アウトドアシーンではナイフを用意すると便利。種類や選び方などをご紹介
登山やキャンプといったアウトドアシーンでは、薪を割ったり料理を作ったりと、ものを切るシーンが多く見られます。そのような場面に備えて用意しておくと便利なのが、アウトドアナイフと呼ばれるアイテムです。
ここでは、アウトドアナイフの使い方の一例や種類ごとの特徴、選び方のポイントなどをご紹介します。
【目次】
■アウトドアシーンではナイフがあると便利
アウトドアナイフは、名前の通りキャンプをはじめとしたアウトドアシーンで便利に使えるナイフです。アウトドアナイフを持っていれば、ロープを切る、料理の際に食材を切り分ける、薪を割る、木材を薄く削って着火剤にするなど、さまざまなシーンで活用できます。
また、木の枝を削って道具を作成する「ブッシュクラフト」や、ナイフのエッジで火花を発生させて火打石のように使うなどといった利用方法も考えられます。
このように、ナイフは多くの場面で活躍するアイテムです。アウトドアナイフを持っているだけで、よりアウトドアを楽しめるようになるでしょう。
■アウトドアナイフの種類
アウトドアナイフは、構造から3種類に分けることができます。それぞれ特徴が異なるため、どのようなシーンで使用したいのかを考えながら種類を選ぶことが大切です。
種類ごとの特徴や使用できるシーンの違いを知って、アウトドアナイフ選びに役立てましょう。
・シースナイフ
1枚の鋼材からできていて、刃(ブレード)が持ち手に固定されているタイプのナイフです。シースと呼ばれる鞘に収納して持ち運ぶことが名前の由来で、刃が固定されていることから「固定刃(フィックスブレード)」と呼ばれることもあります。
刃渡りは長いものが多く、可動部がないため作りも頑丈で耐久性に優れています。木やロープを切ったり調理に使ったり、刃が厚いものなら「バドニング」と呼ばれる技法で薪を割ることもできるなど、幅広い用途で使用できるのが特徴です。
また、切れ味が落ちた際にメンテナンスがしやすい点も、シースナイフのメリットといえるでしょう。
・フォールディングナイフ
刃を持ち手部分に収納できる、折りたたみ式のナイフがフォールディングナイフです。使わない時は刃をしまっておけるため、安全かつコンパクトに持ち運ぶことができます。
可動部があるため、シースナイフに比べると頑丈さやメンテナンス性には劣りますが、食材を切ったり小枝を切ったりする用途なら十分に使用可能です。環境が整っているキャンプ場や、荷物を少しでも軽くしたいソロキャンプシーンでの使用におすすめです。
・ツールナイフ
ナイフの他にも缶切りや栓抜き、ハサミなど、幅広いツールが備わっている多機能なナイフです。アーミーナイフやマルチツール、機能の数に応じて十徳ナイフや七徳ナイフなどと呼ばれることもあります。
さまざまなアイテムをひとまとめにして持ち運べるのがメリットで、アウトドアギアとしてはもちろん、防災用品として用意しておくのもおすすめです。
1つで何役もこなせるため便利ですが、ナイフの刃渡りは短いものも多く、備わっているツールはそれぞれ専用のアイテムより使い勝手で劣ります。
■アウトドアナイフの選び方
アウトドアナイフは種類による違いの他にも、刃に使われている素材や構造なども商品ごとに異なります。用途などを踏まえて自身に最適なものを選ぶことが、ナイフを上手に使いこなすコツです。
アウトドアナイフを選ぶ際に確認したいポイントをいくつかご紹介します。
・刃の素材から選ぶ
アウトドアナイフの刃は、カーボンスチールやステンレススチール、青紙鋼などの素材から作られています。メンテナンス性などが変わるため、素材ごとの特徴を知っておくと便利です。
代表的な素材の特徴は、以下の通りです。
【カーボンスチール】
カーボンスチール製のナイフは切れ味が良く、刃も研ぎやすいのが特徴です。水分に弱くさびやすいため、こまめなお手入れは欠かせません。
【ステンレススチール】
耐久性や耐食性に優れたステンレスを使ったナイフは、さびに強いのが魅力です。調理や木を削るなどの用途に使いやすく、お手入れも簡単なので、アウトドア初心者の方にもおすすめです。
【青紙鋼】
