王者の称号をつかむのは?Bリーグチャンピオンシップ出場8チームの選手が揃って「目標は優勝」との意欲を示す!!
激戦のシーズンが、いよいよ決定的な瞬間を迎えようとしている。バスケットボールBリーグの2023-24シーズンが最終節を終えた5月6日、『日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24』進出会見が行なわれ、出場する8クラブの選手が出席した。この日試合のあった名古屋ダイヤモンドドルフィンズの須田侑太郎選手は、オンラインでの参加となった。
5月10日に開幕するチャンピオンシップ(CS)は、クォーターファイナル、セミファイナル、ファイナルのいずれも2戦先勝の3回戦方式で争われる。10日から13日にかけてクォーターファイナルが、17日から21日にセミファイナルが組まれている。会場はCS出場順位の上位クラブのホームだ。
ファイナルは25日から28日で、会場は横浜アリーナとなっている。
対戦カードは以下のように決まった。
宇都宮ブレックス(東地区1位)対千葉ジェッツ(ワイルドカード2位)
アルバルク東京(東地区2位)対琉球ゴールデンキングス(西地区2位)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区1位)対シーホース三河(中地区2位)
三遠ネオフェニックス(中地区1位)対広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード1位)
宇都宮、千葉、A東京、琉球と、CS優勝経験を持つ4クラブが準決勝までにぶつかり合う。それに対してもう一方のブロックは、ファイナル進出経験のないチーム同士の対戦となった。
比江島慎選手(宇都宮ブレックス)
宇都宮は東地区で51勝9敗の成績を残し、CS出場順位1位で出場する。比江島慎選手は、2シーズンぶりのCS進出をこう評価した。
「昨シーズンはCSの舞台に立てなかったので、リベンジのシーズンになったんですけど、チーム全体で戦う意識をしっかり持って、成長を感じることができました。最終的には全体1位という目標も達成できたので、すごくいいシーズンを送れたかなと思います」
千葉Jとは2シーズン前のクォーターファイナルでも対戦している。当時は宇都宮がワイルドカードで出場し、頂点まで駆け上がった。
「2年前に優勝したときは逆の立場と言いますか、チャレンジャーの気持ちで向かっていくだけだった。今回は全体1位ですけど、去年はCSに行けなかったチームです。初心を忘れずにチャレンジャーの気持ちで相手にぶつかっていければ、優勝は見えてくる。第1戦が、入りがすごく大事だと経験しているので、そこも大事にしたいです」
金近廉選手(千葉ジェッツ)
対する千葉Jは、出場順位8位(ワイルドカード2位)での出場だ。Bリーグ東地区では宇都宮、A東京に次ぐ3位に終わったが、東アジアスーパーリーグ(EASL)と天皇杯を制した。ふたつのタイトルを獲得した経験は、チームを成長させている。
金近廉選手が言う。
「シーズンの前半戦はうまくいかないところが多かったんですけど、色々な試合を経験するなかでチーム力も高まりました。3つタイトルを取るのが目標で、ギリギリですれけどCSに出ることができてそのチャンスがあるので、しっかりと準備してやっていきたい」
クォーターファイナルは宇都宮のホームで開催される。金近選手は厳しい戦いを覚悟する。
「タフな試合になると思いますが、初戦に勝てれば勢いに乗れる、勝ち上がるチャンスが出てくる。初戦をしっかりと勝ち切って、そのまま流れに乗って優勝までいければと思っています」
宇都宮は3度目の、千葉Jは2度目のCS制覇を目ざす。第1戦のティップオフの瞬間から、両チームは激しくぶつかり合うはずだ。
テーブス海選手(アルバルク東京)
A東京は東地区2位で、レギュラーシーズンの勝率は8割を記録した。テーブス海選手は「勝った試合もそうですけれど、負けた試合でも成長できたと実感している。いい形でCSに入れると思う」と語る。
5シーズンぶり3度目の戴冠を目ざして、まずは昨シーズンの王者・琉球と激突する。テーブス選手は表情をグッと引き締めた。
「強烈な相手です。今シーズンは1勝1敗で、タフな試合になると思いますが、全力で戦いたい。自分たちはボールへのプレッシャーや、オフェンスからディフェンスへの切り替えのスピードが持ち味なので、そこでは必ず勝ちたい」
今村佳太選手(琉球ゴールデンキングス)
対する琉球の今村佳太選手は、「我慢比べ」と表現する。
「A東京さんはすごくタフなチームですけど、どれだけ我慢比べができるか、という試合になるかと思う」
今シーズンは西地区優勝を名古屋Dに譲った。地区連覇は「6」で止まったが、それもエネルギーになると今村選手は話す。
