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outdoor2019.12.06

17歳のコーヒー焙煎士、岩野響くんとの出会いから、オリジナルコーヒー「このやまコーヒー」が誕生するまで

アルペングループの新業態、アルペンアウトドアーズ(Alpen Outdoors)とアルペンマウンテンズ(Alpen Mountains)から、このたび限定コーヒーが発売されることになりました。

その名も、「このやまコーヒー」。

アルペングループとともに開発に携わったのは、岩野響くん、17歳です。
2017年、若干15歳にしてコーヒー焙煎士となり、仕事場である「HORIZON LABO」を設立。鋭くも繊細な味覚と嗅覚を生かし、焙煎したコーヒー豆は現在では入手困難なほど、コーヒー好きな人々の心を掴んで離しません。

そんな岩野くんが生み出すコーヒーとアルペングループがなぜ出会い、今回のプロジェクトに至ったのか。
今回、開発に携わったアルペングループの担当者と岩野くんのお二方から、誕生秘話を伺いました。


 
――このやまコーヒー開発プロジェクトが立ち上がったきっかけをお聞かせください。

アルペングループ 担当:
私たちアルペングループは、現在のアウトドアブームを単に「流行」とするのではなく、今後「文化」として根付かせていきたい、という想いのもとさまざまな挑戦を行なっています。
「アウトドアを文化にして行くべく、裾野を広げていきたい」。言葉にするのは簡単ですが、いざそれをかたちにするとなると試行錯誤の連続でした。

そんな中、ちょうど時を同じくして出会ったのが、岩野響くん。
17歳の、コーヒー焙煎士です。

彼は、アスペルガー症候群という発達障害の1つを抱えながら、コーヒー焙煎士として常に新たな挑戦をし続けています。
様々な体験からインスピレーションを受けて焙煎を行っている彼は、かねてから「登山に挑戦してみたい」という想いがあったそうです。

彼の姿勢に共感した私たちは、「岩野くんの初登山をサポートするとともに、山々の豊かな個性を、岩野くんが焙煎を通して表現してくれたら素晴らしいものが生まれるのではないか」と考えました。

コーヒーというのは、キャンプなどで淹れる人も多いことからアウトドアとの親和性が高い飲み物です。アウトドアに興味のない人にも、岩野くんのコーヒーを通じて興味を持ってもらうことで、その裾野を広げることができるのではないか、という可能性を感じずにはいられなかったのです。

そして、彼との出会いをきっかけに、コーヒーを媒介にアウトドアの裾野を広げるプロジェクトがスタートしました。



――アルペングループとコラボしてコーヒーを作ること、さらには富士登山のプロジェクトについてはじめて話を聞いたときの、率直な感想をお聞かせください。

岩野くん:
ブランド様とのコラボレーションということで僕にできるかどうか不安でしたが、今までこのようなプロジェクトは経験をしたことがなかったので、とても良い学びになるな、と率直に思いました。

――今回のプロジェクトで、どのような相乗効果を期待していますか?

アルペングループ 担当:
アウトドアドアに興味がない人が、少しでもアウトドアに興味を持つきっかけになればと思います。

非日常の中でコーヒーと共にホッと一息をつくことは、多くのキャンパーやハイカーの方が楽しみのひとつにしているように、「コーヒー」と「アウトドア」は親和性が非常に高いと考えております。
アウトドアに適したコーヒーを新たに開発することによって、より上質なチルタイムを味わっていただけたらと思います。

さまざまな方がコーヒーをブレンドされていますが、「このやまコーヒー」がアウトドアに合うものをテーマにしたコーヒーの先駆けになればいいですね。



――唯一無二の存在であり、めまぐるしく変化する大自然の風景をもあわせ持つ富士山から、どんなインスピレーションを受けましたか?

岩野くん:
富士山に対しては事前に知識を持たないまま登山をしたので、そのときそのときを五感で触れながら、さまざまな角度から感じた「富士山」を受け取ることができました。

その中でも、富士山の持つ「優しさ」「力強さ」「懐かしさ」は、とても印象に残りました。



――富士登山を経験して、そのインスピレーションを、コーヒー豆でどう表現しようと思いましたか?

岩野くん:
このやまコーヒーを飲んだ時に、「富士山の情景のように、開放した気持ちになっていただけるといいな」という想いで味作りをスタートさせました。

五感を使って受け取った富士山をコーヒーとして表現するために、表現に合った生豆選びや焙煎方法など、今までの経験を生かし試行錯誤を繰り返しました。



――このやまコーヒーの特徴を、具体的にお聞かせください。

岩野くん:
風、
岩、
雲…。

力強い富士山の環境と、その全てを包み込む御来光。
富士山の力強い生命力と穏やかな光が感じられるような味に仕上がりました。

重厚なコクと、香り奥深い余韻を楽しめるコーヒーとなっております。



――完成したコーヒーをはじめて味わってみたときの、率直なご感想をお聞かせください。

アルペングループ 担当:
苦味の中にも深みとコクがあり、それでいてとてもなつかしい味がしましたね。ホッとするといいますか。 

――山頂などアウトドアで飲むのはもちろんのこと、ほかにどんなシーンで飲むのがおすすめですか?

岩野くん:
一日の終わりに飲んだり、軽いランニングの後など、日々の生活の中で物事を成し遂げた後に飲んだりするといいかと思います。



――富士登山の挑戦をもとにコーヒーを作るという経験で、何か感じたことはありましたか?
また、次はどんな山に登ってみたいですか?


岩野くん:
今回初めて富士登山をさせていただいたことで、より広大なイメージでものづくりができるようになり、山のことがもっと好きになりました。

僕は山に対してはまだまだ知識も経験も浅いので、世界中の山に登り、まだ知らぬ景色を見てみたいです。

アルペングループ 担当:
今後も岩野くんの登山をサポートをしながら、全国の皆様においしいコーヒーを提供していきたいですね。

また、現在はドリップ式コーヒーだけですが、自分で豆から挽きたいという方もいらっしゃると思いますので、豆だけの展開も考えています。

岩野くんとのプロジェクトをきっかけに、さらにアウトドアの裾野が広げられるよう挑戦を続けていきます!



■プロフィール
岩野 響

2002年、群馬県生まれ。
小学校3年生の時にアスペルガー症候群と診断される。
中学に入ると学校生活への適応に困難を感じ、「どう生きていこうか」と悩んでいた時期に、両親の知人から小型の手回し焙煎機をもらい、コーヒーの焙煎にのめり込むようになる。
その後、家事や両親が営む衣料ブランドの手伝いなどをしながら準備を進め、2017年春に15歳で自宅に「HORIZON LABO」をオープンさせるが、あまりの混雑にやむなく営業を一旦停止。
その後も、焙煎の研究を続け、2年の時を経た2019年冬に「HORIZON LABO」を東京の表参道に再オープン予定。
 
●このやまコーヒー
https://www.alpen-group.jp/store/outdoor/products/konoyama-coffee

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