バレーのミドルブロッカーとは? 役割やスキルを知ってさらに試合を楽しもう!
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バレーボールのブロッカーは、相手のスパイク(アタック)を抑えて失点を防ぐ重要なポジションです。ブロックは前衛にポジショニングしている選手たちで行うのが基本ですが、その中でも「ミドルブロッカー(MB)」は、ブロックにおいて重要な役割を持ちます。
ここでは、バレーボールのミドルブロッカーに求められる役割や、必要なスキルをご紹介します。プレーはもちろん、試合観戦にも役立つ知識なので、ぜひご確認ください。
【目次】
■ミドルブロッカーとは
バレーボールのミドルブロッカーとは、前衛(コートのネット側)の真ん中に位置するポジションのことです。従来はセンターと呼ばれていましたが、近年はミドルブロッカーと呼ばれています。
主なプレーはブロックの中心になって相手チームの攻撃を防ぐことですが、自チームの攻撃に参加することもあるなど、攻守に活躍できるポジションです。
ネット際でのプレーがメインになるうえに、ブロックやスパイクでは高さが必要になることから、基本的には背が高い選手が選ばれる傾向にあります。
また、ミドルブロッカーを担う選手は、守備に特化したリベロに比べると、レシーブや俊敏さで劣る傾向にあるのも特徴です。そのため、ローテーションで後衛に回るとリベロと交代するシーンがよく見られます。
■ミドルブロッカーに求められる2つの役割
ミドルブロッカーに求められる役割は、ブロックとクイック攻撃の2つです。具体的に、ミドルブロッカーはどのようなシーンで活躍しているのでしょうか。
ミドルブロッカーの役割とそれぞれの概要は、以下のとおりです。
・ブロック
ミドルブロッカーに最も求められるのは、相手チームのスパイクを防ぐためのブロックです。基本的にはコートの真ん中でプレーするため、センターやサイドを問わず、相手のスパイクには毎回ジャンプしてブロックを試みる必要があります。
ただし、やみくもにジャンプするだけでは相手の攻撃を防ぐことができません。
スパイクに対してどのコースを絞れば良いのかなど、ディフェンス面の戦略を考えることも求められます。ミドルブロッカーの質は、相手チームのアタックを防げるかどうかを大きく左右する要素といえるでしょう。
・クイック
守備だけでなく、攻撃に参加する必要もあります。レフトにスパイカーがいる場合、ミドルブロッカーはクイック攻撃を中心に行うのが基本です。実際にスパイクを決めることもありますが、スパイカーを生かす囮としてクイック攻撃を仕掛けるように見せるケースも見られます。
高さを生かした速攻が求められることもあるため、ブロックの技術はもちろん、クイック攻撃に参加するための俊敏性や、高いスパイク能力も必要です。
■ミドルブロッカーに必要な能力
ミドルブロッカーは、攻守ともに重要な役割を果たすポジションです。その分、さまざまな能力が求められることになります。
ミドルブロッカーとして活躍するために必要な能力の例は、以下のとおりです。
・判断力
ブロックを試みる際に、相手のスパイカーとジャンプのタイミングがずれたり、トスを違う場所に上げられたりすると、攻撃を防げなくなってしまいます。タイミングが合っていたとしても、味方選手がいない場所にスパイクを打たれては、ブロックを行う意味がありません。
ブロックの時は、相手チームのスパイカーの動きだけでなく、セッターがどこにトスを上げたのか、後衛の味方選手はどこにポジショニングしているのかなどを把握することが重要です。
ミドルブロッカーには、コート全体を見渡せる広い視野や、相手が狙いそうな場所と自分が守るべき場所を見極める状況把握力、それらをもとに的確なプレーを選択する判断力が求められます。
・高さ
前述のとおり、ミドルブロッカーの主な役割はブロックとクイック攻撃への参加です。ジャンプしてネットの上に壁を作らなければいけないため、基本的には背が高くジャンプ力に優れている選手ほど有利になります。
これは、身長が高いほどネットから手が出るタイミングが早くなるためです。
一方で、身長が高くない選手は、背が高い選手に比べるとブロックが完成するのに時間がかかってしまいます。背の低い選手がミドルブロッカーとして活躍するには、誰がスパイクを打ってくるのか優先順位をつけて出遅れを防ぐなど、テクニックを身につけることが重要です。
また、ブロックの一番の目的は、ボールを相手コートに落とすことではなく、自チームの失点を防ぐことです。相手スパイカーの打つコースを限定したり、ワンタッチしたりしたボールを味方に取ってもらえれば、ディフェンスとして貢献したことになります。
・スピード
どれだけ背が高い選手だとしても、相手のトスに追いつけなかったり、攻撃参加が遅れたりすると、効果的なプレーになりません。相手の攻撃に応じて素早く横に移動したり、クイックのようなテンポの速い攻撃に参加したりするために、スピードも必須です。
無駄な動きを減らして俊敏に動けるようになる、瞬時に的確な判断を下せる力を身につけるなど、プレーのスピードを高めることも、ミドルブロッカーとして活躍するためのポイントです。
・スタミナ
ミドルブロッカーは、基本的には相手の全ての攻撃でジャンプして、ブロックに参加することになります。さらに、自チームの攻撃の際はクイック攻撃にも参加しなければいけません。
クイック攻撃は、ただ得点を決めるだけでなく、多くの選手が攻撃に参加することで相手ブロッカーを惑わせたり、反応を遅らせたりする囮の役割を持っています。
自分がスパイクしないタイミングだとしても、ジャンプして「クイック攻撃が来るかもしれない」と相手に思わせる必要があるということです。
そのため、ミドルブロッカーはブロックシーンや味方の攻撃時など、多くの場面でジャンプすることになります。
ラリーが長引くほどジャンプする回数が増えるため、疲れを感じることもあるでしょう。そのような状況でも、高くジャンプし続けるスタミナや精神力も求められます。
■素早いプレーで相手の攻撃を防ぐのがMBの魅力
高さやスピードを生かしたブロックで相手の攻撃を防ぐことになるミドルブロッカーは、チームのブロックの要になる重要なポジションです。クイック攻撃の際は味方のスパイクをアシストしたり、自分でスパイクを決めたりする必要があるため、攻守に渡って活躍できるポジションでもあります。
プレースタイルやバレーボールという競技の性質上、どうしても背は高いほど有利に働きますが、背が低い選手でもスピードや判断力などでカバーできるかもしれません。
ミドルブロッカーとして活躍したい方は、スピードや判断力、スタミナなどを鍛えることを心がけましょう。
試合観戦の際も、ミドルブロッカーの動きに注目してみると、よりバレーボールを楽しめるようになります。ご紹介した内容を参考に、バレーボールを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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