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outdoor2019.01.31

大人の社会見学「スノーピーク」編 第4回「感動品質を届ける場所」

「Snow Peak(スノーピーク)」
一度でもキャンプを経験したことがある人なら、その名前を聞かないはずはないでしょう。
1958年、金属加工で世界的に名の知れた新潟県・燕三条で生まれた、日本を代表するアウトドアブランドです。
 
第3回の記事は こちら
 
全4回でお送りするスノーピークのすべて。
最終回は、2017年から新たに稼働を開始した新戦略拠点「Operation Core HQ2」に潜入します。
スノーピークの感動品質は、いったいどこから世界中のキャンパーのもとへ届けられるのか?
製造やアフターサービスに携わるスノーピークスタッフの方々からも、お話を伺ってきました。

――オペレーションを最大限に効率化させる目的で、2017年3月より新稼働
 
新潟県三条市にあるSnow Peak Headquarters(HQ)から山をくだり、30分ほど車を走らせた見附市にOperation Core HQ2があります。新潟県営中部工業団地内に拠点を構え、国道や高速道路のインターチェンジにも近くアクセスは抜群です。
 
以前は製品開発から物流、アフターサービスまでのすべてがHQに集約されていましたが、業務拡大に伴いさらに効率をあげて、より多くのお客様にスノーピーク製品を届けるべく、分離。
製造・物流・アフターサービス・バックオフィスがOperation Core HQ2に移ったことで、オペレーション機能が飛躍的に向上しました。

――開放的なロビーにはスノーピークの製品がズラリ
 
Operation Core HQ2のエントランスをくぐると、驚くほど洗練されたロビーに思わず感嘆の声をあげてしまいます。ここは、一般のお客様向け見学ツアーの集合場所にもなっているエリア。開放感あふれる窓際に張られたテントやシェルターを見たり、触ったりしながら待っているだけでテンションが上がってきそうです。
この日も団体のお客様が見学にいらっしゃっていました。

――スノーピークらしい、アウトドア感満載のオフィス
 
ではいよいよ、一般の見学ルートからもう一歩奥に入ったOperation Core HQ2のオフィス部分に潜入します。
スノーピークらしさは、いきなり入口にありました。打ち合わせスペースに、なんとシェルターが設置されています。ここでミーティングも行われるそうで、会議室ではなく、アウトドアの設えのなかで議論しあうことで、新しいアイデアも生まれやすくなるとか。
通路沿いの棚には、スノーピーク製品が掲載されている雑誌がズラリと並んでいます。これだけ多くのメディアに取り上げられている=注目度の高さが伺えます。

――東京と新潟のHQ同士がリアルタイム・等身大でつながっている
 
オフィスの奥へと進んでいくと、大きなモニター越しにもうひとつのオフィスが映し出されています。
その映像は、なんと東京にあるSnow Peak Tokyo HQ3。Interactivisionというセキュリティの高いクラウド技術を使い、リアルタイム・等身大サイズ・立体感が揃った映像で、東京と新潟を結んでいます。
突然の相談事でもモニターの前に行けばすぐにやりとりができるので、時間の無駄がありません。

――スノーピークの真骨頂ともいえる、焚火台の製造ラインへ
 
次はいよいよ製造ラインへ。Operation Core HQ2では、焚火台が社内で一貫生産されています。その証に、完成された焚火台には「Headquarters」の刻印が。5〜6名の職人によって、ひとつひとつ丁寧につくられ、新潟から全国、そして海外で焚火台を待つお客様へと届けられていきます。
 
スノーピークの焚火台というのは、日本のオートキャンプシーンの中でなくてはならないギアとして歴史を作り上げた商品と言っても過言ではありません。美しいデザイン、強靭なスペック、手間のかからない開閉システム…。
さっそく、1990年代の開発当時から携わるマネージャー、上原さんにお話を伺いました。

――焚火台を自社で一貫生産することにこだわった理由は?
 
上原さん:
スノーピークが全国で行っている「Snow Peak Way」というイベントをご存知ですか? 我々スタッフとユーザーさんが一緒にキャンプを楽しみながら、直接みなさんの声を聞き、絆を深め、さらにより良い製品づくりへと生かしていくため、スノーピークが最も大切にしているイベントです。
 
夜になると「焚火トーク」という時間がありまして、そこでスタッフとユーザーさんが集まり、直接顔を合わせて普段話せなかったことをお互いに語り合ったりして、非常に濃密な時間を過ごすわけですね。その輪の中心にあるのが、焚火であり、この焚火台なんです。だからこそ、思い入れも深いですし、スノーピークにとってなくてはならない製品だと自負しています。
 
業務の拡大に伴い、ほとんどの製品を地元の職人さんをはじめとする、技術力の高い協力工場にお任せすることになったわけですが、焚火台だけは自社で一貫して生産しよう、と少数精鋭でひとつずつ丹精込めて作らせてもらっています。

――キャンプ場に行くと、スノーピークの焚火台を見ない時がありませんね。
 
上原さん:
ひとつひとつ自分たちの手で作りますから、当初は週に150台しか生産できなかったんです。そこでラインの配置や生産計画に合ったプログラミングをするなど工程を徹底的に見直すことで、同じクオリティの焚火台が1日で150台作れる体制を確立しました。
ありがたいことに、焚火台は発売になってから20年以上経ちますが、販売台数が一度も前年度割れをしたことがないんです。ほんの少しの改良は行っていますが、発売以来デザインが変わることなくずっとたくさんのお客様の元にお届けできているのは我々の誇りです。
 
