【バスケ】代表的な戦術は? 勝利につながるオフェンス・ディフェンスの基本
通常、バスケットボール(バスケ)は5人対5人で行うスポーツです。各選手の技術力が優れていても、チームとしてバラバラでは試合で勝つのは難しいでしょう。効率的に攻撃したり、守ったりして試合に勝つには、さまざまな戦術を駆使する必要があります。
ここでは、バスケットボールで使われることが多い、オフェンス・ディフェンスの基本的な戦術をご紹介します。
【目次】
■オフェンス時の基本的な戦術
自チームがボールを持ち、ゴールを狙うのがオフェンスです。各選手がコート内をどのように動くのか考えるのが、オフェンス時の戦術になります。
ここでは、オフェンスの基本的な戦術と、使用頻度が高い戦術をご紹介します。
・アーリーオフェンス
アーリーオフェンスは、ボールを持ったらすぐに攻撃に移り、相手ディフェンスの準備が整う前にシュートを狙う戦術です。スピードが最も重要なので、フォーメーションは整えることなく、ボールを取ったら一気にリングを目指します。
3人で行うスリーメンや、2人で行うツーメン、1人で行うワンマン速攻など、攻撃参加する人数によっていくつかの種類に分けられます。3対2、2対1など、攻撃側が数的有利(アウトナンバー)の状況を作り出せる時は、積極的に狙うと良いでしょう。
・セットオフェンス
セットオフェンスは、シュートを打つ選手があらかじめ決まっているオフェンスの戦術です。事前にチーム内で「1番は○○、2番なら××」といった複数の動き方を共有しておき、「1番」などの合図に応じた攻撃を行います。有利な陣形を整えてから得点を狙うため、きれいにシュートに持ち込める点が、セットオフェンスのメリットです。
セットオフェンスには、ホーンや5アウト、UCLAカットなど、さまざまな種類があります。それぞれの特徴は、以下のとおりで。
【ホーン】
両サイドのコーナーに2人、フリースローラインに2人、中央に1人がポジショニングするセットです。5人を結ぶと角のように見えることから「ホーン」と呼ばれます。
【5アウト】
5人が全員3ポイントラインの外に構えます。センターを一番遠くにポジショニングさせることで、相手ディフェンスを前に出す効果が期待できます。
【UCLAカット】
トップのプレーヤーは外側のプレーヤーにパスを出したら、味方のスクリーン(選手の進路を塞ぐプレー)を利用してゴール下に走ります。その後、パスを受けてシュートを狙うという戦術です。
誰がシュートを打つのかなど、プレーを柔軟に切り替えやすいというメリットがあります。
・フリーオフェンス
セットオフェンスとは反対に、選手が各自で状況を判断して攻撃するのがフリーオフェンスです。戦略としての自由度が高く柔軟性にも優れている反面、選手には高いシュート力やドリブルの技術、1on1の強さ、判断能力などが求められます。
選手個人の能力が高くないと難しい、難易度の高い戦術です。
・アイソレーション
シュート力に優れていて1on1に強い選手が、1on1を仕掛けやすい状況を作り出す戦術がアイソレーションです。ボールを持っていない選手4人はコートの左側に寄り、右側で1on1の状況を作るなど、ボール保持者がプレーしやすいスペースを広く確保する必要があります。
上手な選手にボールを預ければ良いため、戦略が明確で動き方を迷いにくく、使い勝手に優れているのが特徴です。
ただし、戦術としては単調で、多用すると相手ディフェンスに対応されやすい点はデメリットといえます。
パスを出すのも上手で、コートを広く使える選手が1on1を行う状況を作り出せれば、攻撃の幅を増やすことができるでしょう。
・ピック&ロール
「ピック」と「ロール」の動きを組み合わせて行う攻撃方法です。
ピックは、ボールを持っている選手を邪魔するディフェンダーの進路に、ボールを持っていないオフェンス側の選手がスクリーンを仕掛けるプレーを指します。ロールは、背中側のディフェンダーを巻き込むように回転するプレーです。
ピック&ロールでは、ボールを持たないプレーヤーがスクリーンを行った後、ゴール方向に向き直してボールを受け、シュートを狙います。展開次第では、ピックの時点でボールを持っていた選手が、そのままシュートすることも可能です。
■ディフェンスにおける戦術
バスケは、攻守が激しく切り替わるスポーツです。試合に勝つには、得点を防ぐためのディフェンスも、オフェンスと同じように重要になります。
ディフェンスにおいても、戦術を意識してプレーすることを心がけましょう。
・マンツーマンディフェンス
一人一人が、特定のオフェンスをマークするのがマンツーマンディフェンスです。ハーフコートでマンツーマンディフェンスを行う時は、ディフェンスになったらすぐ自コートまで戻り、自分が担当する選手をマークします。
ディフェンスにおいて、最も基本的な戦術のひとつです。
また、コートの半面ではなく全面を使って、オールコートでマンツーマンディフェンスを行うこともあります。その際は、自コートまで戻ることなく、最初から積極的に自分が担当する選手のマークを行います。
高い能力を持つ相手選手を2人がかりでマークして攻撃の起点を潰す、ダブルチームを行うのも有効です。
マンツーマンディフェンスでは、相手選手を1人ずつしっかりとマークするので、外からのシュートを打たれにくいのがメリットです。
一方で、一度でも抜かれてしまうとカバーが難しく、個人のディフェンス力に結果が大きく左右されやすいというデメリットもあります。
・ゾーンディフェンス
マンツーマンディフェンスとは違い、特定の選手をマークするのではなく、エリアで守るのがゾーンディフェンスです。ゴール下のエリアを事前に分けておき、それぞれの選手が決められたエリアの守備を受け持ちます。
マンツーマンとは異なり特定のマークを決めないため、相手のオフェンス力にディフェンスが左右されません。ディフェンス同士の間隔を保ちやすく、仮に1人がドリブルで突破されたとしても、他の選手がカバーできる点もメリットです。
ただし、各選手がエリアで守るためノーマークの選手が生まれやすい、相手へのプレッシャーが弱く外からシュートを打たれやすいなどのデメリットもあります。
・ゾーンプレス
コート全面でディフェンスを行い、積極的にボールを奪いにかかる戦術がゾーンプレスです。相手チームの攻撃を抑えることができ、リングに近い位置でボールを奪えれば速攻に移ることもできます。
攻撃につなげやすい反面、コート全体をカバーするため体力の消耗は激しくなります。相手のパスをカットできないと、すぐアウトナンバーになる点にも注意が必要です。
通常は多用するのではなく、ここぞというシーンで使用する戦術になります。
■戦術を理解して勝利を目指そう
バスケットボールは、オフェンス・ディフェンスともに多くの戦術が存在します。攻守の切り替わりが激しいスポーツだからこそ、相手の状況や自チームの特性に応じて、さまざまな戦術を駆使することが大切です。
試合で勝利するために、個人のテクニックを磨くだけでなく、基本的な戦術も覚えておきましょう。
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