トレイルランニングはどんなスポーツ? その魅力や必需品、注意点とは
近年は各地で大会が開催されるなど、日本でもトレイルランニングブームが広がっています。欧米ではもともと盛んに行われているスポーツですが、名前は知っていても通常のランニングやマラソンとの違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、トレイルランニングの持つ魅力や必要な装備、行う際の注意点をご紹介します。
【目次】
■トレイルランニングとは
トレイル(trail)は、「未舗装路」や「山中にある小道」などの意味を持つ英語です。つまりトレイルランニングとは、登山道や林道といった舗装されていない道を走るアウトドアスポーツのことを指します。
トレイルランニングは個人の趣味、大会問わずハイキングコースや登山コースを使って行われることが一般的です。
大会では50kmを超えるような耐久レースを行う場合もあり、以前は「山岳マラソン」や「山岳耐久レース」として紹介されていましたが、現在はトレランやトレイルランなどと呼ばれることが増えています。
■トレイルランニングはマラソンの練習としても効果的
山道を走るトレイルランニングは、市街地を走るマラソンやランニングのトレーニングとして行うのも効果的です。ここでは、トレイルランニングにはどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
・フォームの改善
登山道は市街地と異なり舗装されていないため、足場の状況や起伏の変化が激しいです。状況に応じたさまざまな動きが必要になるため、平地を走る際とは異なる筋肉を使います。
普段はあまり使わない筋肉をトレイルランニングで鍛えることで、体の使い方やバランスが良くなり、フォームの改善につながる可能性があります。
・体への負担が少ない
アスファルトで舗装された道は凹凸こそ少ないですが非常に硬く、体は着地の際に衝撃を受けやすいです。しかし、落ち葉や木くずなどで覆われた土の地面は柔らかいうえ、走りづらい場所は歩いて移動することが推奨されているため、脚への負担が少なくなります。
さらに、山の中は夏場でも比較的涼しいため、暑さによる体力の消耗を市街地より抑えることができます。
・飽きずに走り続けられる
トレイルランニングは自然の中を走ることになるので、同じコースを走っていても時期や時間帯、天候によって景色が大きく異なる点も魅力です。
舗装路を走っているがどこも景観が同じで飽きてしまった、というマラソンやランニング経験者の方でも精神的な負担が少なく、新鮮な気分で走り続けることができます。
■トレイルランニングの必需品
魅力が多いトレイルランニングですが、行う前に必ず用意しておきたい装備がいくつかあります。ここでは、トレイルランニングを行うにあたって最低限必要になるアイテムと、その選び方をご紹介します。
・トレイルランニングシューズ
通常のランニング用シューズで山道を走ると、体に大きな負荷がかかり脚を痛める原因にもなります。そのため、トレイルランニングに臨む際は、トレイルランニング専用のシューズを用意しましょう。一般的なランニングシューズやマラソン用のシューズに比べて、靴底の凹凸が大きいためグリップが効きやすく、柔らかく足場が悪い山道でも滑りづらいです。
また、専用シューズはコーティングが施されていることが多いので、岩や木の根といった障害物から足先を保護することもできます。
・バッグ
登山用のザックと異なり、トレイルランニング用のバッグは背負っていても走りやすいように、背中上部に重心が来るよう設計されています。前面にペットボトルを入れるポケットがあるなど、バッグを降ろさずに水分補給できる利便性が高い製品も多いです。
バッグの容量は2L~25L程度のものまであり、容量によってベスト型とザック型に大きく分けることができますが、山での行動時間に応じて選ぶと良いでしょう。
日帰りの場合は10L前後でベスト型のものが、長時間になる場合は20L程度のザック型がおすすめです。
・ウェア
パンツやシャツなどのウェアは一般的な登山と同じく、速乾性や吸湿性に優れたものを用意する必要があります。
季節に応じて服装を多少変える必要はありますが、山頂付近は寒くなることもあるため、冬以外でもジャケットは必ず用意するようにしましょう。防寒、防水性に優れたレインウェアなら雨対策にもなるのでおすすめです。
また、ソックスも普段使いのものではなく、トレイルランニング専用のものを使うようにしましょう。速乾性やクッション性に優れた製品が多く、長時間山道を走り続けても疲れにくいなどのメリットがあります。
夏場の場合は、上記に加えてキャップやサングラスなどの日差し対策も必要です。
・食料と飲み物
トレイルランニングはハードな運動です。飲み物はもちろん、行動中の栄養食として食べ物も持っていく必要があります。道に迷うなどの不測の事態に備え、多めに持っていくようにしましょう。特に飲み物は、行動時間にかかわらず最低1Lは準備することをおすすめします。
ペットボトルを持っていくのも良いですが、飲んだ分だけ空気を抜けるハイドレーションシステムなら、かさばりづらいうえ簡単に水分補給が行えるため便利です。
■あると便利な装備
前述のものは、トレイルランニングを行う際に必ず用意しておきたい装備です。ここからは、トレイルランニングの際にあると便利な装備をいくつかご紹介します。
・医療用キット
整備されていない山道を走ることになるため、ふとした拍子で転んだり枝に引っ掛けたりして怪我をすることも考えられます。簡単な応急処置を行えるように絆創膏や患部固定用のテープ、消毒薬やガーゼなどが入った医療用キットを用意しておくと便利です。
虫が多い夏場には、傷口から毒を吸い取ることができるポイズンリムーバーも必要です。その他、クマよけの鈴や緊急時用のホイッスルなども用意しておくことをおすすめします。
・GPS機能付きの腕時計
GPS機能が付いた時計があると、コースや自分の現在地を簡単に把握できます。
近年はGPS機能の付いているスマホがほとんどですが、スマホは緊急連絡用に充電を残しておきたいため、GPS機能を搭載したデバイスをスマホ以外にも1つ用意しておきましょう。
デバイスが使えなくなった場合も考え、紙の地図も持っていくとさらに安心です。
・ヘッドライト
木が生い茂る山中は、日暮れ後すぐに暗くなってしまいます。暗く視界の悪い山道で動きをとることは、怪我や遭難につながり危険です。
不測の事態に備えて、ヘッドライトを持っていくことをおすすめします。特に、下山が夕方以降になる場合は必ず用意しておきましょう。
■トレイルランニングを行う場合の注意点
装備を用意すればすぐにトレイルランニングを開始できるわけではありません。トレイルランニングを行う際は、事前に知っておきたい注意点がいくつかあります。
・山のルールやマナーを守る
トレイルランニングは登山道やハイキングコースを走るアウトドアスポーツです。もちろん、その際は他の登山者がいることもあります。
登山の際のルールやマナーを守りながら行うように心がけましょう。代表的な山のルールとしては、次のようなものが挙げられます。
-登る人が優先
-登山道や林道から外れたところを走らない
-植物を採らない
-自身の出したゴミは持ち帰る
・万全の備えをして行う
トレイルランニングは山の中を走るため、怪我や遭難、不意の事故といった危険と隣り合わせのスポーツです。また、山では何が起こっても自己責任なので、自分の身は自分で守る必要があります。
最低限の装備を用意するだけでなく、入山届の提出や山岳保険の加入など、準備を万全に済ませてから行うことが大切です。
■正しい知識をもってトレイルランニングに臨もう
トレイルランニングは市街地を走るマラソンやランニングと比べ、さまざまな魅力にあふれたスポーツです。しかし、自然の中を走るため、怪我や遭難といった危険もある点を忘れてはいけません。
装備を揃えたりコースを選定したりといった準備は万全に行ったうえで、トレイルランニングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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