安来鋼と呼ばれる鋼の一種で、職人用の包丁など高級刃物にも使用されています。切れ味が良く長持ちするのが特徴で、食材を切る用途におすすめです。
カーボンスチールと同様にさびには弱いので、お手入れはしっかりと行いましょう。
・刃の形状
アウトドアナイフの刃の形状は切れ味に大きく関わるため、素材と一緒に確認しておきましょう。代表的な刃の形状は、フラットグラインド、スカンジグラインド、ホローグラインドの3種類です。
【フラットグラインド】
側面が平らに加工されていて、ものが切れる部分は先端1mmほどになります。刃が薄いものは料理などの用途に向いている一方で、刃が厚いものほど作りが頑丈になるのが特徴です。
【スカンジグラインド】
刃の先端に向かって真っすぐになっていて、ものが切れる部分が幅広いのが特徴です。ブッシュクラフトのように、ものを削る作業が行いやすいです。
【ホローグラインド】
刃の側面がくびれるようになっていて、一般的なナイフにも採用されている形状です。実際にものが切れる部分はフラットグラインドと同様に先端1mmほどですが、切れ味が鋭いため料理などに活用したい方に向いています。
・グリップの握りやすさ
サバイバルナイフを安全に使用するためには、手が滑ってナイフを落とさないように、グリップが握りやすいか確認することも重要です。グリップ部に凹凸がついていて滑りづらい構造になっている、軽い木製素材で作られていて使いやすいなど、できるだけ自身の手にフィットするものを選びましょう。
また、左利きの方は通常のアウトドアナイフが持ちづらいことも考えられます。安全のために、左右どちらの手でも使用しやすいタイプを探してみることをおすすめします。
・ロック機能
折りたたみ式のフォールディングナイフを購入したい場合は、ロック機能の確認も重要です。使用中に刃のロックを解除することがないように、ナイフのどこにロック解除ボタンがついているのかをあらかじめ確認しておきましょう。
また、フォールディングナイフを使い続けていくと、ロック部分が緩んで刃がグラついてくる恐れもあります。耐久性に優れているかどうかも、ナイフを選ぶ際のポイントのひとつです。
■お手入れをしてナイフを長持ちさせよう
アウトドアナイフは一般的な刃物と同様に、お手入れをしないとさびたり刃が欠けたりして、切れ味が落ちてしまいます。使用したら汚れを落とした後に水を拭き取り保管する、定期的に刃を研いでおくなど、日々のお手入れをしっかり行うことが大切です。
フォールディングナイフやツールナイフのような可動部がある製品は、可動部にさび止めを塗っておくのもおすすめです。その時、食品を切る用途で使うナイフの場合は、刃にさび止めがつかないように注意しましょう。
■持ち運ぶ際は銃刀法に注意
日本国内では、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)において、刃渡り6cmを超える刃物は「業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない」と定められています。
キャンプでの使用は「正当な理由」に当たるため問題ありませんが、持ち運ぶ際は厳重に梱包して、すぐに使用できないように保管しておくことが大切です。
刃渡り6cm以下の刃物でも、理由なくすぐに使用できる状態での携帯は軽犯罪法違反になる恐れがあるので、刃渡りに関わらず梱包して持ち歩くようにすると安心です。
また、「キャンプを終えた後も車内やリュックにナイフを入れっぱなしだった」という場合も、法律違反になる場合があります。キャンプを終え帰宅した後は、速やかにナイフをお手入れしてしまっておきましょう。
■アウトドアナイフでアウトドアの楽しみ方を広げよう
アウトドアナイフは、幅広いアウトドアシーンで活躍する便利なアイテムです。アウトドアをより楽しみたいという方は用意してみるのも良いでしょう。
ただし、ナイフは使用方法を間違えると怪我をしたり、場合によっては法律違反で罰せられたりする恐れもあります。持ち運びや使用方法には注意することが大切です。
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