冬キャンプには冬用テントを用意しよう。選び方と設営時の注意点
冬は虫に悩まされることが少なく、キャンパーの数も春夏の繁忙期に比べて減ります。他にも冬ならではの風景が楽しめるなど、キャンプ経験者の中には冬キャンプを楽しむ方も多いです。
しかし、寒く過ごしづらいうえに、キャンプ場の標高によっては積雪する場合もあるため、冬キャンプを楽しむためには冬用のテントが必要です。
ここでは、冬用テントの選び方や雪中でテントを設営する際の注意点、暖かく過ごすために用意しておきたいアイテムなどをご紹介します。
【目次】
■3シーズン用と冬用テントの違いは?
テントには、春・夏・秋に使える3シーズン用と、寒い時期でも使える冬用テントがあります。2つの大きな違いは、季節に合わせて使いやすい工夫がされているかどうかです。
3シーズン用のテントは通気性に優れていて、気温や湿気が高い夏場でも涼しく快適に過ごせるように作られています。
一方で冬用テントは風を防げるように作られていて、夏用のものよりもしっかりとした生地で重みもあります。
積雪や悪天候、低い気温に備えており、雪山や厳冬期のキャンプ場でも使用できるのが冬用テントの大きな特徴です。
■冬用テントの選び方とポイント
冬用のテントを選ぶ際には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。冬用テントの選び方のポイントを3点ご紹介します。
・スカートがついているかどうか
冬用のテントを選ぶうえで最初に確認したいのが、テントの裾にスカートがついているかどうかです。スカートがついていれば、内部の空気が外に漏れづらくなるため保温性が増し、外の冷気や隙間風が入り込むのを防ぐこともできます。
また、インナーテントが付属していてツールーム構造になっているテントの場合は、インナーテントの構造も確認しておきましょう。ツールーム構造自体は、リビング部分とインナーテントが区切られているため暖かく快適ですが、メッシュ仕様で通気性が良いものだとテント内が寒くなってしまう恐れがあります。
・ストーブやヒーターをテント内で使えるか
冬のキャンプでは、テント内でストーブを使用して暖を取りたいと考えている方も多いかもしれません。防寒対策でストーブやヒーターといったアイテムを使用したい場合は、テント内で使えるかどうかの確認が必要です。
石油ストーブや薪ストーブのように火を使う暖房器具は、一酸化炭素中毒を防ぐために、テント内をこまめに換気しなければいけません。必ず、ベンチレーションが備わっていて換気性能が高いテントを選ぶようにしてください。
また、火の粉などでテントが燃えたり穴が開いたりするのを防ぐために、テントの難燃性にも注目しましょう。コットンやテクニカルコットン(TC)素材のテントは、ポリエステルをはじめとした化学繊維のみで作られているテントよりも難燃性に優れています。
・結露が発生しづらいものを選ぼう
冬は換気による空気の循環が行われにくく、テント内は暖房器具や人の体温で暖まりやすいです。冷たい外気との温度差が大きくなり、結露が発生しやすいので、結露の発生しづらいテントを選ぶ必要があります。
ストーブを使用できるかどうかとも被りますが、ベンチレーションがついていて換気が行いやすい、コットンやテクニカルコットンのような素材を使用しているなど、通気性の良いテントを選び結露の発生を防ぎましょう。
■雪中でのテント設営のコツ
キャンプ場の標高が高い場合や雪山登山の際は、テントを張ろうとした場所に雪が積もっている可能性があります。雪中でのテント設営を普段と同じように行うと、テントが固定できなかったり、寒さで寝られなくなったりといった事態も考えられるため、コツを知っておくことが大切です。
・平坦な場所を選んで地ならしする
ふかふかと柔らかい雪の上にそのままテントを設営してしまうと、後で床がでこぼこして不安定になってしまいます。足踏みをしたりスコップで叩いたりして雪を固め、地ならしを行いましょう。
できるだけ平坦な場所を設営場所に選ぶと、地ならしの作業が簡単になります。
また、設営の際に使用したスコップは、テントの前室に収納しておくのがおすすめです。万が一夜のうちに雪が降り積もっても、テント内に置いておいたスコップで雪を掘り進めて、外に出ることができます。