「シーズン後半はなかなか勝ち切れず、悔しい思いをしました。CSに出場するチームでは自分たちが一番苦しいシーズンを送ったと思うので、それが結果につながるようにいい準備をしたい。CS連覇を掲げていますし、期待してくれている人は多いと思いますが、それよりももう一回優勝を取りにいく気持ちで臨んでいる。チャレンジャーの気持ちで臨んで、もう一回沖縄のみなさんにトロフィーを持ち帰りたい」
A東京が3度目の優勝へ近づくのか。琉球が連覇へ前進するのか。スリリングな攻防が繰り広げられるだろう。
須田侑太郎選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
レギュラーシーズン最終戦で初の地区優勝を飾った名古屋Dは、5度目のCS出場となる。須田侑太郎選手は試合を終えたばかりで、オンラインでの参加となった。
「すごくアップダウンのあるシーズンでした。苦しいときも多かったのですが、全員で乗り越えて、ケガ人もなく万全な状態でCSに臨めるのはすごく嬉しいです」
クォーターファイナルは三河との「愛知対決」となる。今シーズンは1勝1敗の五分だ。須田選手はベーシックな部分の重要性を説く。
「相手はすごくタレント力のあるチーム。一人ひとりがディフェンスにプライドを持って1対1を止める、といったところが大事になってくるのかな」
過去4度のCSはクォーターファイナルで敗れている。それだけに、「今度こそ」の思いは強い。
「BリーグになってからCSのクォーターファイナルを突破したことがないので、大一番になると思う。チームの歴史を変えられるように、一戦必勝で戦っていきたい」
西田優大選手(シーホース三河)
対する三河は3シーズンぶりのCS出場だ。西田優大選手は「今シーズンから新体制になって、古豪復活へ向けてみんなで進んでいったシーズンでした」と振り返る。
CS出場はレギュラーシーズン最終節で決めた。「ある意味、いい流れでCSに入れると思います。ここからはゼロゼロの戦いなので、しっかり目の前の戦いに勝っていけたら」
対戦相手の名古屋Dは、東海大学在学時に特別指定選手としてプレーしたチームだ。西田選手は「名古屋Dさんと対戦できるのは、すごく幸せなこと」と柔らかな表情を浮かべるが、相手を攻略するイメージはしっかりと構築している。
「名古屋Dさんはトランジションも早く、3ポイントの本数も多く確率も高い。そこは注意しなきゃいけない。僕の勝手な印象ですが、気持ちをプレーに乗せるのがうまい選手が多いので、まずはしっかり気持ちで負けないように」
名古屋Dが初のセミファイナル進出を果たすのか。三河が17-18シーズン以来の4強へ名乗り出るのか。互いのプライドを賭けた戦いだ。
太田敦也選手(三遠ネオフェニックス)
中地区1位の三遠は、16-17シーズン以来のプレーオフ出場となる。39歳の太田敦也選手は、「昨シーズンはチームとしてケガに泣いたところがあったので、ケガで戦えない状況を練習からなくしていったことが、今シーズンの結果に結びついたと思います」と語る。
中地区1位にしてCS出場順位2位の立場で挑むが、太田選手は「チャレンジャー」の立場を強調する。
「僕らはずっとCSに出てきたチームではない。チャレンジャーとしてとにかく1戦目に勝つことを目標として、そこから勢いづきたい。CSだからといって特別なことをするわけではなく、HCが求めるバスケットを全員で一丸となってやりたい」
対戦相手の広島ドラゴンフライズで警戒する選手には、記者会見に同席したドウェイン・エバンス選手をあげた。
「ひとりで何でもできて、流れを作るプレーもするので、調子に乗せたくない選手です。勢いを使ってドライブとかをされると止めようがなくなってしまうので、そうなる前からプレッシャーをかけて、頑張って止めたいと思います」
今シーズンの対戦成績は、三遠の2勝となっている。広島のエバンス選手は「早いペースのバスケットスタイルをやられてしまいました。1試合は100点ゲームで負けました。ディフェンスに集中して、オフェンスを止めていきたいです」と言葉に力を込める。
ドウェイン・エバンス選手(広島ドラゴンフライズ)
広島は2シーズン連続のCS出場だ。昨シーズンはクォーターファイナルで千葉Jに競り負けた。エバンス選手は一戦必勝のスタンスを貫く。
「CSの目標は優勝ですが、そのためにまずクォーターファイナルの試合をしっかりと戦っていきたい。レギュラーシーズンが終盤にさしかかってから、チームが一致団結してプレーできた。チームの雰囲気も素晴らしいので、まずは1勝をもぎ取りたいです」
クラブ史上初のセミファイナル進出を決めるのは、果たしてどちらのチームか。こちらも注目度の高い一戦である。
昨年のFIBAワールドカップをきっかけとする「熱」は、直後に開幕した今シーズンのBリーグへ持ち込まれた。会場を包み込む熱量が選手の闘志に火をつけ、好ゲームが展開されていった。
頂点に辿り着くのは、果たしてどのチームか。
予測不可能の激戦が、幕を開ける。
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