実は、ほとんど壊れることがないので、アフターサービスに修理依頼が来る焚火台は年間数件しかないんです。それも、何十年、何百回と愛用してくださっていよいよ素材が痩せてきてしまったという場合がほとんど。つまりお客様がここまで愛着を持って使ってくれた証でもありますから、胸が熱くなります。

――確かな技術でお客様の大切な商品に命を吹き返す、スペシャリストたち
 
続いてアフターサービス部門に移動すると、そこにはギアの修理や縫製などに携わるスタッフが驚くようなスピードと技術で作業をしていました。
ミシンの音がする方に目をやると、焚火の火の粉で大きな穴が空いてしまったテントがミシン台の上に広げられています。目立たないように綺麗に縫製し直す様子は、思わず見入ってしまうほどです。
なんとOperation Core HQ2がある見附市は昔から織物業が盛んな地域だそうで、縫製技術の高いスタッフがギアもアパレルも一手に引き受けて修理してくれているとのこと。

他にも、これまでに発売されたすべてのテントやタープの型を把握していて、瞬く間に新品同様に畳み直していくスタッフ、ギアから伝わって来るお客様の思いに応えるために奮闘するスタッフ…。広いフロアの中は、これぞスペシャリスト集団!と思わずにいられません。
そのなかの一人、里井さんにお話を伺いました。
 
――スノーピークはすべての製品に永久保証がついていますが、その理由は?
 
里井さん:
なぜスノーピークが保証書をつけず永久保証にしているかというと、何世代にも渡って、長く使い続けて欲しいからです。世の中に出ているプロダクトというのは一定期間の保証書がついていますが、スノーピークはたとえ修理備品がなくなっても可能な限り修理をしていきたいという思いから、期間を設けず永久保証にしてあります。

――これまでの修理依頼のなかでいちばん記憶に残っていることは?
 
里井さん:
お子さんが4歳の頃、キャンプを始めたばかりのときに買ったチェアで、これがきっかけでスノーピークが好きになったというユーザーさんからの依頼でした。「たとえ時間がかかってもいいから、お願いしたい」と。
大切に使ってくれていたんでしょうね。長年の使用でボロボロになっていました。購入されたのが20年以上も前の製品。部品はもちろん残っていません。
正直、途方にくれました。何せ20年です。そのお子さんがもうお嫁に行ってしまっているくらいの年月が経っているわけですから。
 
しかし、奇跡的に当時の金型や図面が残っていたのです。
こうなったらもう「なんとかしてユーザーさんの元に返してあげたい」の一心ですよね。あちこち駆け回り、金型をイチから作り起こしてもらって修理を施し、やっとお送りすることができました。
しかし、相談を受けてから納品させていただいたのが9ヶ月後。あまりにお待たせしてしまったことに申し訳ない気持ちでいっぱいになり、謝罪の電話をかけたところ、思わぬ返事をいただいたんです。
「実はあの状態で直ると思っていなくて、半分諦めていたからびっくりしました。本当に、本当にありがとう」と。
 
なんとその後、そのユーザーさんがSNSで「いちばん最初に購入したスノーピークの製品が、20年の時を超え戻ってきました」と投稿してくれたんです。しばらくして、HQでキャンプをするから直接お礼を言わせて欲しい、と連絡までいただきまして。
改めて、スノーピークってすごい会社だな、と思いました。私たちがお客様に対して何をしなければならないか、ということを考えるきっかけになった、いちばん強く印象に残っているエピソードです。

私たちは、長年愛用してくださっているユーザーさんはもちろんのこと、スノーピークの製品を購入してキャンプを始めたばかりというビギナーさんもすごく大事にしています。自分の対応ひとつで、この先のアウトドアライフが決まってしまうと思うと責任も大きいですから。
すべてのユーザーさんに対して、誠心誠意を込めてしっかりと対応する。
アフターサービスにいるスタッフ全員が同じ気持ちで、ひとつひとつ手がけさせていただいています。
 
 
以上、「Operation Core HQ2」の潜入レポートをお送りしました。
全4回にわたってお送りした大人の社会見学「スノーピーク」編はいかがでしたか?
スノーピークのすべての拠点から見えてくる、スタッフの「思い」。
スノーピーク製品を通してキャンプを好きになってくれたユーザーさん、これからキャンプを始めようとしているユーザーさん、そのすべての人々に感動を与えたい、さらには期待を上回るようなものを提供していかなければいけないという強い気持ちがひしひしと伝わってきた、今回の社会見学でした。
 
 
■取材場所
Snow Peak Operation Core HQ2
 
〒954-8658
新潟県見附市新幸町5-8
0120-010-660
 
https://www.snowpeak.co.jp/
 
2018年に創業60周年を迎えた、日本を代表するアウトドアメーカー。「自らもユーザーである」という、創業者山井幸雄氏のDNAを受け継ぎ、「人生に、野遊びを。」のコーポレートメッセージのもと、自然と共に生きることにより人間性を回復する、自然指向のライフスタイルの提案、実現を使命に成長し続けている。

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