・雪用のペグを使用する
雪が深く地面に直接ペグを打ち込めない場合は、通常のペグではテントを固定できません。テントをしっかりと固定し風で吹き飛ばされるのを防ぐために、雪用のペグを使用しましょう。
雪用のペグがない場合は、薪や木の枝を十字状にクロスさせたり、ピッケルをペグの代わりにしたりすることも可能です。
十字にクロスさせたペグを雪に埋めて、その上から水をかけて雪を固めれば、よりテントを固定できます。撤収作業の際に取り出すのが大変になりますが、なかなかペグを固定できない場合のために覚えておくと便利です。
・スカートは内側に織り込むのがおすすめ
テントに入り込む冷気を遮断するために、テントのスカートは内側に織り込むようにするのがおすすめです。
スカート部分の隙間は雪で埋めてしまえば、外からの冷気をさらに防ぐことができます。ただし、テント内の気密性が高まり結露が発生しやすくなるので、隙間を雪で埋める場合はベンチレーションを開けておくなどして、換気を行うようにしてください。
・防水スプレーをテントにかける
冷え込みが激しく気温が低い日は、テントについた雪や水滴が凍りつき、ファスナーが開かなくなってしまう恐れもあります。設営の際にファスナーには潤滑剤やロウを塗っておき、撥水性を高めておきましょう。
また、テント全体に防水スプレーをかけておくことで、雪離れが良くなりテントに雪が積もりづらくなります。
■冬キャンプでも暖かく過ごすために用意したいアイテム
冬のキャンプを暖かく快適に過ごすためには、テント以外にも暖を取るためのアイテムを用意しておくのがおすすめです。寒さに悩みがちな冬キャンプに備えて、用意しておきたいアイテムをいくつかご紹介します。
・ストーブ
ストーブは寒い時期のキャンプに欠かせない暖房器具です。キャンプで使用するストーブには石油ストーブや薪ストーブなど、いくつか種類があるので、使用する燃料なども踏まえて製品を選ぶようにしましょう。
火を使って暖める石油ストーブや薪ストーブは、ストーブの上でお湯を沸かすこともできて便利ですが、一酸化炭素中毒や火災といった事故に注意が必要です。使用中は換気を行い、就寝時は必ずストーブを消しましょう。
電気が使える電源サイトの場合は、電気ストーブを用意するのもおすすめです。電気ストーブなら、一酸化炭素中毒や火災の心配もなく、安心して使えます。
・テントマット
断熱性の高いテントマットを用意すれば、地面からの底冷えを防げます。寒い時期に使用するテントマットは、断熱材が入っていて、冷気をどれくらい遮断するかを防ぐ「R値」が高い製品がおすすめです。
電源サイトでは、テントマットに加えてホットカーペットも使用すれば、睡眠中に寒さを感じることもないでしょう。
・マミー型のシュラフ
冬キャンプで使うシュラフ(寝袋)は、体との密着度が高いマミー型がおすすめです。体温を逃しづらく保温性にも優れているため、寝る際に冷えを感じづらくなります。
また、シュラフは製品によって使用に向いた温度が異なります。表記はメーカーによって異なりますが、どのくらいの気温での使用に向いているかを表す温度表示をチェックして選ぶようにしてください。
・湯たんぽ
お湯を入れるだけで暖を取れる湯たんぽは、テント泊の際にあると便利なアイテムです。火を使うストーブなどと異なり、一酸化炭素中毒や乾燥で喉を傷める心配がありません。
あらかじめシュラフの中に湯たんぽを入れておけば、シュラフに入る際に冷たさを感じず快適です。
暖かさが長く続く金属製や、低温火傷の心配が少ないプラスチック製などの種類があるので、好みに応じて選ぶことができるのもポイントです。
■冬用テントを用意して冬キャンプに行ってみよう
冬のキャンプは、冷えや結露といった問題に対処する必要があります。寒さや雪に強いテントや、暖かく過ごすための防寒アイテムを用意するのが、冬の寒い時期でもキャンプを楽しむためのポイントです。
アウトドアに慣れてきて、冬キャンプにチャレンジしたいと考えている方は、冬用のテントを用意しておくことをおすすめします。
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