳さん、Bリーグ開幕以前から選手として活躍してきた川村卓也さんがMCとなり、開幕カードごとに各チームの特徴を聞き出していく。選手たちは自クラブの注目ポイントを、フリップで用意した。

今シーズンは10月5日から9日にかけて第1節が行なわれるが、“先出し開幕”として5日に1試合が組まれている。新シーズンの第一歩目を記すのは、琉球ゴールデンキングスと佐賀バルーナーズだ。昨シーズンのB1覇者とB2覇者が、今年5月にこけら落としされたSAGAアリーナで激突する。


佐賀バルーナーズ対琉球ゴールデンキングス(10月5日、SAGAアリーナ)

抱負を語る角田太輝選手(左、佐賀)と牧隼利選手(琉球)


琉球の牧隼利選手は、静かに闘志を燃やす。B1王者として臨む今シーズンは、「ボールムーブ」を合言葉に人とボールが動く琉球らしいプレーを体現し、連覇へ向かっていく。

「バスケットへの注目が高まっているなかで、Bリーグの先出し開幕をやらせてもらえるのはすごく光栄です。SAGAアリーナという素晴らしい施設でバスケットができるのを、すごく楽しみにしています。チームとしてはまた一から積み上げて、優勝をつかみとりたいです」

初のB1挑戦となる佐賀の角田太輝選手は、チームの特徴として「連動性」をあげる。「流れるようなプレーを見てほしいです」と話し、開幕カードへの意欲を表わした。

「Bリーグの先出し開幕を戦わせていただくということで、先日のW杯で男子日本代表のみなさんがバスケットボール界を盛り上げてくださったので、その勢いをもっともっと引き出せるように。琉球さんとともに盛り上げていきます。頑張ります」

B1の盟主に昇格クラブが挑む注目の一戦が、今シーズンのBリーグを加速させる。


長崎ヴェルカ対千葉ジェッツ(10月8日、長崎県立総合体育館)

左から狩俣昌也選手(長崎)、富樫勇樹選手(千葉J)


昨シーズンのB1でレギュラーシーズン新記録の53勝を記録した千葉Jは、チャンピオンシップファイナルで琉球に敗れた。2度目のB1制覇へ向かうチームの先頭に立つのは、日本代表の一員としてW杯でも活躍した富樫勇樹選手だ。

チームの注目ポイントを「RUN」の3文字に込めた。「身長が小さいチームになるので、しっかり全員で走って、それをカバーしていけたらという思いです」と説明する。

さらに、「選手が数人入れ替わり、去年以上にチャレンジのシーズンになるかなと思っています。1試合1試合成長していきたい」と、落ち着いた口調で話す。日本を代表するポイントガードは、頂点だけを見据えてコートに立つのだろう。

その千葉Jに挑むのは、B2から昇格した長崎だ。昨シーズンのB2レギュラーシーズンで3ポイント王に輝いた狩俣昌也選手は、クラブが掲げる理念を改めて強調した。

「長崎ヴェルカができてから、チームのバスケットやヴェルカらしさを表現する言葉として、HARD、AGGRESSIVE、SPEEDY、INNOVATIVE、TOGETHERという言葉を掲げて、その頭文字を取った『HAS  IT!』を理念としています。それをしっかり表現できた時に、自分たちらしさが出るんじゃないかと思っています」

千葉Jはチャンピオンシップで、長崎はB2プレーオフ決勝で、勝利を逃した。昨シーズンの悔しさを開幕節にぶつけ、勝利をつかむのはどちらか。今カンファレンス後に長崎入りが発表されたW杯男子日本代表の馬場雄太にも注目が集まる。


京都ハンナリーズ対横浜ビー・コルセアーズ(10月7日、京都市体育館)

先のW杯でも活躍した河村勇輝選手(横浜BC)


昨シーズンのB1でクラブ初となるチャンピオンシップへ進出し、ベスト4入りした横浜ビー・コルセアーズからは、W杯で観衆を沸かせた河村勇輝選手が登場した。背番号5を着ける22歳の司令塔は、チームの注目ポイントに「粘り強さ」をあげた。

「1試合を通した粘り強いディフェンスと、劣勢の時間帯がきても一人ひとりが自分の役割を遂行して、粘り強い戦いをしていければと思っています」

昨シーズンはチャンピオンシップだけでなく、天皇杯でもベスト4に食い込んだ。河村選手は「昨シーズン以上の結果」を目標に掲げ、「ベスト4以上だと優勝しかないので、しっかり目ざしていきたい」と力強く語った。

所属する横浜BCはもちろん、Bリーグ全体を牽引する存在だ。W杯をきっかけとした盛り上がりを持続させていくためにも、河村選手に寄せられる期待は大きい。

「今回のW杯で、たくさんの方にバスケットボールというスポーツを見てもらえたと思います。Bリーグの魅力とバスケットボールの魅力を、プレーで表現できたらと思います」

横浜BCと対戦するのは、京都ハンナリーズだ。富山グラウジーズ在籍時の19―20シーズンに新人賞を獲得した前田悟選手は、チームの注目ポイントに「若さとエナジー」をあげた。

「大幅に編成が変わって、リーグのなかでもすごく若いメンバーだと思います。若さを生かして、エナジーを持ってプレーしたいと思います」

昨シーズンはレギュラーシーズンに2度対戦し、1勝1敗の成績だった。いずれもクロスゲームだった。通算でも6勝6敗の五分である。両チームの今シーズンを占う意味でも、多くの視線が集まるカードとなりそうだ。


名古屋ダイヤモンドドルフィンズ対サンロッカーズ渋谷(10月7日、ドルフィンズアリーナ)

左から須田侑太郎選手(名古屋D)、ベンドラメ礼生(SR渋谷)


昨シーズン中地区4位のSR渋谷は、オフの移籍市場で話題をさらった。国内外で豊富な経験を持ち、アルバルク東京を2度のチャンピオンへ導いたルカ・パヴィチェビッチがヘッドコーチに就任したのだ。また、先のW杯で活躍した帰化選手のジョシュ・ホーキンソン選手、東京五輪男子日本代表の田中大貴選手ら6人の新加入選手が加わっている。SR渋谷ひと筋で在籍9年目となるベンドラメ礼生選手は、注目ポイントを「ロスター」とした。

「メンバーを見てもらえれば分かりますが、ジョシュ・ホーキンソン選手がいて、ジェームズ・マイケル・マカドゥー選手がいて、その控えでライアン・ケリー選手が出てきて。田中大貴選手がいて、その控えにアキ・チェンバース選手が出てくる、と。ロスターの名前の並びが強いと、自分でも思います」

対する名古屋Dの須田侑太郎選手は、「グレードアップ」を注目ポイントにあげる。ショーン・デニス監督のもとで2シーズン連続でチャンピオンシップ進出を果たしてきたチームに、日本屈指の3ポイントシューターも手ごたえをつかんでいるようだ。

「いまのチームの体制が3シーズン目ということで、過去2シーズンと変わらぬ選手がいれば、新加入選手も加わって、これまでとは違った、もっとアグレッシブにディフェンスで攻めて、そこから速い展開のバスケットをする。過去2シーズンよりもグレードアップしているのかなと思います」

昨シーズンのレギュラーシーズンでは2度対戦し、いずれも名古屋Dが勝利している。通算成ではSR渋谷が8勝6敗でリードする。大型補強でパワーアップしたSR渋谷を、グレードアップした名古屋がホームアリーナに迎え撃つ構図は興味深い。


宇都宮ブレックス対群馬クレインサンダーズ(10月7日、日環アリーナ栃木メインアリーナ)

42歳のレジェンド・田臥勇太(左、宇都宮)は、「熱量」の重要性をあげた


チャンピオンシップを2度制している宇都宮ブレックスは、全体9位でチャンピオンシップ出場を逃した昨シーズンからの捲土重来を期す。日本バスケ界のレジェンド・42歳の田臥勇太は、「どのチームも強いので、チャレンジャーの気持ちで全員で試合に挑みたい」と話す。そのうえで、今シーズンの注目ポイントに「熱量」をあげた。

「僕らプレーヤーはもちろんコーチングスタッフ、チームスタッフ、フロントスタッフ、みんなどんな時でも激しく熱く戦っていきたい。ファンのみなさんにも熱い熱量を持って、今シーズン一緒に戦ってもらいたいです」

W杯で活躍した比江島慎も擁する宇都宮と対峙するのは、同じ東地区の群馬クレインサンダーズだ。B1での3シーズン目を迎えるチームの注目ポイントを、加入1年目の辻直人が語る。

一致団結です。宇都宮の田臥さんがおっしゃったように、僕たちも一致団結して戦っていきます」

このカードの通算成績は、宇都宮の5勝3敗だ。昨シーズンは宇都宮が3勝1敗と勝ち越した。宇都宮が優勢を保つのか。群馬が巻き返すのか。10月7日のティップオフに注目だ。

その他の開幕カードは、以下のとおりとなっている。


レバンガ北海道対秋田ノーザンハピネッツ(10月7日、北海きたえーる)

仙台89ERS対アルバルク東京(10月7日、ゼビオアリーナ仙台)

川崎ブレイブサンダース対三遠ネオフェニックス(10月7日、川崎市とどろきアリーナ)

信州ブレイブウォリアーズ対茨城ロボッツ(10月7日、ホワイトリング)

ファイティングイーグルス名古屋対広島ドラゴンフライズ(10月7日、名古屋市枇杷島スポーツセンター)

大阪エヴェッサ対富山グラウジーズ(10月7日、おおきにアリーナ舞洲)

島根スサノオマジック対シーホース三河(10月7日、松江市総合体育館)


W杯の盛り上がりをBリーグへ持ち込み、さらに大きなうねりを起こして来夏のパリ五輪へつなげるために。全国各地のアリーナで、熱戦が繰り広げられていく。

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